入試は得点の稼ぎ柱になる科目があった方が上手くいく

2012年12月15日

12月模試が返ってきた。やはり今回の入試は手強い。昨年度までの入試模試ならば、250満点中の8割である200点以上でも偏差値60程度だったのだが、新しい入試制度を想定して作られている今年度の入試模試では、同じ8割である500点中の400点以上だとどこの模試会社でも偏差値70近くはいく。つまり、それくらい点数が取りにくい入試になることが想定できる。

うちの塾生、点数自体は私が想定するようには伸びていないのだが、それでも相変わらず半数以上の生徒が偏差値60以上を取る。偏差値ではある程度の数字が出ているのだが、やはりこれからは点数も伸ばしていかなければならない。つまり、難易度に左右されない実力が欲しい。

そこで、最近生徒たちによく言っているのが、「点数の稼ぎ柱を作れ」ということだ。高校入試は5教科の合計点での競争だ。ならば、得意科目で点数を稼げるだけ稼ぎ、不得意科目で失点をなるべく押さえる作戦の方が結果的に上手くいく。全ての科目で万遍なく点数を取ろうという発想は、定期テストなら良いが、実は入試には向かない。得意科目も不得意科目も全てなんとかしようと勉強すると、結局どれも中途半端な勉強しかできずに、難易度に左右されやすく点数は安定しない。

点数の稼ぎ柱となる得意科目を定める。柱は1本では心許ない。せめて2本以上は欲しい。もちろん多ければ多い方が良い。今は得意科目という自覚はなくても、過去問や模試の点数で思ったよりも点数が取れる科目は、得意科目になり得る。もしくは、まだ点数は伸びていなくても、勉強していて苦にならない科目も稼ぎ柱の候補としてあげることはできる。まずは不得意科目に目を向けるよりも、得意科目に目を向け、安定して高得点が取れるように勉強することが、入試の得点力を伸ばし、点数を安定させる大きなポイントだ。

不得意科目は、大きく失点しない程度に基本を押さえた勉強すれば良い。足を引っ張りすぎるほどの得点しか取れないなら話は別だが、公立の高校入試の場合、いくら不得意科目でも基本を押さえればそこまで大きく失点はしないはずだ。

受験生は何かと不得意科目にばかり気を取られ、それをなんとかしようと不得意科目の勉強には躍起になるのだが、得意科目の勉強が疎かになってしまう場合が多い。今の段階で、得意科目で9割以上満点近く点数が取れているのなら不得意科目を中心に勉強するのも良いが、得意科目で点数が取れていない場合、まずはそれを9割以上満点近くまで点を伸ばす勉強をする方が大切。

自分の得意科目、不得意科目を見極め、志望校に合格するには合計で何点以上取る必要があるのか、その合計点は得意科目でどれくらいとり、不得意科目で最低何点以上必要なのか、それを取るにはどう勉強していけば良いのかを自分で考えられる受験生になることが一番大切なことだ。