受験に勝つ「復習」とは?受験生のための効果が出る復習の仕方。

2015年7月17日

「夏は復習をしなさい」と、このブログでも何度も書いてきました。このブログだけでなく、夏の復習の重要性についてはいろんなところで説かれています。しかし、「復習しなさい」と言われても、何をどうやって復習すればいいのかがピンと来ない人が多いのが現実です。また、復習のやり方が間違っていたり、中途半端なところで終わっていたりすれば、せっかく復習しても模試などの成績にはあまり反映されません。

そこで今日は、受験生に勝つための復習法について書いてみようと思います。夏の間に是非実践してみてください。

まずは問題集が解けるレベルまで持っていく

手始めに、手持ちの問題集で復習したい単元のページを解いてみましょう。解いてみて、全くペンが進まない人は、それ以上解くのは止めてください。時間の無駄になってしまいます。ペンが進まないということは、その単元の最低限の知識すらなく、「問題集を解くレベルに達していない」ということです。

そういう場合は、問題集を解くよりも先に、最低限の知識を頭の中に叩き込むことから始めます。教科書や参考書を開きながら、重要事項を暗記したり、流れや要点を掴んだり、問題の解法をマスターするのです。この時点で100%理解しておく必要はありません。70〜80%の理解で十分なので、ある程度理解できたと判断したら、次は先ほど挫折してしまった問題集をもう一度何も見ないで解いてみます。

問題集は一気に解かない

よくやりがちなのが、問題集を一気に解いてしまうことです。たとえば、1つの単元に6ページ分の問題があるとします。それをいきなり6ページ分まとめて一気に解いてから、後でまとめて答え合わせをするという勉強法ですが、特にあまり得意でない単元や教科の復習をするときは、このような“一気解き”はおすすめしません。

“一気解き”をするよりも、ちょっとずつ解いては答え合わせ+復習を繰り返していく。この方が、効率が悪いように思えますが、実は復習の効果が高いのです。大問を一問解くごとに、答え合わせと復習をするペースが一番いいでしょう。

その理由は2つです。

鉄は熱いうちに打て

「鉄は熱いうちに打て」と言います。鉄を熱して赤くなるほど熱いときに叩くことで、好きな形に変形させることができ、さらに組織の結晶を細かくすることで鉄をしなやかで強靭にすることができるのです。しかし、後になって鉄が冷めてしまうと叩いても強い鉄は作ることはできません。だから熱いうちに打てというわけです。

勉強でも全く同じことが言えます。問題を解いたときの記憶が鮮明なうちに答え合わせとやり直しをすることで、強固な記憶になりますが、“一気解き”をして自分がどう解いたのか忘れたころに答え合わせとやり直しをしても、記憶はなかなか定着しません。

アウトプットとインプットを繰り返す

問題集を解くことは、アウトプットの勉強にあたります。一方、答え合わせをして間違った問題を復習することはインプットの勉強です。アウトプットとインプットを良いバランスで繰り返すことで、勉強の効果が上がります。間違えた問題を復習して解き方をインプットし、それをまた問題を解きながらアウトプットする。こうすることで、記憶が層のように積み重なって定着していきます。

仕上げは入試問題演習

手持ちの問題集の単元を解き終えただけで、復習を終わりとする人が多いのですが、それで入試問題は解けるようになりません。受験生がなぜ復習をするのか。入試問題を解けるようにするためですよね?たかだか6ページやそこらの問題が解けただけで、入試問題が解けるならば、受験で苦労する人はいないでしょう。

ここまで復習をしたら、仕上げとして同じ単元の入試問題を解きましょう。目標は大問で10〜20問。もちろん一問ごとに解いては復習をここでも繰り返します。入試レベルの問題を20問解きながらアウトプットとインプットを繰り返せば、その単元のほとんどの入試問題に対応することができるようになるでしょう。

このブログでも何度も紹介していますが、入試演習に最も適した問題集は全国高校入試問題正解です。(過去記事参照:偏差値70以上も夢ではない。驚くほど力が付く全国入試問題正解の使い方。)夏の間は、これを単元別に解きましょう。たとえば理科の光を復習したかったら、全国入試問題の光の問題だけ全て網羅するのです。

先ほど、問題集を解く前の記憶の整理の段階で100%仕上げる必要はないと述べました。もう少し説明すると、インプットだけで100%理解した状態に持っていくことはほぼ不可能なのです。理解というのは、アウトプット後のインプットの時に最も深まるものです。入試レベルの演習を繰り返すことで、アウトプット後のインプットの量が増え、また入試レベルのインプットができるようになります。

まとめ

これが受験生の「復習」です。多くの受験生は、最後の入試問題演習をすっ飛ばした状態で「復習した」と言いますが、それで入試問題が解けるようになるはずがありません。逆に言うと、入試問題演習を加えた単元復習を繰り返していくことで、復習済みの単元が増えるごとに確実に偏差値は上がります。

特に数理社でこの復習の効果があります。入試問題に明確な単元がない英語や国語は、またちょっと違った勉強法が必要です。(過去記事参照:神奈川県公立入試英語の攻略法と勉強のコツのすべて

夏の間に一気に飛躍したかったら、理社でこのような復習を取り入れてみて下さい。ちなみに塾生には全国入試問題正解を夏前に渡すので、個別に買う必要はありません。