あと4日後に入試本番を控えた10期生への私信。

2018年2月10日

あと4日で、公立高校入試がやってくる。

10期生の進路がいよいよ決まろうとしている。

10期生である君たちは、慧真館開校から10年目となる、記念すべき節目の年の学年だ。しかし、今だから本音を言うけれど、この学年は君たちが小学生の頃から随分と苦労をした学年だ。ちょうど1年前、9期生が卒塾した直後の授業で、君たちの前に立ったとき、その頼りなさそうな表情や学力の弱さから、「来年、この子たちは一体どうなるんだろう。本当に受験ができるのか。」と強烈な不安を抱いたことを、今でも鮮明に覚えている。

しかし、その時の予想に反して、君たちはこの1年本当によく頑張った。そして精神的にも学力的にも、驚くほど成長してくれた。

この塾での勉強の日々、特にこの1年間は大変だったと思う。「なんでこんなにやらなきゃいけないんだ」と、逃げたくなったことも幾度もあっただろうと思う。しかしこの1年間、大変だったと同時に、人生で一番充実した日々を過ごしたのではないだろうか。今まで感じたことがないほど、1日1日が貴重に感じたのではないだろうか。一分一秒の大切さを、最も実感した1年だったのではないだろうか。

何かを必死で頑張ることは、実はものすごく楽しいことだと、塾長は思う。

もちろん最初はとても辛い思いをするかもしれない。しかし、辛い時期を通り越したら、その先には「楽しさ」が待っている。その「楽しさ」とは、ゲームをしている時や友達と遊んでいるときのような「楽しさ」とは質の違う、充実や成長を実感できる「楽しさ」だ。10期生の君たちは、その「楽しさ」を実感できる境地にまで達しただろうか。

このような質の「楽しさ」を知っている人間は、世の中にそんなに多くいない。なぜだか分かるだろうか。楽しさや充実感を味わうことができる境地に達するまで、必死に頑張った経験をしたことがないからだ。多くの人はそれに気付くこともなく、何かに必死になることもなく、のらりくらりと時間を消費している。ちょうど一年前の君たちのように。

もちろん、頑張らずに好きなことだけをやって生きていくのも人生だろう。でも、頑張った経験がある人間、辛さの向こう側にある楽しさを知っている人間は、強い。塾長は、頑張る人生と頑張らない人生のどちらも経験した上で、最終的には自分の好きな方を選べばいいと思っている。

入試まであと4日。

一番大変な時期にもかかわらず、今の君たちは、とてもキリッとした良い表情をしている。勉強を、授業を、高校受験の全てを、楽しんでいるように見える。その表情は、1年前の君たちとはまるで別人だ。合格の知らせも嬉しいのだが、それ以上に、塾長は、今の頼もしい君たちの姿を嬉しく思う。

入試まであと4日。

もうちょっと、頑張ろう。

(慧真ニュース2月号より、加筆・修正)