公立トップ校を目指す小学生高学年のための、読書会課題本10選

2018年4月26日

4月〜5月の小学生読書会の課題本は山中恒さんの「ぼくがぼくであること」です。

読書会もこの春で3年目。今は小5〜小6生を対象に、月に2回ずつのペースで読書会を開きながら、1ヶ月半〜2ヶ月に1冊を読むペースで進めています。

最近は他の塾の先生から「うちも読書会をやってみたいです」「読書会ってどうやって進めているんですか」といった質問をよくいただくようになりましたが、正直めちゃくちゃ嬉しいです。この調子で、1つでも多くの塾に読書会を取り入れてもらいたいと思っています。

読書会の進め方については、以前詳しく記事にしてまとめていますので、読書会に興味のある方は是非そちらも読んでみて下さい。
参考:読書会のススメ!塾で実践している小学生対象の読書会の進め方についてまとめてみた。

今日は、この3年間で読書会の課題本にしてきた10冊をまとめてみます。小学生高学年〜中1・2生くらいの読書指南としてお役立て下さい。

小学生読書会課題本10冊(おすすめ順)

1.飛ぶ教室


これは児童書とは思えないくらい、生きるための哲学がたくさんつまった素晴らしい作品。小説の中に登場する先生や子どもたちが発するセリフ。ケストナー自身が書いたまえがき。子ども向けの言葉で簡単に書かれているからこそ、ストレートに、そして深く心に突き刺さります。

大人でも、十分読み応えのある作品です。親子で共有されることをオススメします。

読書会の様子:「飛ぶ教室」読書会開催レポート

2.冒険者たち ガンバと15ひきの仲間


これは特に男子にウケた作品でした。結構分厚い本ですが、読書が嫌いな男子もこの時だけは嫌がらずにすすんで読んでいました。ガンバをはじめとするネズミたちの頑張りが純粋で泣けます。

3.きよしこ


言わずと知れた重松清の代表作。重松清の本は短編集が多く、読書会で扱いやすいです。これを読んで重松作品を好きになってくれた子も。自由課題の時に、同じ重松作品の「きみの友だち」を選ぶ子が複数いました。それにしても重松清は子どもの心情描写がピカイチですね。

4.夏の庭


死をテーマにした作品でありながらも、重苦しすぎず、どこか爽やかに子ども目線から死をとらえた名作です。湯本香樹実さんの本では夏の庭の他に「ポプラの秋」も有名ですが、これは今年の課題本にする予定です。

読書会の様子:言いたいことを3つほど手短に言う

5.エーミールと探偵たち


私自身が気に入りすぎて、2年連続読書会の課題本に指定したほど。「飛ぶ教室」と同じドイツの作家エーリヒケストナーの作品ですが、彼の書く物語は本当に面白くて、優しくて、暖かいです。子どものことが大好きなんだろうなぁ。飛ぶ教室よりも単純で面白いので、小学生にとってはこちらの方が読みやすいかも。

読書会の様子:小学生読書会「エーミールと探偵たち」

6.ぼくがぼくであること


今月の課題本ですね。今から40年も前に書かれた作品ですが、今の時代に読んでも古臭さは全く感じません(多少の時代背景の違いはありますが)。大人が読んでも十分面白いほど、実はこの作品のテーマはものすごく深いです。

7.小学5年生


重松清の作品。小学5年生の男の子ばかりを主人公とした短編集です。中学入試や小学生の国語の問題集でも、この本からの短編がよく扱われます。4年でも6年でもない、「5年生」ならではの心情がうまく描かれています。もう、脱帽です。

8.西の魔女が死んだ


これも名作中の名作。読書会1年目に読みましたが、語彙力が乏しい子には難しかったかも。あと、登場人物がほぼ女子なので、女の子ウケはしますが、男の子はちんぷんかんぷんといった様子でした。精神年齢の高めな、小学校高学年〜中学生の女子にオススメです。

9.21世紀に生きる君たちへ


6年生が小学校を卒業する3月に読ませました。全員で何度も何度も音読をしました。中学生になる前に、読んでもらいたい本の一つです。たとえ意味が全部は分からなくても。

10.ふしぎ駄菓子屋銭天堂


記念すべき第1回目の読書会の課題本がコレです。内容はありません(笑)ただひたすら不思議で楽しい話が盛りだくさん。普段読書をしない子でも、これなら夢中で読んでくれます。

さいごに

「子どもが本を読まなくて…」とおっしゃる保護者の方には、「ぜひお子さんを大きな本屋に連れて行ってやってください」とお願いしています。手っ取り早く近くの小さい本屋さんや公立の図書館で済まそうとか、そんなケチくさいこと思わないでください。

例えばこの辺だと、小田原からはちょっと遠いけれど、藤沢にある湘南T-SITEがオススメです。
湘南TーSITE

ここに行けば、どんな本嫌いな子でも確実にワクワクします。「この中から何千円以内なら好きな本を何冊でも買っていいよ」といえば、子ども夢中で本を探し始めるでしょう。それほど、面白そうな本が興味をそそる形でたくさんディスプレイされています。

あとは、親御さん自身も本を読んでくださいね。

親御さんはビール片手にテレビに夢中、あるいは四六時中スマホでやりとりしているのに、子どもに「本を読め」と言っても誰も読みません。子どもは、親御さんが楽しんでいるものに興味を持ちます。本を読む子に育って欲しかったら、まずは保護者の方が本を読む。勉強する子になって欲しかったら、まずは保護者の方が勉強を楽しむ。そういう姿勢を見せることが、一番大切な家庭教育なのだと思います。