基礎だけの勉強では入試問題は解けない。

2016年12月20日

12月の入試模試が返ってきました。
12月の団体偏差値は11月と変わらずに67。全体的にやや低迷気味です。

個別の結果を見ていくと、今回の模試も前回の11月の模試同様、塾内順位はほぼ理社の2科目の合計順と同じなりました。うちの中3生は特色検査校を目指すクラス(Aクラス)と、秦野高校レベルを目指すクラス(Sクラス)との2つに分かれていますが、ぶっちゃけ、英数国ではそこまでの差は開いていません。2つのクラスの得点差は、綺麗に理社の差なのです。

では、なぜ理社でこんなに差が開いてしまったのか。その原因を検証することで、理社の受験勉強の進め方がはっきりしてきます。

全国入試問題をどれだけ解いているかの差

理社の点数差は、全国入試問題正解を今まで解いてきた量の差です。つまり、どれだけ入試問題を使って勉強してきたかの差です。勉強時間の差ではありません。

合格手帖で中3生の勉強の進め方をチェックしていると、理社で得点が取れている人ほど、全国入試問題を多く解いています。同じ時間理社の勉強に費やしていても、基礎的な問題集や暗記ばかりに取り組んできた人は点数が取れていません。

入試の得点力は入試問題でしか養えない

このブログでも何度も何度も書いていますが、大切なことなのでもう一度書きます。

受験勉強に対して、「基礎が大切だ」という勉強のアドバイスをよく見かけますが、「基礎が大切」という言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけません。基礎だけの勉強で入試問題が解けるのは、頭のいい人だけです。

参考:勉強ができない人ほど基礎だけの勉強で終わってはいけない理由←自分で言うのもなんですが、この記事はかなりよく書けています。受験生は何度も読み返してください。

上の記事にひとつ付け加えると、「基礎が分かる」と「入試問題が解ける」はイコールとはなりません。ちなみに入試問題を解くためには、基礎が分かっているのは当たり前。じゃあ教科書に書いてある基礎をきちんと覚えていると、入試問題が全部解けるのかというと、答えは否です。

昔の知識偏重型だった頃の入試問題ならともかく、今の知識活用型の入試問題は、その名の通り身に付けた基礎や知識を問題の中で活用できる能力があるかどうかを見るための問題構成になっています。

勘違いしてほしくないのは、その活用は訓練次第でできるようになるのであって、能力の問題ではないということです。よく、「応用力がない」「頭が悪いから応用問題が解けない」という表現をする人がいますが、それは違います。「応用力」などという曖昧な力なんてどこにも存在しないし、応用問題が解けないのは頭が悪いからではありません。

一部の天才を除くほとんどの人にとって、応用問題が解けないのは、応用問題の訓練が足りないからです。知識を問題の中で活用するためには、それ相応の訓練が必要なのです。

ただ、普通の一般的な問題集の中に、入試問題のように持っている知識を活用して解く問題というのはあまり多くはありません。ほとんどの場合、問題集は「その単元の内容をきちんと理解できているかどうか」「基礎が身に付いているかどうか」を確認するために問題が作られています。入試問題のように、「知識を活用できるかどうか」に重きを置いた構成にはなっていません。

結局のところ、応用力と呼ばれるような入試問題での基礎の活用の仕方は、入試問題を解くことでしか養えないのです。サッカーに例えると、いくらパス練習やシュートの練習ばかりを繰り返しても、練習試合を全くしないと試合に勝てるようにはならないのと同じです。

いよいよ受験の天王山がやってくる

高校受験生にとって、冬こそ受験の天王山です。特に日本で一二を争うくらい入試日が早い神奈川県の受験生にとっては、冬休みの時期を無駄に過ごしてしまうともう致命的です。

この時期こそ、成果の上がる勉強をしましょう。

仕上がっていない科目は、まず基礎を固めてから、全国入試問題集を単元別に解いて基礎の活用法を訓練します。これをひとつひとつ真面目に丁寧にやっていけば、本当にビックリするほど入試問題が解けるようになります。特に苦手な単元は、その単元の全国入試問題を2〜3回繰り返しましょう。同じ問題でも解けば解くほど、新たな発見があるはずです。そして、基礎の根がさらに深くなっていくのです。

仕上がっている科目は、全国入試問題集や過去問を使用しながら、時間配分等の細かな調整をしていくと同時に、自分では気が付いていない知識の穴を潰していきます。これにより、本番で失敗しない力が養われます。

ここからが、本当の勝負時です。