受験生にとって夏は大事な時期であることは間違いない。だからって、夏は世間でよく言われているような受験の天王山ではないということは、このエントリー(夏は受験の天王山・・・なんかじゃない)でも書いた。
とは言え、夏はなぜか受験生のヤル気を駆り立てる。塾や予備校がこぞって夏期講習を実施するのもそのひとつの要因だろう。塾や予備校の講師に鼻息を荒くしながら「夏を制する者は受験を制するのだ。一分一秒を惜しんで勉強しろ!」と毎日のように連呼されたら、受験生は一種のマインドコントロールにかかった状態になり、予備校の自習室も普段見ないメンバーで埋め尽くされる。
夏にヤル気を出して勉強することは結構なことだ。けれども、ひとつ忠告しなければいけない事がある。それは、「勉強している自分に酔ってはいけない」って事だ。「毎日10時間以上勉強しているオレって超カッケ-\(^o^)/よし、明日は徹夜しちゃうぞ。」とか、「スキマ時間も惜しんで勉強しているワタシってステキ♥」と、自分に酔いしれるために無茶をして勉強してはいけない。
なぜか。酔いは、いつか覚めるからだ。そして、自分に酔っている受験生の酔いが冷めだす頃というのは、大概にして受験勉強に疲れてきた夏の終盤。加えて、夏の終盤や秋のはじめには模試がある場合が多い。その模試で、思うように結果が出ないと一気に酔いが冷めてしまう。たかだか1ヶ月やそこら頑張ったからって、すぐに結果に現れるものでもないのだが、「あんなに勉強したのにどうして結果が出ないんだ。もう受験勉強なんてバカバカしい。」と、これまで張りつめ続けていた糸がプツッと切れたように勉強しなくなる。一番伸びていく秋を前にしてこういう状態になることが最も危険なのだ。
受験生は、冷静さと客観的な視点を失ってはいけない。「夏は一日12時間勉強する!」「夏明けの模試で1教科30点アップだ!」なんて勢い任せの無謀な計画を立ててはいけない。冷静に、客観的に、今の自分に必要なことや今の自分にできることを、夏以降の長期的視野で考える。もちろん夏に勉強を頑張るは当たり前だが、すぐにガス欠になるような無茶は禁物だ。自分に酔うために勉強するのではなく、志望校に合格するために勉強していることを忘れてはいけない。