トップ校を目指す人のための定期テスト勉強法:あえて理想論を語ってみた。

2014年10月25日

そろそろ中3の内申に関わる最後の定期テストが近づいてきている。そこで今回は、トップ校を目指す人のための定期テスト勉強法を書いてみようと思う。中3のみならず、トップ校を目指す中2生や中1生にも是非是非読んでもらいたい内容だ。

定期テスト前にやるべきこととやるべきではないこと

定期テスト前に英数国を勉強する子はテストの成績が悪い

トップ校を目指すのなら、特に英数国の学校の定期テストレベルは、テスト直前にガッツリと勉強しなくてもできて当たり前だと心得ておいた方が良い。

英数国は暗記型の教科ではなく理解型の教科だ。つまり、普段の学校や塾の授業の中でしっかりと内容を理解し、問題を解くことができれば定期テスト対策なんて特に必要ない。もちろん国語の漢字を覚えるとか、英語の教科書の本文英訳を完璧にするなど、テスト前に多少の勉強は必要ではあるが、普段からしっかりと勉強をしておけばそれも短時間で済むはずだ。

実際に生徒の様子を見ていても、定期テストの成績上位者ほどテスト前に英数国の勉強をしていない。逆に言えば、テスト前に一生懸命英数国の勉強をしている生徒ほどテストの点数が取れていない。

  • 英語は、授業中もしくは自宅学習のときに教科書本文を読み込み、英語→日本語、日本語→英語に直せるようにしておく。文法事項は全て説明できるようにする。
  • 数学は、授業中もしくは自宅学習のときに、教科書と学校問題集を全て解き終わらせておく。
  • 国語の古文は英語と同じ。漢字は普段からコツコツ覚える。
  • 上にあげたような勉強を普段からやっておくことで、定期テスト前に英数国に割く時間を大幅に減らすことができ、その分の時間を暗記型の理社や実技教科に回すことができる。うちの塾の定期テスト成績上位者は、自然にこういう勉強ができている。テスト直前になって、慌てて真っ新な数学の問題集を解き出すようなことはまずない。

    テスト前に頑張らなければ英数国が取れないのなら、普段の勉強から見直した方が良い。

    理社はテスト前に重箱の隅までつつく

    英数国が理解型の科目なら、理社は暗記型の科目に分類できる(理科は一部に理解型の単元も存在する)。暗記型の科目は、覚えていれば点数は取れるし、覚えていなければまったく歯が立たない。定期テスト前は、このような暗記型の科目にこそガッツリと時間を費やすべきだ。

    もしも学校で問題集が配られているのなら、学校の授業中や普段の自宅学習のときにコツコツと解いておく。決してテスト前にまとめてやろうとしないこと。普段からコツコツと勉強することで、知識や内容が長期記憶として安定する。長期記憶として安定した知識は忘れにくい。もし忘れてしまっても、ふとしたキッカケで簡単に思い出すことも可能だ。

    このように普段の勉強で、ザックリと内容を把握しておき、テスト前はそれを完璧に仕上げる作戦に切り換える。教科書や資料集、学校のノートの隅々まで重箱の隅をつつくように完璧に覚える。自分なりに一問一答集を作ってみるのも良い手だが、必ずしも一問一答集が必要というワケではない。大切なことは、知識を完璧に定着させること。それが目的であって、手段はどんな方法でも良いのだ。

  • 普段の授業で、ザックリとした内容を把握しておく。
  • 問題集がある場合は、普段からコツコツと取り組んでおく。
  • テスト前は重箱の隅をつつくような勉強に切り換える。
  • テスト前にやるべきは実技教科!

    テスト前に本当にやるべきことは、音楽や美術、技術家庭などの技能科目だ。いくらトップ校に進学する子でも、普段から技能科目の勉強までやっていますという子は滅多にいない。これらの技能科目こそ、テスト前の短期記憶で乗り切る科目だ。これら技能科目の時間を確保するために、主要5科、特に英数国は普段からしっかりとやっておくことが、定期テスト勉強の王道だと言える。

    これまでの定期テストを分析せよ

    当たり前だが、定期テストは学校の先生が作る。同じ範囲のテストでも、それぞれの先生によって非常に特徴や個性が出る。それが学校の定期テストだ。ある先生は学校のワークの類題ばかりを出したり、またある先生は授業中のノートと同じような問題を出したり、またある先生は教科書の「コラム」的な内容のところまで出題する。

    この先生は、これまでのテストでどんなところを出題してきたのか。どんな形式で、どんな問題を重視しているのか。それを分析した上で勉強すると、テストの勉強の仕方も変わってくる。なかには塾の先生が代わりに分析してくれるところもあるようだが、いくら塾の先生であってもその先生の授業を直接受けているワケではない。先生の癖や特徴を一番理解しているのは、塾の先生ではなく学校の先生の授業を直接受けている自分自身だ。

    しかも、問題を分析する癖をつけておくことで、受験にも多いに役に立つ。過去問分析が自分でできる人は、高校受験のみならず大学受験にも強い。受験だけでなく、分析する力というのは社会に出てからも必要とされるものだ。

    まとめ

    定期テストというのは結局のところ、普段の勉強がどれだけできているかどうかが勝負になる。「そんなのは理想論だ」という人もいるかもしれない。でも実際のところ、理想的な勉強をしている人がトップ校に合格しているのだ。

    テスト直前まで学校の問題集が真っ新な状態で、テスト前だけ必死で勉強して仮に良い点数が取れたとしても、結局「短期記憶」でどうにかなっただけ。そんなものはテスト後3日も経てばすぐに忘れてしまう。技能科目はそれで良いかもしれない。でも、主要5科目でそういう勉強が続けば、「定期テストでは点数が取れるが、模試などの実力テストでは点数が取れない人」になってしまう。もちろん、受験にも通用しない。

    テスト直前にやるべきこと、普段の勉強でやるべきことを明確に分け、メリハリのある勉強をすることで、定期テストにも強くなり、更にそれに比例して実力も付くというわけだ。