昨日の記事「1科目に10000字を超える文字数の入試問題!その狙いと攻略法は?」で、今の入試問題で必要とされている力は、文章や図表から設問を解くための正しい情報を整理・分析し、自分が持っている知識や解法と組み合せて答えを導く「情報処理・分析能力」だということを書きました。
その力を付けるための対策法を昨日の記事でも触れましたが、その中で、
トップ校を目指している人は、特色検査や公立中高一貫校の適性検査の過去問を解くことも、情報と知識を組み合せる良い練習になります。
と書いたように、特色検査(学校にもよりますが)や公立中高一貫校の適性検査は、まさに情報処理・分析能力が求められるような問題の割合が大きくなっています。特色検査を全て解くためには、中学3年間で習う知識・解法をまずはきちんと身につけることが必要で、今の段階から過去問等をガシガシと解いていくことはできませんが、公立中高一貫校の適性検査であれば、中3の今の段階でも、もっと言えば中1中2の段階でも解くことができ、情報処理・分析能力が求められる問題とはどんなものなのかを体感することができます。
だって、本来ならば小6生が2月の段階で解くテストですからね。中学生であれば、必要となる知識や解法を全て身につけているはずです。しかも、公立中高一貫校の適性検査は、他の難関私立中の入試問題のように、特殊な解法テクニックが必要だったり、マニアックな知識が必要だということはありません。普通の公立小学校で習う知識・解法で十分解けるようになっています。
理論上は。
それなのに、実際やってみるとこれがなかなか難しいことに気が付くと思います。必要な知識は十分に持っている。なのになかなか解けない。難しい。ほとんどの人がそう感じるでしょう。
ちなみにこちらからダウンロードできますので、是非チャレンジしてみてください。保護者の方にも解いていただければ、どんなタイプの入試問題なのかがよく分かると思います。あと、オマケとして良いボケ防止にもなります。
【平成27年度 神奈川県立中等教育学校入試問題】
適性検査Ⅰ/模範解答
適性検査Ⅱ/模範解答
その難しさこそが、今の神奈川の入試問題の難しさの正体です。難しく感じる理由は、極めて情報処理・分析能力が求められているからです。実際に解いてみると分かりますが、問題文をササッと流して読んだだけでは、大人でも解けません。しっかりと鉛筆を握りしめ、問題文に書かれている情報を注意深く読み、問題を解く上での重要な情報な情報に線を引き、与えられている図表に書き込んだり、もしくは自分で情報を図や表に整理して分析したりという作業をしないと、絶対に解けない。必要な知識は小学校で学んでいるにもかかわらずです。
以前書いた「公立中高一貫校相模原中等教育学校1期生の実績が素晴らしすぎる件」という記事の中で、相模原中等一貫校の1期生が、東大や京大などの国公立・早慶などの難関校に凄まじい割合で合格しているということを書きました。彼らは、このような情報処理能力・分析力を小学6年生のときから持ち合わせていて、倍率6倍〜7倍の競争率を勝ち抜いてきた人材です。6年間一貫教育も素晴らしいものもあるとは思いますが、やはり彼らの潜在能力も無視はできないでしょう。
特色検査を実施しているようなトップ校を目指している人は、まずは中等一貫校の適性検査レベルの問題に対応できるような問題の考え方・解き方を身につけることが大切です。情報処理・分析型の問題形式の考え方を身につけたで、中学3年間で習う英数国理社の知識をしっかりと定着させる。そうすると、今の難しくなった入試問題にも、特色検査の問題にも対応できるようになります。
さぞ大変なことのように書いていますが、実際適性検査は解いていて非常に楽しいですよ!特色検査も、同じような楽しさがあります。毎年特色検査対策講座を開いているのですが、必ず「楽しかった!」という感想を書いてくる生徒がいるくらいです。
毎年11月下旬くらいから特色検査対策講座を始めるのですが、今年は早い段階から(5月のどこかの日曜日から?)、まずは中高一貫校の適性検査を解かせて、情報処理・分析型の問題の考え方・解き方を教え込んでいきたいなと目論んでいます。なんせ、このような力が圧倒的に不足しているのが、今の中3生なので・・・。それに、これをやり込むことで、特色検査のみならず普通の5教科の学力検査(特に理社)の解き方の良い下地作りにもなります。
ご希望があれば、外部からも特色検査対策講座を受け付けます。ご興味のある方は、お問い合わせからご連絡ください。詳しい日時を決定次第、ご連絡させていただきます。