夏期講習最終日に実施した8月入試模試が返却されました。
8月入試模試の団体偏差値は67
8月入試模試の団体偏差値は67でした。これまで実施してきた入試模試の偏差値推移は、69(3月)→67(7月)→67(8月)となっています。例年だったら団体偏差値は回を重ねるにつれて右肩上がりに伸びていくのですが、今年は1回目の結果が強烈だっただけに、右肩上がりとはいきません。
参考:中3生の初入試模試は、半数以上が偏差値70オーバーという強烈な結果でした。
それでも8月の時点で8割以上の生徒が偏差値65以上をキープしているのですが、今年の中3生の志望校と偏差値を照らし合わせて考えると、そんなに喜んでもいられないといった状況です。
一般公開模試の偏差値
神奈川県内で一般公開している模試には、有名なところで言うと「全県模試」や「W合格もぎ」などがあります。その他、ステップ・湘南ゼミナール・臨海セミナーのような県内の大手塾は、その塾独自の入試模試を実施しています。塾独自の入試模試と、全県模試やW合格もぎなどの一般公開している模試では、母集団の学力レベルにどうしても差が生じてしまいます。どうしても一般公開の模試では偏差値が高めに、大手塾内部の模試では低めに出てしまうのです。
うちの塾が採用している入試模試は「W合格もぎ」です。大手塾の入試模試より偏差値が高めに出てしまう一般公開の模試です。うちの塾生には毎年口酸っぱく確認していますが、W合格もぎのような一般公開の模試では、小田原・平塚江南レベルを目指すのなら偏差値68程度が必要となります。色々な高校入試資料には、小田高の偏差値は64〜65程度と書かれてありますが、実際には、W合格もぎで64程度なら小田高はかなり危ないラインなのです。
この辺の話は過去記事でもう少し詳しく触れています。
参照:11月中3生入試模試の団体偏差値は64でした。
一般公開模試の偏差値を鵜呑みにしてしまうと、合格発表のときに「こんなはずではなかった」という事態になりかねません。外部の方から毎年色々な相談を受けていますが、全県模試やW合格もぎで偏差値68〜69で柏陽や厚木、偏差値70で湘南を目指している場合、このままでは危ないと忠告しています。そうすると、ほとんどの方が驚かれるんですよね。これだけの偏差値を取っているのだから大丈夫だろうと思い込んでいる方が多いのですが、一般公開模試の偏差値に過信は禁物です。
2016年度全県模試偏差値と入試学力検査得点との関係
うちの塾が採用しているW合格もぎではありませんが、同じ一般公開模試で、おそらく県内最大級の模試であろう「全県模試」の偏差値と、入試学力検査の得点との関係をまとめてみました。
ちなみにこのデータは2016年度6月に全県模試が公開したもので、2015年度の全県模試受験生の偏差値と実際の入試得点との関係です。
[table width=”100%” class=””]
[tablehead title=”偏差値,英語,数学,国語,理科,社会,5科”]
[tablerow title=”70″ align=”center” class=”” bgcolor=””]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
91.2
[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
77.1[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
92.4[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
77.4[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
87.2[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
419.4[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”65″ align=”center” class=”” bgcolor=””]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
77.8
[/tablecell]
[tablecell class=”” bgcolor=””]
71.8[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
86.6
[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
70.8[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
81.3[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
383.7[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”60″ align=”center” class=”” bgcolor=””]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
65.5
[/tablecell]
[tablecell class=”” bgcolor=””]
68.3[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
80.5
[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
63.8[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
74.4[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
347.1[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”55″ align=”center” class=”” bgcolor=””]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
54.4
[/tablecell]
[tablecell class=”” bgcolor=””]
60.7[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
74.2
[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
56.7[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
66.4[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
309.5[/tablecell]
[/tablerow]
[tablerow title=”50″ align=”center” class=”” bgcolor=””]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
44.4
[/tablecell]
[tablecell class=”” bgcolor=””]
54.9[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
67.7
[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
49.2[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
57.4[/tablecell]
[tablecell align=”center” class=”” bgcolor=””]
270.9[/tablecell]
[/tablerow]
[/tablehead]
[/table]
表から、偏差値70で5科目の入試得点が419.4点となっています。全県模試では湘南の偏差値は71と設定されていますが、湘南受検者で5科目419点はちょっと厳しい数字だと言えます。湘南志望なら全県模試・W合格もぎでは偏差値73は欲しいところです。特にトップ校を目指す人ほど、全県模試・W合格もぎの偏差値を鵜呑みにしすぎないように。
団体偏差値70以上を目指します
3月入試模試結果報告でも書きましたが、今年は団体偏差値70以上を目指します。そのためには、偏差値65未満の層の底上げと偏差値68程度の層を何とか偏差値70以上に押し上げることにまず取り組んでいこうと思っています。
団体偏差値67というと、もう何もやることがない程の優秀な集団と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。当然知っていないといけないレベルの超基本が定着していないなんてことはザラにあるし、思考力や応用力だってまだまだです。
何が言いたいかというと、偏差値が高いからといって決して現状に満足していないということです。受験やテストにおいて、現状に満足してしまったら終わりです。それ以上の成長は見込めないばかりか、いずれ現状さえも維持できなくなってしまいます。
これは受験生も同じです。模試の結果は、それが良くても悪くても必要以上に過信してはいけません。結果は結果として冷静に捉え、傲り高ぶらず、腐らず、今よりももっと志望校に近づくには何をすればいいのかを分析し、今後に生かしましょう。