大津のいじめ事件が大きく取り上げられてから、毎日のように日本各地のいじめに関する問題がニュースで報道されるようになった。学校というものは、基本的に未熟な人間が集まる場。だから、スクールカーストやいじめはどの学校でも必然的に起こる。だからって、いじめは許されて良いものじゃないけれど。
どの学校でも必然的に起こると書いたが、いじめは特に小学校や中学校で起こりやすく、高校になると少なくなる感覚が私にはある。特に、進学校と呼ばれる偏差値の高い学校であるほど、いじめが起きにくいと個人的に考えている。今日はそのことについて書いてみることにする。(※これは私の超個人的意見であるということをご承知おき下さい)
いじめの原因は色々あるけれど、基本的に自分とは違う『異質』なものを排除しようとする心理が働いた場合にいじめが起こりやすい。小学校や中学校でいじめが起こりやすいのは、特に公立の学校の場合、異質な人間の集合体だからだと思う。家庭環境も違えば価値観も違う、目標も学力も何もかも違う未熟な人間の集合体が公立校なわけで、周りを見渡せば自分とは『異質』な人間ばかりだ。
でも高校に行けば様子は違ってくる。高校は公立高校でも私立高校でも、学力によってふるい分けられ、基本的に同じくらいの学力レベルの人間が同じ高校に集まってくる。小中学校では異質だらけの人間の集合だったものが、高校では『学力』の要素が『同質』になる。学力レベルが同質だということは、他の要素でもある程度同質になると考えられる。
例えば偏差値の高い進学校の場合、まずその学校に合格するには良い環境で受験勉強をしなくてはいけない。良い環境で勉強するためには、塾などに通う必要があり、子どもの塾代を惜しまずに出費できる家庭は、比較的裕福な家庭に限られてくる。比較的裕福な家庭では、親の年収も仕事の種類も似通ってくるし、子どもの育て方やしつけ方においても共通点が多くなってくるものだ。このことから、学力レベルが同質ということは、家庭環境も親の収入も同質である可能性が高いということが言える。
また、偏差値の高い進学校に通うほとんどの生徒の目標は、難関大学に進学するということで、当面の目標も同質になり得る。他にも、最近の入試システムで言えば、公立の進学校に合格するような子というのは、大概にして中学校の内申もほぼオール5に相当するような子であり、いじめや暴力などからは無関係のいわゆる「いい子ちゃん」ばかりだ。性格の面でも同質な生徒が集まっているのが公立の進学校だ。
つまり、偏差値の高い進学校には、『異質』な人間がほとんど存在することなく、異質な人間を排除しようとするいじめも起こりにくいのではないかと考えられる。
実際、私が通っていた高校も偏差値68の地元で一番の公立進学校だったが、のんびりした雰囲気を持っている学校で、私の知る限りではいじめの類いがほとんどなかった。付け加えるなら、「コイツ中学校のときいじめられてたんだろうな」って思ういわゆるダサくて眼鏡かけている真面目ちゃんキャラも、自分の高校では水を得た魚のように生き生きとしていた。本来ならいじめの対象となりやすいファッションセンスの無さも、偏差値が高い学校ほど気にされなくなるのかもしれない。
自分の母校だけじゃなくて、他の高偏差値の進学校の多くは同じ雰囲気を持っていると思う。
賛否両論あると思うけれど、中学校でいじめられている子がいたら、「学校なんか行かなくていいから塾に行け」って言いたい。「高い偏差値の進学校に入るために塾で一生懸命勉強しろ」って言いたい。そしたら随分生きやすくなるんじゃないかな。