数学の10問テストについて、勝手に5時間語ろうと思う(後編)。

2018年5月12日

思い付きで書いた記事なのに結構な好評をいただいている、数学の10問テストシリーズのラストです。

このシリーズを書き始めてから、色々な方から「ウチも10問テストやってみます」という声が届いており、大変嬉しい限りです。また、このシリーズの影響かどうかは分かりませんが、今週に入り見学希望やお会いしませんかというお誘いが立て続けに舞い込んできてビックリしています。改めて、ブログってすごいですね。

10問テストは本当にオススメです。

市販・塾専用問わず、たくさんの種類の数学の問題集が出回っていますが、10問テストのようにランダムにいろいろな単元を定期的に反復練習させるタイプのドリルはどこを探してもありません。ないのなら作るしかない!

ということで、10問テストシリーズ最終回の今日は、10問テスト作成時・実施時の注意点として、私が気をつけていることを書いてみたいと思います。

10問テスト作問時に注意していること

ツイッターでも紹介しましたが、質問箱に「母りんご」さんからこんな質問が来ました。

ちなみにツイッター上で度々登場する「母りんご」さんは、私の推測ですが、うちの卒塾生のお母様だと思われます(全く違ってたらスミマセン)。

この黄色いのが「母りんご」なのですが、先ほどの疑惑の保護者様が母りんごキャラの産みの母です。父りんごもいますよ。…ってどうでもいい情報ですね(笑)

りんごくんファミリーの話はおいといて、話を10問テストに戻しましょう。

母りんごさんのおっしゃる通り、作ろうと思えば誰でもそれっぽいものは作れます。しかし、10問テストのコンセプトやゴールを明確した上で作らないと、ただの10個の問題の羅列になってしまいます。

そうならないために、作問時に気をつけているのは次の3つです。

10問テストのコンセプトを厳守

私の中で10問テストのコンセプトを明確にしています。コンセプトというと堅苦しいですが、要は10問テストによって目指すゴールですね。ゴール設計がされていないテストや授業は、ただの思い付きです。思い付きレベルで生徒の学力は伸びません。

10問テストのコンセプトは下記の通り、それぞれの学年や時期によって分けています。

  • 小学生…基礎的な計算力、各単元の基礎〜応用レベルの習得
  • 中1中2…定期テストで9割以上を取れる基礎力〜基礎的な入試レベルの習得
  • 中3前期…定期テストで9割以上を取れる基礎力〜入試レベル(確率方程式関数)の習得
  • 中3後期…入試全般基礎力〜入試レベル(図形)の習得

10問テストを作るとき、必ずこのコンセプトに沿うように、かつ10分〜15分以内で無理なく解ける内容にしつつ、簡単すぎず難しすぎず、平均点が6〜7点になるように気をつけています。

去年と同じテストを使い回さない

この設定は、各学年の生徒の学力を正確に把握していないとできません。私が毎年10問テストの内容を変えているのはこのためです。

やっている内容は去年と同じでも、10問テストの使い回しは絶対にしません。というよりできません。生徒の学力レベルが微妙に違うだけで、10分〜15分という制限時間も、平均点6〜7点という設定にも狂いが生じ、効果的なトレーニングになりません。

生徒の学力レベルを正確に把握するため、10問テスト実施時も、生徒の鉛筆の動きをじーっと観察します。教えた解法で解けているか、問題を読んでから瞬時に鉛筆が動いているか、迷いはないか、迷いがあるとすれば何を迷っているのかなどなどを観察し、10問テストの作問に活かしています。

授業レベルを越えるものは出題しない

10問テストで扱う問題のレベルは、授業レベルを越えないものにしています。授業で教えていない、または扱っていないレベルや種類の問題は、10問テストで出題しません。難しい問題を10問テストで出題したいのなら、必ず事前に授業でそのレベルの問題をできるようにトレーニングしておきます。

これは昨日書いた自学自習の記事にも共通する考え方ですが、10問テストのやり直しは基本的に一人でやらせます。つまり自学自習です。自学自習をさせたいのなら、自学自習ができるレベルの基礎力を、事前に身につけておく必要があります。逆に言えば、事前に基礎力を身につけているから、自分でやり直しができるのです。

10問テストはやり直しまで含めてトレーニングなので、そのやり直しが1人で出来るように配慮をしています。

10問テスト実施時に注意していること

10問テストは実施時よりも、答え合わせの直後、やり直しの時にめちゃくちゃ注意を払います。

うちの塾では、隣同士テストを交換し、私が答えを読み上げて答え合わせ・採点をします。つまり、生徒は答え合わせの時点で、間違えた問題の正しい答えを知ることになります。暗記力の良い子であれば、すぐに答えを覚えます。初めのうちは、覚えた答えをそっとメモをするようなズルをする子もいます。そのようなズルをしていないか、注意深く生徒を観察し、ズルをしている場合はその場で厳しく注意をし、10問テストのズルの芽を摘んでおきます。

やり直しの時も同じです。友人同士の教えあいは厳禁なのですが、目の届かないところで、教え合っているケースも何度もありました。

参考:【重要】10問テストの意義とやり直しと不正行為について

10問テストの不正行為に関しては、めちゃくちゃ厳しく叱りつけます。それが慢性化してしまったら、10問テストの意味がなくなるからです。

最後に

3回のシリーズで、とりあえず最低限のことは伝えることができたでしょうか。ただ、これでも最低限です(笑)もっと話そうと思えばいくらでも話すことができますが、10問テストシリーズはこれで最終回とします。

全然5時間経っていませんね(笑)これをブログで執筆した時間の総計は余裕で5時間越えていますが。

「10問テストのダウンロード販売はありませんか」という要望を、ありがたいことに昨年から度々いただいておりました。解説を書く手間がネックだったのですが、うちの優秀な卒塾生が助っ人として解説を書いてくれることになったので、もうすぐダウンロード販売を始められそうです。

今のところ、中3の10問テストのみ解説付きで、それ以外の学年は答えのみで販売するか、それか全く販売しないかのどちらかにするつもりです。近いうちにブログにてご案内します。

この記事をきっかけに、全国にもっと10問テストの輪が広まって、「10問テスト研究会」みたいなのを発足するのも夢が広がりますね。

それでは読者の皆様、私の自己満足の世界に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。