受験勉強科目別攻略法:各科目の性質に合った勉強をすると受験はうまくいく。

2015年11月20日

受験勉強は、学校の定期テストのように、全教科同じような方法で同じように時間をかければうまくいくというものではありません。そこで今日は、それぞれの科目の性質を見極めた上で、何をどの時期にどう勉強していけばよいかという科目別攻略法を書いてみます。

全ての人にあてはまるというわけではなく、トップ校や公立上位高校を志望している人を対象にした勉強法です。これからの受験勉強の参考にしてください。
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英語:毎日やるメニューと週何回かやるメニューを分けろ

英語のような語学系の科目は、ある日5時間勉強したからといって、次の日勉強した分だけ成果が上がるような科目ではありません(定期テストは別)。しかも、ある日は5時間やったけれども、それから2〜3日は全く勉強しないのでは、ほとんど勉強の効果が見込めません。英語は少しずつでもいいので、毎日継続して勉強することが大切です。そこで、英語の受験対策でオススメなことは、毎日必ずやるメニューと、週に何回か取り組むメニューとに分けて考えることです。

リスニングと長文読解は毎日やる

先ほど語学系の勉強は、毎日少しでも継続して勉強しないと効果が薄いと言いましたが、英語の学習の中でもその代表格がリスニングと長文読解です。よって、これは毎日やるメニューに組み込んでしまいます。

たとえばリスニングなら、ラジオ講座の基礎英語を毎日15分聞く、または、全国入試問題の付録についているリスニング用CDを毎日1都道府県ずつ聞くなどが効果的です。長文読解なら、入試レベルの長さの長文読解問題を制限時間を決めて取り組みます。リスニングの15分+長文読解の20分〜30分程度(答え合わせとやり直しを含め)、計35分〜45分程度と、そんなに時間はかかりません。クドいようですが、これを毎日欠かさず続けることに意義があります。

文法復習や全国入試問題は週に何度か

週に何度か取り組むべきメニューは、苦手な部分の文法復習や全国入試問題集です。また、英語が特に苦手な人なら、英単語やイディオムの暗記も取り入れます。

これを週に2〜3回ずつやる。公立トップ校を目指している人であれば、全国入試問題集を週に2〜3都道府県ずつ、制限時間を決めて解いていきましょう。英語は「毎日1都道府県をやる」と意気込む必要はありません。もちろんやれるならやった方がいいかもしれませんが、毎日1都道府県のペースで解いても、週に2〜3都道府県のペースで解いても、結局最終的な成果はあまり変わらないことの方が多いです。

数理社:やり方さえ間違えなければ、かけた時間に比例して成果が出る

数・理・社は、英語や国語などの語学系とは違って、やり方を間違えなければ、かけた時間に比例して成果が上がりやすい科目です。まさに、短期間で点数を上げなければいけない受験生にとって狙い目の科目群といえます。ただし、「やり方を間違えなければ」という前提です。以前「この時期に多くの受験生が陥りやすい、理社の誤った受験勉強法」でも触れましたが、受験勉強のポイントとしては、必ず入試問題が解けることを最終目標とし、入試問題が解けるようになるまでやり続けることです。

まずは仕上がっていない単元を潰す

数理社の受験対策として最初にやるべきことは、まず極端に仕上がっていない単元を1つ1つ潰していくことです。このときの教材は、教科書と手持ちの基本的な問題集で構いません。ここで大切なことは、1つの単元をできるだけ短期間で集中的に潰していくことです。これは、語学系の受験対策とは全く異なる考え方になりますが、毎日20分や30分ずつの短時間で、長い時間をかけて仕上げるのではなく、1単元につき1日や2日、長くかけても3〜4日で集中的に仕上げてしまいましょう。

仕上げに実際の入試問題で演習をする

短期間で1つの単元を潰したあとに、それだけで満足していては決して数理社の偏差値は上がりません。数理社の受験勉強では、最後の仕上げが最も重要です。最後の仕上げ、それは、必ず入試問題で演習をすることです。

しかも、その単元の入試問題を1題や2題だけ解いて満足していてもダメです。できれば10題以上、その単元の入試問題を解きましょう。10題以上同じ単元の入試問題ばかり解いていると、その単元の中でよく出題される内容や問われ方が分かるようになってきます。よく出題される内容や問われ方=その単元で絶対にマスターしておくべき重要ポイントです。つまり、同じ単元の入試問題を10題以上解くことによって、何がポイントで、どのような考え方が重要なのかが初めて分かるようになってくるのです。

また、入試問題はできるだけ最新のものを使いましょう。入試の出題形式にもトレンドがあり、同じ単元の問題でも、昔と今とでは問われ方や求められる力が全く異なってきます。そのために最適なものが、このブログでも何度も何度も言っているように2016年度受験用 全国入試問題集正解です。特にトップ校を目指しているのなら、取り組んでおいて損することは絶対にありません。

