なぜ長時間勉強しているのに成果が上がらない?やってしまいがちな5つの落とし穴。

2016年9月9日

塾で保護者や生徒によく相談されることの一つが、「結構長い時間勉強しているつもりだが、なかなかやっても成果が上がらない」ということです。今うちの塾は定期テスト勉強会の真っ最中で、塾生は毎日長い時間机に向き合っていますが、同じ時間勉強しても成果がでる子と出ない子がいます。そこで今日は、能力の問題は別として、長時間勉強していても成果が出ない典型的な5つの落とし穴について書いてみます。
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負荷の小さい問題ばかり解いている

特に小中学生が最もやってしまいがちなことがこれです。子どもに自由に勉強をさせてみると、特に勉強に苦手意識がある子ほど、自分にとって負荷の小さい問題ばかり解いています。

負荷の小さい問題とは、たとえば簡単な計算練習などです。本当に計算が苦手で、数学の成績が悪い原因は計算練習不足によるものであれば話は別ですが、そうではない子も、もっと言えばそんな簡単な計算練習なんて必要ない子も好んでやってしまいます。

その原因のほとんどは、勉強する理由が明確になっていないからでしょう。親や先生に勉強しなさいと言われたから、やらなければ怒られるから勉強をやっているので、負担のかからない負荷の小さいものばかりしか手をつけたがりません。結果、そういう問題を100問解いたところで力が付くはずもなく、「勉強しているのに結果が出ない」となってしまいます。

作業系の勉強が中心

勉強が苦手な人ほど、ノートまとめや漢字・単語の書き取り練習のような作業系の勉強を好んでやりたがりますが、作業系の勉強を長時間やったところで、見違えるほど成果が出るということはまずあり得ません。

作業系の勉強は、難しい問題を延々と悩んだり、文章を読んで理解するということがない分、それほど頭を使いません。にもかかわらず、達成感や満足感も非常に大きいのが作業系の勉強の厄介なところです。何時間もかけて、それはそれは芸術的で素晴らしいまとめノートを作り、本人も達成感で大満足をしているけれども、結局まとめた内容のほとんどを理解していないということはよくあることです。

解いたら解きっぱなし

問題を解いても解きっぱなしにして、間違った問題のやり直しどころか答え合わせすらやっていない場合も、いくら問題を解いたところで成果が上がるはずもありません。

こういうことをやってしまう子の多くが、そもそもその問題集やプリントを解く目的をはき違えています。できるようになるために解くのではなく、先生に提出するために解く、宿題を終わらせなければいけないから解くというのが最終的な目的になってしまっているのです。そんな目的だから、自分の解答が合っていようが間違っていようがほとんど気になりません。気になるのは、期限内に指定されたページまで終わらせられるかどうかであり、その内容の理解は二の次なのです。

時間感覚が恐ろしく欠如している

普通なら30分でできる内容のことを、1時間以上もかけて平気でやっている人も、当然ですがかけた時間のわりに成果は上がりません。それ以上に、こういう人はより厄介な問題を抱えることになります。

問題集を解く時、勉強のできる人の多くは、「この時間で何ページまで解こう」というように、制限時間や目標を自分で設定しています。だから、時間に対する感覚も身に付き、問題を解いたり文章を読んだりするスピードも自然と強化されています。しかし、時間感覚が恐ろしく欠如している人は、あくまでも自分のペースを崩しません。そういう勉強を続けていると、勉強の効率が悪いだけでなく、問題を解くスピードも強化されないどころかどんどん鈍っていき、制限時間のある試験にめっぽう弱くなってしまいます。

ダラダラ勉強するのなら、いっそしない方が本当に身のためです。

結局は中途半端な状態で終わっている

時間をかけて勉強しても、完璧な状態に持っていくことができなければ、やはり成果は出ません。たとえば時間をかけて問題集を解き、きちんと答え合わせとやり直しまでやったけれど、解けなかった問題が解けるようにはなっていないのであれば、勉強していないのとあまり変わらなくなってしまいます。

勉強をしてはいるのかもしれませんが、「詰めが甘い」のです。勉強だけでなくて何でも同じですが、最後の詰めを甘くしてしまうと、これまでやってきたことが水の泡になってしまいます。成果を上げるには、ラストの詰めの部分が最も重要なのです。

まとめ

塾で生徒が自学している姿をよく観察していると、勉強していてもなかなか成果が上がらない生徒のほぼ全員が、上記のどれかにあてはまります。中には複数に当てはまってしまうほど重症な生徒もいます。

勉強は量か質かでよく議論されますが、当然ですが量も質も大切です。長く時間をかければ良いというものではありません。勉強していてもなかなか成果が出ないと感じている人は、自分が上記5つにあてはまっていないか、是非一度厳しくチェックしてみてください。

【こちらもあわせてどうぞ(過去記事)】
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