読書会のススメ!塾で実践している小学生対象の読書会の進め方についてまとめてみた。

2017年11月10日

昨日・今日は小学生の読書会でした。読書の秋真っ盛りだというのに、「夏の庭」を読んでいます。

うちの塾で読書会を始めてから1年以上が経過しました。大人向けの読書会についての情報はネット上のそこら辺に転がっていますが、小学生対象の読書会の進め方についての記事や情報はまだまだ少ないので、今日はうちの塾で実践している小学生対象の読書会の進め方についてまとめてみようと思います。

読書会のペース

読書会は基本的に1ヶ月に2回のペースで開いています。基本的にはこちらが指定した課題図書を読んでくるというスタイルですが、半年に1度は課題図書ではなく好きな本を読んできて、それを紹介し合うということもやっています。半年に1度に自由図書を入れると、生徒が普段どんなレベルやジャンルの本を好んで読むのかが分かるので面白いです。また、読書会の課題本選びの参考にもなります。

1冊の課題図書を、だいたい1ヶ月半〜2ヶ月くらいかけて読んでいきます。1冊の本を3〜4回の読書会で読むというペースです。本当は1ヶ月に1冊くらいのペースで読んでいきたいのですが、試行錯誤の末このくらいのペースがちょうどいいと分かりました。

小学生対象の読書会の進め方

大人の読書会や図書館などで実施される読書会では、その本について自由に意見を言い合うフリートーク形式でも結構盛り上がるのですが、うちはフリートーク形式はとりません。フリートーク形式の読書会は、本当に本が好きで自発的に集まった人達なら成立するとは思いますが、うちの塾のように半ば強制的にやっている読書会ではまず成立しません。

必ず毎回レジュメのプリントを用意して、それに沿って進めていきます。レジュメの項目はだいたい以下の通りです。

あらすじ確認

どの読書会でも最初にやるのがあらすじの確認です。予めこちらがあらすじをまとめたものを穴埋め形式で確認したり、今回の「夏の庭」のようにそんなにたくさんの出来事が次々と起こらない小説は、自分であらすじをまとめさせてみます。

これをやってみると、同じ課題本を読んできているのにも関わらず、全くあらすじの要約が違うということが結構あります。

小説の読めない子は、

・話の筋が分からない。
・登場人物の相関関係を把握していない。
・心情の変化が掴めない。

ほぼこの3つのいずれかが原因です。なので、読書会ではこれら3つの「読めない障壁」を取り除く手助けをします。

あらすじの確認は、穴埋め形式でやれば5分くらい、要約形式だと10分〜15分くらいかかりますが、課題図書の難易度やその日の読書会のレジュメによって変えています。

登場人物の確認

課題図書の1回目の読書会でやるのが、登場人物の確認です。ただ登場人物を列挙するだけでなく、見た目・性格・特徴など、細かい部分まで踏み込んで整理します。また、必要であれば、相関関係をまとめたりもします。

これをしっかりとやっておくと、おうちで一人で課題図書の続きを読んでいるとき、小説の内容を頭の中でイメージしやすくなり、それが読み易さにもつながっていきます。

「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」のように、登場人物(この場合はねずみだけど)がたくさんいる場合は、「一番好きなキャラクターは誰?」とか、「今回一番活躍したのは誰だと思う?」という質問をすることで登場人物の特徴を捉えさせても面白いです。

朗読

特に5年生の読書会では頻繁に朗読をさせます。物語の鍵となる場面、セリフ、読み飛ばせない心情などを、一人一人順々に読ませていきます。

おうちで一人で読んでいるときはなかなか理解できなかった内容でも、皆で一緒に声に出して朗読すると、理解できるということはしょっちゅうあります。読み聞かせと同じ効果があるのだと思います。だから、読むのが上手な子には長く読ませたり、特に重要なところを読ませて、読むのが下手な子や理解が乏しい子に聞かせるようにしています。

感想・レビュー

最後の回は感想やレビューを書かせます。ただ、読書感想文のように長ったらしいものではなく、4〜5行程度の簡単なものです。あとはレビューもよく書かせます。その本に対して星5つ分で評価を付け、その評価の理由を書いたりオススメポイントを書いたりなどです。

「感想」と言うと、みんな真面目なので優等生のような感想しか書きませんが、星を付けるレビューにすると、結構本音が出てきたり、結構面白がって書いてくれます。

感想やレビューを書いて、それを塾内新聞に掲載して、その課題図書は終わりです。

まとめ

昨年、活字をインプットする習慣が付けばということではじめた読書会ですが、1年以上やってみて、活字に慣れるということ以外にも効果があることが分かりました。

例えば、難易度の高い本でも読書会でなら読めること、課題本をきっかけに本のジャンルの興味の幅が広がること、生徒同士の会話のきっかけになることなどです。「冒険者たち」を読んだことをきっかけに、ガンバシリーズの他の分厚い本にも挑戦してみた子も複数いました。

とりあえず、良いことしかありません。読書会をやって、マイナスなことはありません。塾でも学校でも学童でも、もちろんご家庭でもどこでも簡単に開催できて、かつ教育的効果も高いので、この記事をキッカケに「うちでもやってみよう」というところが少しでも増えていくことを願っています。