英語の読解問題を得意にするために今やっておきたいたった1つのこと。

2018年5月16日

昨日の中3の英語の授業で読解問題を扱いましたが、まぁあまりにもお粗末な状態で辟易してしまいました。

そして呟いたのがこのツイート。

今日は英語の読解問題について、本格的な受験勉強期を迎える前の今だからこそ知っておいて欲しいこと、やっておきたいことを書いてみたいと思います。

中3生、よく読め!

上位校受験生は英語ができて当然

このブログでもことあるごとに書いてきたように、神奈川県の公立入試の場合、上位校受験生は英語ができて当然です。

これは2017年度の入試説明会で使用した資料の一部ですが、2017年度と2016年度の入試の学力検査の平均点を、偏差値別に算出したものです(伸学工房調べ)。

2年とも、どの偏差値帯でも国語の平均点が最も高くなっているということが分かります。神奈川の国語は、上位層でも下位層でも点数をとり易い科目ですからね。

問題は2番目に平均点が高い科目です。2番目の科目こそ、偏差値帯によって大きく左右されるからです。

偏差値70のトップ層は、2017年度2016年度とも2番目が英語です。ちなみに県平均だと、2017年度の英語は3番目、2016年度は5教科中最も平均点が低かったのがなんと英語でした。偏差値70の層の受験生は、英語の難易度がどうであれ、きちんと点数をとってくるということです。

そしてこの英語の平均点の順位は、受験生の偏差値が下がっていくにつれてだんだん落ちていきます。このように、英語はトップ層ほど得点し易い科目であり、下位層ほど得点しにくい科目と言えます。

読解問題は入試英語の4割

上位層こそ英語で高得点を目指さなければいけない理由がお分かりいただけたかと思います。

英語で高得点をとるために避けて通れないのが読解問題です。神奈川県公立高校入試の場合、読解問題の配点は100点中40点と全体の4割を占めます。40点の読解問題の内訳は、長文読解が大問2題に資料の読み取り問題が大問1題となかなかの分量ですが、これを制限時間以内に、正しく読み解く力が必要になります。

実はリスニングにも英語読解力が必要

英語の読解問題を解く力は、リスニングの問題にも影響を及ぼします。

リスニングの苦手を克服するために、CDやラジオ講座を何度も聞いたりしてトレーニングしているのにも関わらず、一向にリスニングの点数が上がらないというケースは珍しくありませんが、このケースのほとんどが、実は「聞く力」が足りないのではなく「読解力」ないことが原因です。

この場合、もしリスニングの内容が、英文で紙に書いてあったとしても結局解けないのです。解けたとしても、時間をかけて英文を読まないと理解できないようでは、流れてはすぐに消えてしまうリスニング問題では対応できなくて当然です。

神奈川の公立入試の場合、リスニングの配点も約20点あります。読解問題とリスニングを合わせると60点。実に英語の点数の6割が、読解力が鍵となっているのです。

読解問題ができない理由

英語の読解問題を解くには、語彙力や文法力という英語の総合的な力が必要となります。なので、単語をコツコツと覚える、文法をきちんと習得する必要があるのは当然です。

今回の記事では、そのような当然の話は省略します。念を押しますが、当然ですがめちゃくちゃ重要です。語彙力や文法力なしに、読解問題が解けるわけがありません。
しかし、コツコツと単語テストを繰り返して語彙力を身に付けたつもりでも、文法を繰り返し勉強して文法問題ならある程度解けるようになった状態でも、読解問題になると全くできなくなるという事態に陥る受験生は毎年います。

その理由を少し紐解いていきましょう。

そもそも国語ができない

英語の読解問題ができない生徒の多くは、国語の読解問題も苦手です。

英語の読解の授業で「日本語訳にしなさい」という指示を出したとき、国語が苦手な生徒の場合、全ての単語の意味も文法も理解しているのにも関わらず、日本語に訳せないことがあります。

なぜか。

単語と単語を上手くつなぎ合わせて文章を作れないのです。簡単な例文一文であれば理解できても、それが複雑化したり、長くなったりすると、国語力が弱い子は途端に意味がわからなくなります。

「第二言語の能力は母語を基盤とする」と言われているように、そもそも母国語でさえまとまった文章が読めないのに、それが英語で読めるわけがありません。

文法を意識しない

文法の問題は文法を意識するのに、読解問題になるとなぜか途端に文法を無視し出し、単語だけを拾ってどうにかしようとするパターンの生徒です。

基本文だけであれば文法が理解できますが、長い文章やまとまった文章を読み解いた経験が乏しいので、一気に文法が分からなくなり、単語だけでどうにかしようとします。

文法を意識せずに、長文は読めるようにはなりません。

長文読解には精読と多読が必要

では、どうすれば長文読解ができるようになるのかという話に移ります。

長文読解ができるようになるためには、精読と多読が必要です。

精読とは、文法の構造を分析・理解し、単語やイディオムの意味を確認し、指示語が指している内容を明らかにしながら、一文一文を丁寧に読み解いていく読み方です。多くの場合、一文一文を読み解いた上で日本語訳にしていきます。

一方多読とは、精読のように一文一文丁寧に読み解いていくことはしないで、とにかくたくさん英文を読んでいく勉強法です。国語でも読解力の向上には読書が効くように、英語もたくさんの英文を読んでいくことで、「英語脳」を作ることができます。

はじめのうちは教科書を自力で精読せよ

精読と多読のうち、受験生はまずは精読から始めましょう。精読ができるようになってから多読に移ります。この順番を間違えてはいけません。

中学生にとって一番良い精読のための教材は「教科書」です。読解問題を得意にするために、受験生がいまの時期に取り組んで欲しいことはただ一つ、教科書を使っての精読です。

教科書の本文を、使われている文法やイディオムを確認し、指示語や代名詞が指している内容を全てチェックしながら、自分の力で日本語訳にする練習を繰り返しましょう。

答え合わせに教科書ガイドを使うといいですが、最初から教科書ガイドの訳を頼ったりしては力は付きません。自力で訳すから力が付いていくのです。

英語が苦手な受験生は、中1や中2の教科書から始めても良いくらいです。教科書の各単元の本文だけでなく、単元と単元の間にある長い読み物などにもチャレンジしましょう。学校で習っていないからといって飛ばしたりしないこと。こうやって教科書の日本語訳を繰り返していくことで、少しずつ、読解問題の基礎が出来上がります。

本格的な受験勉強期は入試問題で多読

そうやって初期の間は教科書を精読することで読解問題の基礎を作っておいて、本格的な受験勉強期は入試問題の読解問題を多く解くことで「多読」します。

精読で基礎を作った状態で多読すると、英語の力が驚くほど伸びます。逆に言うと、基礎ができていないうちからいくら入試問題の読解問題を解いても、まず読解問題は解けるようにはなりません。

まとめ

読解について書くとキリがないので今日はこの辺で。まとめると、とにかく本格的な受験期を迎える前までに、教科書を使って精読の練習をしておくようにということです(1行でまとめられることを、ダラダラと書いてしまうのが私の悪い癖)。

英語については過去記事も豊富なので、そちらも参考にしてくださいね。

英語に関する過去記事抜粋:

では!