受験の特効薬「全国入試問題正解」が効く人と効く科目。

2018年4月25日

日曜日の塾ブログフェスの後の懇親会で知り合った、埼玉の雄飛会の塾長先生とお話していたところ、雄飛会もうちの塾と同じように「全国入試問題正解」をゴリゴリと解かせているということで、全国入試問題正解(以下「全国入試」)の話で盛り上がりました。

この雄飛会は、なんと埼玉の公立高校の中でも名門中の名門の浦和高校受験専門とのことです。凄いですよね。神奈川でいうと、湘南高校受験専門塾とか横浜翠嵐高校受験専門塾とか、そういうレベルになります。

ちなみに神奈川にも横浜翠嵐高校受験専門塾は存在するんですよ!しかも個人塾で!!横浜の港北区にある「岡本塾」さんで、この前の日曜日は岡本塾長とも数年ぶりにお会いすることができました。

話を全国入試に戻します。浦和高校専門塾雄飛会の超強面の塾長の一柳先生が、「全国入試で一番大切なことはよぉ〜、中3までによぉ〜、全国入試を解けるレベルまでに生徒を育てておくことが一番大切なんだって。わかるかぁコノヤロー」と、日本酒片手に他の先生方に絡んでいたおっしゃっていたのを聞いて、「そうそうその通りなんだよ!」と思わず叫びたくなってしまいましたが、絡まれるのが嫌だったのでやめました。

ご存知のように、うちの塾でも毎年のように全国入試を使っています。2013年度受験から全国入試を導入したので、もうかれこれ6年間は愛用しています。今では全国入試がないと、うちの受験指導は成立しません。本当に全国入試が好き。愛してる。

このブログでも、全国入試に関する記事を、それはもう数えられないくらいたくさん書いてきました。

そのせいか、他塾の先生からよく「全国入試ってどうやって使ってるんですか」と質問されることもありますし、外部の受験生や保護者の方からも「全国入試をやろうと思っているのですが…」など、全国入試に関する質問が毎年たくさんよせられます。

しかし、全国入試を取り入れるためには、その前にそれなりの準備が必要です。いきなり全国入試を解いても、時間と労力の無駄に終わります。さらに、全国入試が全国の受験生全員に有効かというと、残念ながらそうではありません。

ということで、今日は全国入試が効く人の条件と効く科目について書いてみたいと思います。

全国入試が有効な人の条件

最低でも偏差値55以上

全国入試はその名の通り、その前の年の全国47都道府県や一部の国私立で実施された入試問題が掲載されているもので、問題集というよりデータベース的な要素の強い過去問集です。

要は入試問題なので、ある程度の基礎学力がないと、まず歯が立ちません。「ある程度の基礎学力ってどのくらいよ?」と思われるかもしれませんが、一般的な入試模試で最低でも理社だと55以上、英数であれば63以上の偏差値がないと全国入試にまだ手をつけるべきではありません(国語は指導者が必要)。というより、解こうとしても結局ほとんど出来ないので意味がありません。

理社の場合、各科目の偏差値が55以上になるまでは、基礎的な問題集を繰り返し勉強しましょう。逆に言えば、偏差値がその程度を超えてきたあたりから、基礎的な問題集を繰り返し勉強していてもなかなか偏差値が上がりにくくなります。そのタイミングで全国入試を単元別に解き始めると、偏差値がまたぐんと上がっていきます。

公立トップ校が志望校

公立トップ校を志望している場合、全国入試をやる価値はありますが、公立3番手校以下を志望しているなら全国入試までやる必要はありません。自分の県の過去問を6年分、繰り返し解いた方が点数は安定します。2番手校あたりの高校を志望している人は、科目によっては全国入試をやると良いでしょう。

全国の入試問題は、同じ科目でも問題傾向も難易度もバラバラです。トップ校狙いの人が全国入試が必要な理由は、いろいろな出題傾向や難易度に慣れておくことで、出題傾向の変化にも柔軟に対応するためです。

例えば神奈川の場合、2018年度の社会が良い例です。今年の社会は、神奈川県の過去問ばかりを勉強していた人にとっては、なかなか対応できなかったでしょう。しかし、全国入試でいろいろな難易度の問題を練習していた人は、そんなに大きく点数を落とすことはなかったと思います。

全国入試のように、いろいろな傾向の問題にふれることで、入試の難易度に点数が左右されにくくなります。一般的に倍率も高く、高得点が続出する公立トップ校受験生にとって、点数を安定させておくことはめちゃくちゃ重要です。

いつでも質問できる環境にある人

トップ狙いには素晴らしい教材の全国入試ですが、弱点が1つあります。それは、解説の内容が薄くて非常に分かりにくいということです。しかも、解説が重要な役割を担う理数科目が特に分かりにくい。

余程の天才でない限り、あの解説で理解するには無理があります。学校や塾の先生なり親御さんなり、近くに質問できる人がいると問題ありませんが、そういう人がいない場合は理数の全国入試をたった一人でやるのはなかなかハードです。英語や社会だったらまだ大丈夫かな。

全国入試が効く科目はやっぱり理社!あとは数学

全国入試は全ての科目をやる必要はありません。うちの塾では2018年度の受験で、理社と国語の3科目のみ全国入試を取り入れました。英語は神奈川の過去問5年分と過去の独自入試全て、数学は神奈川の過去問5年分と、私が過去3年間の全国入試からピックアップした問題を集めたパターン別良問集をやっただけで、全国入試には手を付けませんでした。

それでも塾生の入試平均点はまずまずでした

神奈川県の場合、全国入試を取り入れるべきは理社です。理社は、公立2番手校以上を受ける人は、必ずやっておいた方がいいです。

英数国は、無理しなくてもいいかな。ただ、英語が得意な人(英語の偏差値が65以上)の場合、英語も取り入れても良いかなとは思いますが、逆に英語が得意な人はそこまでやらなくても英語で高得点は普通に取れるので、英語の全国入試をやっている暇があれば、理社の全国を解いたほうが良いと思います。つまり、無理にやらなくてもいいってことですね。

逆に、数学の偏差値が65以上かつ数学をもっと伸ばしたい人は、全国入試を取り入れるといいかも。数学は、色々なパターンの問題に多く触れるほど、色んな解法や考え方が頭の中にストックされていくので、難易度の高い問題でも対応できるようになります。

国語は指導者が先導してやるのなら良いですが、自分で解くだけならやめた方がいいです。

まとめ

全国入試に手をつけるのは、どんなに早くても夏、だいたいは秋頃からになるので、まずはそれまでに基礎的な学力を十分付けておくことが大切です。

冒頭に紹介した雄飛会の塾長先生の言葉通り、全国入試はそれを解く前にどれだけ力を付けているかが大切。基礎を十分磨いたあとに全国入試を解くと、神奈川の入試レベルくらい余裕でできるようになります。

この辺の話については、過去に書いた「受験勉強の流れと今受験生がやるべきことを5分で説明する。」にまとめてあるので、よーくよーーーくよーーーーく読んでほしいと思います。

2019年度受験用の全国入試、早く届かないかなー。全国入試を愛してやまない私は、発売を待ち切れません。

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