「夏を制するものが受験を制す」と言われる大事な夏がもうすぐそこです。
とは言え、受験勉強初体験となる中学生にとって、受験勉強は何をどう勉強すればいいのかわからないというのが本音でしょう。
そこで今日は、受験勉強初体験である新米受験生に、受験勉強の流れと今やるべきことを説明してみます。
受験勉強の流れ
まず覚えておいてほしいことは、受験勉強は大きく3タームに分けることができるということです。
基礎完成期
受験勉強の初期にまずやるべきことは、基礎の完成です。英語なら文法事項、数学なら各分野の基礎例題、国語なら基本的な読解法や語彙、理科社会なら各単元の基礎の復習などがこれにあたります。
あとで詳しく触れますが、必ず押さえておいてほしいことは、基礎を完成させても入試問題が解けるわけではないということです。入試模試の偏差値もそれほど上がりません。
基礎の完成は過去問や実践レベルの問題を、スムーズに解けるようになるための土台作りが目的です。基礎を完成させても入試問題は解けるようにはなりませんが、基礎を完成させないと入試問題が解けるわけがないのです。
実践演習期
実践演習期は、実際の過去問や過去問と同レベルの実践問題を解きながら、実践的な力をつけていく時期です。
受験勉強において、この実践演習期が最重要期間であり、この時期に最も偏差値が伸びます。逆に言えば、伸び悩んでしまう受験生の多くの原因が実践演習不足にあります。
特に難関校を目指す受験生の場合、なるべくたくさんの実践問題や過去問を解いて、応用力を強化することが重要です。
仕上げ期
最後は仕上げ期です。仕上げ期は、知識の穴や仕上がっていない問題をあぶり出してそれを埋めていったり、時間配分や問題を解く順番などの最終確認をしていきます。
まずは制限時間を厳守しながら過去問や実戦形式の模試を解き、時間の使い方を確認します。間違えた問題については基礎問題集に戻り、無意識のうちにあいていた知識の穴を丁寧に潰していきましょう。
仕上げ期をきちんとやると、受験本番で失敗しにくくなります。「模試ではあんなに取れていたのに、本番では失敗して落ちてしまった」という人のほとんどが、このような仕上げ期を経ないまま入試を迎えるからです。
高校受験生にとっての受験勉強の進め方
教科によって異なりますが、難関校を目指していて、2月中に入試本番を迎える高校受験生にとっての理想的な受験勉強の進め方は下記の通りです。
「こんなに基礎完成が遅くていいの?」と疑問に思う人がいるかもしれませんが、11月まで学校の定期テストの勉強もあり、中3内容の学習をすべて終えるのが遅くなってしまう高校受験生にとって、基礎完成期をこれ以上早めるのはなかなか難しいことです。
だからこそ、11月までかかってしまう基礎完成期をサボってしまうと、スムーズに実践演習期に入ることができず、ただでさえも短い実践演習期がさらに短くなってしまいます。
伸びない受験生の典型的な例
受験勉強後半に伸びない受験生の多くが、基礎完成期にサボってしまったばかりに、一番大事な実践演習をするべき時期にまだ基礎的な勉強をしているパターンです。先ほども述べましたが、基礎だけをやっているうちは模試の偏差値はほとんど上がりません。
そして入試ギリギリまで実践演習を続け、仕上げ期を経ないまま入試を迎えてしまい、本番で失敗してしまうリスクが大きくなります。
まとめ
夏に十分基礎を鍛えた受験生が秋以降に実践演習を積み、冬に志望校に対して戦える力を身につけます。冬に入試が行われる限り、この事実は変わりません。
一つ前のブログで「トップ校を目指す高校受験生が、この夏やるべき2つのこと」という記事を書きましたが、夏の間は一番時間に余裕がある「基礎完成期」です。
この時期に中3内容の予習とあきれるくらいの基礎の復習に取り組み、最重要期間である「実践演習期」に繋げましょう。