最初から自学自習ができる子どもなんているわけがない。

明日5月12日(土)は中1生の保護者会です。慧真館の中学部の取り組み、特に定期テスト勉強会(通称カンヅメ)について詳しく話をさせていただく予定です。

このブログでも何度も書いてきた通り、他塾でよくある定期テスト対策授業なるものをうちの塾では行いません。対策補習もしませんし、もちろん中学校の定期テストの過去問だって1枚たりとも配布しません。英国社は教科書の準拠テキストを渡していますが、数理に関しては準拠テキストすらありません。ポイントをまとめた対策プリントも作りません。

カンヅメは「勉強会」です。各自決められた時間に集まって、自分の目標点を目指し、自分の計画したスケジュールにしたがって、もくもくと勉強をします。この辺の話は過去にブログで何度も記事にしているので、過去記事をご参照ください。個人的には次の3つの記事が特にオススメです。


これは12日に使う保護者会のスライドのうちの1枚、2017年度の各学年の定期テスト塾内平均点の資料です。

定期テスト対策授業をしなくても、過去問を配らなくても、中2中3の塾内平均点はだいたい合計450点前後で安定しています。それに比べて中1生の塾内平均点が450点に届いていないのは、中1生は自学の力がまだまだ鍛えられていないからです。中2生くらいになると、だんだん自学自習ができるようになっていきます。

最初から自学自習ができる子なんていない

今日、宮崎教室の宮崎先生とTwitter上でこのようなやりとりをしました。


個別集団など塾の形式を問わず、自学自習方式の指導を謳っている塾はたくさんあります。塾だけではありません。今では小学校でも、「ノートの見開き2ページに自分の好きな勉強をする」という自主学習なるものが宿題の主流となっているようです。

ですが、ここで声を大にして言いたい。

自学自習がなんたるかを教えることもなく、基礎学力を鍛えることもせず、「自由に勉強しなさい」「自主的に勉強しなさい」と言ったところで、最初から自学自習ができる子なんていない。

それにも関わらず、多くの塾や学校では、どうやって自学をするのかも教え込まず、そして自学に耐え得る基礎学力も鍛えず、いきなり自学自習をさせています。だから多くの場合、「形だけ、見せかけだけの自学自習」で終わってしまっていて、「きちんと結果の出る自学自習」となっていないのです。

これは例えるなら、社会に出たこともない小さな子どもに「さあ、明日からあなたは自立をしていくのです」「自由に自主的に生きていきなさい」といきなり放置するようなものです。そんなもん無茶に決まっています。

自学自習の前にまずは強制的な勉強

子どもに自立させたいのなら、まずはいろいろなことを躾けることから始めますよね。最初から好き勝手させることが自立ではありません。

勉強も同じです。自由に自学自習をさせたいのなら、子どもの自主性を尊重させた学習をさせたいのなら、まずは徹底して勉強とは何かを躾けることからはじめなければいけません。

うちの定期テスト勉強会には「マニュアル」が存在します。テスト何週間前にはこういう勉強をしなさい、この勉強は少なくともいつまでには終わらせなさい、間違った問題はこうやり直しをしなさい、学習の記録をつけなさい、一問一答はこう作りなさいなど、各教科事細かくやるべきことの指示が書いてあります。

カンヅメ初体験となる中1生には、まずは英数国の3科目について、こちらが提示したマニュアルに徹底的にしたがってもらいます。これ、全く「自学自習」と呼べるものではありませんよね。定期テストも経験したことのない中1生に、そもそも自学自習なんてできるわけがありません。自学自習どころか、言われたことを完璧にこなすことすら怪しいのが中1生です。

定期テストを経験するごとに、だんだんとマニュアルにしたがって勉強できるようになっていきます。そうすると、マニュアルをこなすためにはどのようなペースで勉強したらいいのだろう、何週間前からワークを解くと良いのだろうと、少しずつ自分で考えることができるようになります。マニュアルを、自分のものとして落とし込めるようになってくるのです。

もちろん自然にそうなるわけではなくて、個人面談を繰り返しながら、何度も根気よく指導していきます。

マニュアルを自分のものにできるようになった生徒は、今度は工夫をし始めます。

「マニュアルではこう書いてあるけれど、自分は数学は得意だから数学のこの部分は省いても大丈夫そうだ。そうして空いた時間を、苦手な社会に回そう」

「自分は人よりも解くのが遅いから、マニュアルでは何週間前からと書いてあるけれど、自分はもう少し早く動こう」

「マニュアルは一問一答を作れと書いてあるけれど、自分には一問一答よりもワークを繰り返し解く方が性に合っている」

ここまでになると、ようやく自学自習と呼べる段階に入りますが、こうなるまでに、早い子で半年、遅い子では1年半くらいかかります。つまり、自学自習をさせるためには、まずは一切の自由を排除し、強制力をもって、自学とはなんたるか、テスト勉強とはどうやるのかという基本の型を、時間をかけて丁寧に教え込んでいく必要があるのです。

そうすることで、「結果の出る自学自習」ができるようになります。

基礎学力の叩き込みのない自学はただの放置

もう一つ。

基礎学力がない子どもには、自学自習をさせてはいけません。させてはいけないというより、基礎学力がない子どもは自学自習ができません。

自学自習とは、その名の通り、自分で問題を解き、教科書や解説を読み、理解し、学ぶ必要があります。そのためには、自分で教科書や解説を読んで理解できる読解力、自分である程度の問題が解けるためのその教科の基礎力が、絶対的に必要なのです。

自学自習をさせるためには、それよりも前にまずは読解力やその教科の基礎力を徹底的に鍛えておく必要があります。うちの塾では、カンヅメ以外の授業中は徹底的に基礎学力を叩き込んでいます。

基礎学力を叩き込まず「さあ自学自習をしなさい」という指導は、指導ではなくただの放置です。できるわけがありません。

まとめ

うちの塾のカンヅメや受験勉強は、基本的に自学自習の方式をとっています。うちの塾生が自学自習で結果を出しているのは、自学自習の前に、強制的に「自学の型」を叩き込まれてきたからであり、自学自習に耐え得るための基礎学力を、日常的に鍛えているからです。

自学自習は、最初から子どもにデフォルトで備わっているスキルではありません。だからこそ自学自習をさせるためには、それ以上の教え込み、基礎学力の叩き込みが必要なのです。

子どもに、「毎日自習室に行きなさい」と命じる保護者の方、「毎日自習室で自習しなさい」と呼びかける塾の先生、「自主学習ノートを毎日提出しなさい」と宿題を出す学校の先生。

その前に、自学の方法を教えたことがありますか?
見せかけだけの自学自習をさせていませんか?
その子の自学は、結果の出る自学ですか?

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