「勉強しているのに成績が上がらない」という相談を受けることがよくある。事象には必ず理由が存在するわけで、勉強しているのに成績が上がらないという事象には、そもそも成績が上がる勉強をしていないからだ。そこで、今回は勉強しているのに成績が上がらない5つの理由について書いてみることにしよう。
理由1:勉強していないから
まずほとんどの理由はコレ。単純に勉強していないからです。「勉強したのに」という生徒に限って、実は勉強していない。勉強したと言っても、実はちょろっと教科書を読んだだけとか、ノートを眺めただけとか、参考書に線を引いただけとか、そんな程度の「勉強ごっこ」しかしていないことが多い。ちょろっと教科書を読んだりノートを眺めただけでみるみる成績が上がっていくのなら、ほとんどの人が東大に行けてしまうだろう。「勉強ごっこ」は所詮「ごっこ」である。そんなもんで成績が上がるはずがない。
理由2:理解しながらインプットしていないから
成績が上がる勉強の第一条件として、教科書に書いてある知識や解法を自分の脳みそに蓄積する必要がある。つまり、知識のインプット作業だ。知識がないのに何ページも問題集を解いたって無駄。答えられるわけがない。まずは確実にインプットするところから始める。インプットするときは、必ず理解しながら行う。その言葉の意味もわからず「とにかく暗記しとけ!」というインプット法では、必ず成績が伸び悩む時期がくる。
理由3:アウトプットが足りないから
勉強しているのに成績が上がらない人の一番多い理由はコレ。インプットが終わっただけで満足してしまって、アウトプットが絶対的に足りない。勉強でのアウトプットとは、実践形式で問題を解くということだ。自分の脳みそにインプットした知識や解法は、アウトプットすることによってより明確で強固なものになる。車の運転方法の本をいくら読んだところで、実際に車に乗って運転の練習をしなければ車の運転は絶対にできないのと同じように、アウトプットなしで成績は絶対に上がらない。
インプットとアウトプットのバランスは、4:6程度がちょうどいい。インプットよりもアウトプットの時間や量を多く確保することが大切。ちゃんと勉強しているのに成績が上がらないという人は、このバランスを見直してみよう。
理由4:分析していないから
「問題集を3回もやったのに成績が上がりません」という生徒の問題集をよく観察してみると、間違った問題を全く分析していなかったことがある。なぜ間違ったか、どうすれば次に間違えないかの原因を考えないまま、3回も問題集を繰り返してもほとんど意味がない。
私の塾では、定期テストの勉強時や受験生には「間違い直しノート」を作らせている。自分が間違った問題をただやり直すだけでなく、自分で間違った問題の解説を書いてみることで間違った原因の分析ができる。成績が上がらないと嘆いている人は、本気で間違い直しノートを作成してみると良い。必ず効果は出てくるはずだ。
理由5:機が熟していないから
勉強を始めても、すぐに成績がグンと伸びることは少ない。植物でも、種を蒔いてもすぐに花を咲くわけではない。種から芽を出し、葉を茂らせて、蕾をつけて、ようやくきれいな花が咲くのと同じように、勉強にも花が咲くまでのある程度の期間は必要だ。大事なのは、すぐに成果が出ないからと言って勉強をやめてしまわないこと。目に見える成果が出ていなくても、正しい方法で勉強してきたことは、必ず自分の中に蓄えられていて、やがてきれいな花を咲かせるための原動力となっているはずだ。
私の塾でも、毎回一生懸命勉強しているのになかなか結果が出なかったが、ある時を境にいきなり成績が急上昇する生徒が毎年何人もいる。いきなり天才になったのではなく、今までやってきたことの機が熟したのである。
まとめ
いかがだったでしょうか。勉強しているのに成績が上がらないということは、理由5を除けば正しい勉強をしていないということです。この5つを意識するだけでかなり効果があると思うので、一度実践してみては?