そもそも受験勉強とは何なのか 普段の勉強との違い

2024年6月13日

先日、中3生からこのような質問がありました。

受験勉強を人よりも早く始めたという先輩の合格体験談を読んだのですが、何が受験勉強で何が受験勉強ではない勉強なのですか。

受験生でなくても、もしくは自分に受験生だという意識がなくても、学校や塾でたくさんのことを日々勉強しています。英単語や漢字を覚え、数学の計算練習をし、毎日の予習復習をし、定期テストが近づけば定期テストの勉強をします。

これらの普段の勉強は受験勉強ではないのか。もし受験勉強ではないのだとしたら、これらは何のための勉強なのか。受験するのにはさらに何か特別な勉強が必要なのか。

質問に来た中3生の疑問点はこういうところでしょう。

とても良い質問なので、今日はこのことについて掘り下げてみたいと思います。

普段の勉強は学力の基礎作り

普段、学校や塾で勉強していることは、学力の基礎作りです。

たとえば数学でいうと、普段は学校で計算練習をしたり、公式を使えるように練習したり、典型的な例題を学んだりしていると思いますが、これらは受験に出題されるからやっているわけではなく、数学の学力の基礎を構築する上で欠かせないからやっていることです。

受験のために塾に通っている場合でも、基本的に同じです。受験直前でない限り、普段塾で行っていることは、基本的には学力の基礎作りが目的です。なぜなら、基礎作りができていないと、いざ受験勉強を始めようとしても何もできないからです。

受験勉強とはレベルの差を埋める勉強

このように学校の勉強や塾の勉強を真面目に取り組み、きちんと基礎を作ってきた人でも、ほとんどの場合それだけでは入試の過去問を満足に解けません。なぜなら学校で学ぶ基礎と、入試の過去問の問題レベルにはかなりの差があるからです。

学校で学んでいることは、学力の基礎を作るためのものであり、学校で解いている問題もそのための問題です。でも入試問題は、学力の基礎を作るためのものではありません。合格者を選別するため、厳しい言い方をすると不合格者をふるい落とすために作られているものです。誰もが解けるような基礎問題では入試問題になりません。

志望校に合格するためには、このレベルの差をきちんと埋めていく勉強が必要になります。そしてこの勉強が、受験勉強なのです。

早く受験勉強を始めるとは何をすることか

この質問をしてきた中3生が読んだ体験談に、「人より早く受験勉強を始めた」と書いてありました。ちなみにこの体験談を書いたのは弊塾の卒塾生なので、私はこの子のこともよく知っています。確かに、この卒塾生は、同級生の中で一番早く受験勉強を始めていました。

早く受験勉強を始めたというのは、何も人より早く過去問を解き始めたとか、他の塾生よりも早く中3全範囲の学習を終えたという意味ではありません。

たとえば彼はかなり早くから自分の苦手な理社の復習を始めていました。これは、自分の志望校と自分の現状のレベルを考えたとき、理社のレベルにかなり差を感じていたためであり、その差を埋めるためには時間が相当かかることを理解していたからです。

他にも彼は弊塾で毎回やっている数学の「10問テスト」を毎日取り組んでいました。これも、自分の得意科目である数学でなるべく点数を稼ぐために、日々基礎トレーニングを積む必要性を理解していたからです。

このように、彼は自分の現状のレベルと志望校レベルの差を把握し、それを埋めるための勉強を早くから意識的に実践していました。

まとめ

「そろそろ受験勉強を始めないとな」「でも受験勉強とは何をすればよいのだろう」と悩んでいる受験生は多いと思います。

まずは、自分の現状のレベルと志望校のレベルの差を知りましょう。差を知るために、模試を受けるのも良いでしょう。とりあえず一度過去問を解いてみることもとても有益です。別に今解ける必要はないのです。どれだけの差があるのかを把握することが重要なのです。

それを理解した上で、今の自分に何が必要なのかを考えてみましょう。最も差を感じた科目は何か。どんな勉強が必要かという観点で考え、行動してみるのです。

それが受験勉強の第一歩となります。

英語が苦手で入試の長文が全然読めないから英単語をもう一度復習することだって、立派な受験勉強です。社会の歴史を基礎レベルからもう一度復習することだって、立派な受験勉強です。

受験勉強と普段の勉強の違いが理解できたでしょうか。受験勉強を始めようという気になったでしょうか。

では、すぐに行動しましょう。受験勉強はいつからでも始めることができます。