単元別対策後は総合演習

単元別に対策した後、「これで仕上がったかな」と思う科目に関しては、総合演習に移りましょう。総合演習では、先ほどの全国入試問題集正解の1つ1つの都道府県を、最初の問題から最後まで制限時間を決めて解いていきます。こうすることで、今まで勉強してきた単元の総復習ができると同時に、細かな弱点をあぶり出してそれを潰していくことができます。

特に理科社会で言えば、各都道府県の入試問題を通しで解く総合演習が効果テキメンです。逆に数学は、各都道府県ごとに出題傾向の違いが極端なので、通しで最初から最後まで解くというよりも、全国入試問題の単元別強化を繰り返し行っていった方が得策と言えます。

この総合演習をやる時期は、受験1ヶ月半前、遅くとも1ヶ月前からです。つまり、理社での単元別強化はそれより前に行っておかなければいけません。総合演習をする時期から逆算しながら、毎日何を取り組むか、いつまでに仕上げるかというスケジュールを立てていきましょう。

国語:短期間で最も伸びる可能性が低い科目をどう押し上げるか

英語以上に厄介なのが国語です。このブログでも国語についてはたくさん記事を書いてきていますが、国語、特に現代文は短期間で伸びる確率の一番低い科目です。逆に、現代文が得意な人は、それほどやらなくても点がとれてしまいます。その原因は色々とありますが、ここでそれをくどくどと書くことは避けます。

現代文は解法を忘れない程度に定期的に解く

一番伸びが期待できない現代文に、受験前に多くの時間をかけるのはナンセンスです。だからと言って、現代文に受験前までに全く手をつけなかったら、現代文を解くための論理的思考やテクニックも鈍ってしまいます。よって現代文は、たとえば週に2回などのように、解法を忘れない程度の頻度で解いていくのがよいでしょう。

現代文を勉強する上で最も大切なことは、解いたら解きっぱなしにしないことです。解いた後は、間違った問題はもちろん、正解していた問題に対しても、じっくりと解説を読み込みます。なぜその選択肢になるのか、なぜこの一文を書き抜くのかなど、解説書を読みながら答えを導くまでのプロセスを理解しましょう。現代文の答えには全て根拠があり、その根拠が明確に示せるようになることが現代文の最も重要なポイントです。そして解説と同じプロセスの思考をできるだけ真似しながら、次の現代文の問題を解くのです。

よく、現代文を解いたら解きっぱなしにして、ほとんど解説も読まずに次々と問題数だけをこなしていく人がいますが、受験勉強においてその勉強の仕方は全く意味がありません。問題を解くのにかけた時間以上を、解説を読み思考プロセスを理解するために費やしましょう。

知識分野と古文は過去問ベースに

現代文以外の、知識分野や古文は、現代文よりはまだ短期間での伸びが期待できるところです。どうしても国語で点数を伸ばしたい人は、これらに取り組みましょう。

知識分野の代表格である漢字は、普段からコツコツと勉強しましょう。間違っても、小学生のように1日のうちで漢字練習だけしか勉強をしていないという日を作らないように。文法問題が出題される場合は、洗いざらい全て復習するのは大変だし時間がかかるだけなので、実際の過去問を3年分程度解き、自分が苦手だと思う分野のみを問題集で強化しましょう。

古文は、現在の古文のレベルにもよりますが、それを把握するためにまず文法問題と同じく実際の過去問を解きましょう。もしも、現段階で8〜9割程度古文でとれるという人は、現代文と同じように定期的に古文の入試問題を解いて、レベルを落とさないようにします。現段階で古文がめちゃくちゃだという人は、入試問題を解く以前の段階、つまり重要古語を覚える、助動詞の意味や活用を覚えることから始めましょう。

ただし、これらはいくら現代文よりは伸びしろがあると言えども、社会や理科と比べるとやはり配点も低いところです。国語だけに特化し過ぎた結果、国語は期待していた程伸びないし、他の科目の勉強時間もとれなかったでは、総崩れ状態になってしまいます。そういう事態だけは避けるように。

まとめ

効率の良い受験勉強とは、各科目の性質や現段階の自分の実力、そして入試当日までの残りの期間をしっかりと見極めた上で、勉強効果の見込めるものから優先順位をつけながら、バランス良く勉強していくことです。よって、入試当日から逆算して、どれだけの時間を勉強時間に割くことができるかを計算し、どの科目をいつまでに仕上げるという計画をしっかりと立てていくことが大切になってきます。

かといって、何十日先までの勉強計画を立てることは不可能に近い。もしできたとしても、机上の空論で終わってしまうでしょう。なので、うちの塾生には、1週間ごとの勉強計画を立てなさいと指導しています。

入試までの残りの期間をあと何週間あるか計算します。たとえば神奈川県の場合、公立入試まであと約12週間あります。この12週間のうち、残り5週を総合演習に充てるとすると、残り7週でとりあえず全ての科目を潰さなければいけません。次に、潰さなければいけない単元が何個あるかを書き出してみると、1週間のうちにいくつの単元を潰していかなければいけないか、だいたいの目安が分かるようになります。それらを優先順位の高い順番から、1週間ごとの計画に盛り込んでいくのです。

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