2年・3年の成績がオール5の生徒に2人に、どうやったらオール5が取れるのかを真面目に聞いてみたというお話。
A子ちゃんの場合
私:「ねぇねぇ、A子ちゃん。どうしたらオール5が取れるか教えてくれる?中1や中2も聞きたいと思うからさ。」
A子ちゃん:「一番大切なのは、授業を受ける姿勢です。」
私:「姿勢とは?」
A子ちゃん:「頑張っているという姿勢をアピールすることです。例えば、座席指定のない授業の時は、率先して最前列の先生の前の席に座ります。で、先生と目が合うたびに全力でうなずくんです。」
私:「なるほど。全力でうなずくんだな。」
A子ちゃん:「はい。あと、たまに先生が面白くない話とかするじゃないですか。そのとき、“面白くない”と思っていても、私だけは先生ににっこりと笑顔を向けるんです。」
私:「・・・女優だな」
A子ちゃん:「あとは、体育のとき。この前サッカーの授業があったんですけど、私体育とかサッカーとか全然できないんです。でも、サッカーのゲームに先生が参加されたとき、先生が持っているボールを意図的に奪いにいくんです。そうした方が先生にガッツがあると思われるでしょ?音楽は、めちゃくちゃ大きな声で歌っています。」
私:「そこまで徹底してたら、そりゃ評価されるよね。でも、頑張っていることをアピールするだけじゃ5は取れないでしょ?」
A子ちゃん:「はい。もちろん、定期テストも頑張ります。」
私:「A子ちゃんは5科目はよくできるのは分かるけどさ、技能科目の定期試験とかどうやって勉強してるの?」
A子ちゃん:「技能科目も社会や理科みたいに、教科書を見てそこから重要なところを一問一答集にまとめて勉強しています。勉強のコツは、ただ単語とか語句とかを答える問題を作らないことです。単語や語句の意味を説明する問題を作っています。例えば、理科だと、一問一答集の問題に“イオンとは?”と書いて、答えのところにイオンの説明を書きます。それを繰り返して勉強することで、語句だけじゃなくて語句の意味を説明できるようにしています。技能科目も同じです。」
私:「5教科もよく勉強してるけど、技能科目はいつ勉強しているの?」
A子ちゃん:「5教科は塾で、技能科目は家でと分けてやっています。あと、私どんな科目のテストでも、分からないところがあると不安なんですよ。だから、教科書とかノートの隅々まで確認して、分からないところがない状態にします。」
私:「ありがとう。A子ちゃんがなんでいつもオール5を取れるか分かったよ。」
B実ちゃんの場合
私:「B実ちゃんはどうやってオール5をとってるの?」
B実ちゃん:「えっ、別に普通にしているだけです。」
私:「普通にしてたらオール5をとれるってこと?」
B実ちゃん:「そうです。」
私:「B実ちゃん、それを他の人が聞いたらたぶん嫌味に聞こえるよ。」
B実ちゃん:「そうですか。でも、普通ですよ。あ、そうだ。よく挙手をするから、先生にあてられる回数は多いです。しかも、挙手をする人はクラスの中でいつも決まっているから、頑張っているように見えるのかも。」
私:「他には?技能科目とはかはどう?」
B実ちゃん:「え、技能科目も普通に勉強してるだけですよ。教科書とか見ながら授業の内容を思い出したり・・・。技能科目だったら、授業中に先生がやり方とか手順を説明したあと、自分で実際にやってみるじゃないですか。自分で実際にやった手順とかポイントをしっかりと思い出しながら勉強してます。」
私:「授業中に先生の話をよく聞いているってことね。」
B実ちゃん:「まあ、普通に真面目に聞いています。あと、先生が授業中に話したことで大切なことがあればそれをメモしておいたり。」
C男くん(※注:オール5ではない子が勝手に参戦):「メモをとろうと思ってもスピードが追いつかないよ・・・。」
A子ちゃんとB実ちゃん:「それは授業中ぼーっとしているからだろ。」
C男くん(※注:オール5ではない子がここで脱落):「・・・」
B実ちゃん:「ほんとに、別に普通に授業に出て、分かるところはどんどん手を挙げて、真面目に先生の話を聞いて、定期テスト勉強を頑張ってたら5はとれますよ。あと特に意識していることと言えば、技能科目の授業の準備とか先生の手伝いを積極的にやっているくらいかな。」
私:「ですよね。」
オール5の秘訣を聞いてみた感想
2人の話をざっくりまとめてみると、
つまり、これはつまりですよ。
それって至極当たり前のことじゃん!
B実ちゃんが「普通にしているだけです」と言っていたのは本当だったんだ。当たり前のことを、ものすごい高いレベルできちんとこなしている子が、オール5をとれるということだ。
ちなみに今は中3生の定期テスト勉強会の真っ只中であるが、A子ちゃんもB実ちゃんもテスト1週間前にして、すでに5教科のテスト範囲をほぼ全て完璧な状態で終わらせ、技能科目などの勉強に入っている。先日「トップ校を目指す人のための定期テスト勉強法:あえて理想論を語ってみた。」という記事を書いたが、まさに記事の中で書いた“理想”の勉強そのものを実践している子達だ。
「あの子達は天才だからオール5なんだ」という嫌味なことを言う人もいると思うが、決して天才だからオール5をとっているわけではなく、当たり前のことを当たり前にこなすために人の2倍3倍努力をしていることを決して見逃してはいけない。
天才だからオール5なんかじゃない。他の人が授業を真面目に聞かずに友達をくっちゃべっているとき、オール5の子はきちんと真面目に先生の話を聞いていた。「音楽で大きな声で歌うのなんてかっこ悪い」と変な中2病を発病してカッコつけているときに、オール5の子はきちんと真面目に歌っていた。他の人が定期テストの5科目を必死こいて勉強しているとっくの前に、オール5の子は5科目を必死こいて勉強していた。
だからオール5なんだ。
逆に言うと、オール5の子達が話してくれたこれらの「秘訣」は、頭の良し悪しなんてほとんど関係のない当たり前のことばかりだ。つまり、その気さえあれば、誰でも今日からでも実践できる。その気さえあれば。