塾でいじめに加担した生徒は、即クビにするべきです

2012年7月13日

大津市の中2いじめ自殺問題が連日大きく報道されているが、その陰に隠れてあまり大きく報道されていないけれども、塾業界にいる人間として疑問を感じずにはいられないニュースがコレ。「長期のいじめ、同じ塾生徒認める…浜松中2死亡

 男子生徒は6月12日、マンションの屋上から転落して死亡。同校は、遺族側から「塾のことを調べて」と求められ、塾に通う5、6人の生徒が4月中旬、自転車を蹴ったり、体を押したりした事実があったことを塾から聞き取った。

塾は、生徒を厳しく指導した結果、いじめは解決したと説明。学校側は、同じクラスや部活のメンバーへの聞き取りは実施したが、塾に通う生徒を対象にした調査は行わなかった。

このニュースの記事の書き方だと、なんだか学校側に非があるような印象を受けるけれども、塾側が以前からいじめを認識していたのであれば(他の新聞では塾側が認識していたという報道が)、明らかに塾の対応がマズ過ぎる。「塾は、生徒を厳しく指導した結果・・・」とあるが、厳しく指導する前に、塾でいじめがあることを認識した時点で、この塾はいじめに加担した生徒を即クビにするべきだった。

大津市のいじめ事件のように、もし学校でいじめがあり、学校側がその事実を認識していたとしても、学校側はいじめにあっている生徒を守るために加害者側を「お前、学校クビね」と追放することはできない。悔しいけれど、いじめられている生徒が学校を休むなり転校するなりという自己防衛をするしか、いじめから逃れる方法はない。

でも、塾は違う。塾は公教育ではなく、単なるサービス業だから、塾の裁量でいくらでも生徒を辞めさせることができる。塾以外のサービス業でも、「ほかのお客様への迷惑にあたる行為が発覚した場合、すみやかに退場してもらいます」というのが民間企業の常識中の常識でしょ。塾側は生徒を厳しく指導したと言うが、塾はあくまで学習サービスを提供する場であって、教育を施す場ではない。教育的観点から加害者に厳しく指導するよりも先に、サービス業的観点から何の落ち度もないのに迷惑を被っているお客様の利益を最優先に考え、加害者の生徒を速攻で退塾させるべきたった。そうすれば、転落死してしまった生徒にとって、少なくとも塾が『逃げ場所』の一つになり得たかもしれないのに。

自分の所の塾では、入塾希望届けに「他の生徒の勉強の妨げとなるような迷惑行為が発覚した場合、すぐに退塾してもらいます」という規定を明記し、同意の意志を示すサインを生徒と保護者に書いてもらった上で入塾を認めている。塾はあくまでも学習環境を提供するサービス業。いじめに加担した生徒を人間的に更生させる場所でもないし、「みんなで仲良く楽しくね」と生徒に一致団結を求める場所でもない。自分の塾でいじめが発覚した場合、有無を言わさず加害者側は即クビなのです。