超絶苦手な人のためのシリーズ第2回は理科。
先週何気なく呟いたところ、社会の時以上に反応がありました。
歴史が苦手な人はまずマンガを読めというブログ記事を書いたが、理科が苦手な人には動画に限る。探せばYoutubeにゴロゴロあるが、特にオススメなのが葉一さんの動画。要点だけを簡潔にまとめてくれていて、苦手意識がある人でもとっかかりやすい。
詳細は近日中にブログにまとめます。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) 2017年6月23日
ということで、理科が超絶苦手な人のための、受験勉強の第一歩をアドバイスします。
※これはタイトル通り、理科が超絶苦手な受験生のために書いた救済記事です。理科が得意な人には全く参考になりませんので悪しからず。また、中1中2生の普段の勉強にもあまり当てはまりません。
理科は科学的思考が必要な科目
理科が苦手な人は、そもそもポイントが分かっていません。ポイントとは、理科の実験や現象の原理原則、そして原理原則の使い方です。それが分からないから、社会と同じように、原理原則の理解を無視して「ええい、とりあえず覚えてしまえ」と、理解を伴わないまま暗記しようとしてしまいます。
社会だったら単純暗記でなんとかなりますが、理科は単純暗記で何とかなる科目ではありません。そもそも理科は暗記科目という捉え方自体が間違っています。理科は「科学的思考」が必要な科目です。「原理原則から論理的に答えを導き出す思考力」が、科学的思考です。
ということは、理科の受験勉強の第一歩とは、原理原則をまず理解すること。この一点に尽きます。
動画をフル活用せよ
理科が苦手な人が、原理原則を理解しようと教科書を読み直すことから始めたとしても、おそらく結局大半が理解できずに終わるでしょう。理科の学校の教科書は、理科が苦手な人にとって、お世辞にも分かりやすい編集にはなっていません。そもそも教科書をさらっと読んで原理原則が分かるくらいの人は、理科が超絶苦手にはなっていません。
理科が苦手な人がまず始めにやるべきことは、解説動画を見ることです。しかもできるだけ簡単な、できるだけ短くポイントを絞った解説動画です。
自分で教科書を読んだだけでは理解できないポイント(原理原則)も、膨大な範囲から特に何を押さえておくべきかも、動画なら非常に分かりやすく、無駄なく解説してくれるので、時間と手間が省けます。
オススメは「とある男が授業をしてみた」の理科
じゃあ何の動画を見ればいいのという話です。YouTubeなどで「中学理科 解説」などと検索すれば3万件以上もゴロゴロとヒットしますが、まさにネットの世界は玉石混交。何を見ればいいのか分からないという人も多いはず。
そんな人にオススメなのが「とある男が授業をしてみた」チャンネルを運営している葉一(ハイチ)さんの動画。
このチャンネルのオススメポイントはたくさんあるんだけれど、特にあげるとすれば次の5つ。
- 中学3年間の理科の全範囲が全て網羅されていること。
- 1つ1つの解説動画が10分程度とちょうど良い長さ。
- 単なる講義ではなく穴埋め形式で、自分の手と頭を動かしながら見ることができる。(←重要)
- 基礎が全く分からない人でも理解できる。
- ホワイトボードの板書形式の授業なので、塾の授業と同じ感覚で見ることができる。
別に私は葉一さんの回し者でも何でもなくて、葉一さんと知り合いでもなければ紹介しても一銭の得にもならないのだけれど、塾講師の私から見ても、彼の動画はとにかく短期間で基礎をおさらいするにはもってこいだと思います。
苦手な人が多い中1物理の光の反射の解説動画。一度見てみてください。
しかも塾チャンネルには、動画が学年別・科目別にきちんと整理されていて、板書のPDFもダウンロードできるので、ぜひ活用しましょう。無料だし。
ネット解説動画活用のポイント
そこそこ苦手レベルの単元から手をつける
ここからは、ネットの解説動画を用いてどう受験勉強していくかという話をします。
まずは中学3年間の理科を、12単元に分けて整理してみます。12単元とは、各学年の物理・化学・生物・地学の4単元×3年間分です。まだ中3内容が全部終わっていない場合は、中2までの8単元分で構いません。
この12単元(あるいは8単元)を、「まあまあ大丈夫」「苦手」「本当に無理なレベル」の3段階に分類してみます。これは理科が超絶苦手な人向けに書いている記事なので、「得意」というカテゴリーはありません。
その中で、2番目の「苦手」な単元の動画から見始めましょう。間違っても「本当に無理なレベル」からの復習から始めないこと。早々に挫折するのが目に見えています。「苦手」→「まあまあ大丈夫」→「本当に無理なレベル」の順番が挫折しにくく、また伸びている感触も得やすいので個人的にはオススメです。
動画→参考書→簡単な問題集の順
まずは動画を見ます。葉一さんの動画だと、例えば先ほど紹介した中1物理の光の単元でも、7つの解説動画があります。これを続けざまに次々と見るのではなく、1つ1つを分かるまでじっくり見たら、そのあと参考書の動画の範囲を読みましょう。一人で読んでも理解できなかったところでも、動画を見た後では、参考書の何がポイントなのかがぐっと理解できるようになっているでしょう。
ちなみに、理科が超絶苦手な人は、参考書も難しいものではなく簡単なものを選んでください。オススメは「図でわかるシリーズ」かな。1分野と2分野という分け方が時代遅れなのは気になるけれど。
↑塾生は自習室に置いてあるから活用してね。
そしてそのあとは、基礎的な問題集または、塾の問題集などの基礎のページを解いて頭の中を整理しましょう。
ちなみに基礎的な問題集でオススメなのは、理社出版の「にがてな人へシリーズ」。まあ分かりやすいし、単元別で一冊一冊がとても薄い問題集なので、苦手な人でも「解いてみようかな」という気になります。私も家庭教師をやっていた頃、このにがてな人へシリーズに大変お世話になりました。
ポイントは、動画を見るだけじゃやっぱりダメということ。動画は、短い時間でサクッと要点を理解するために活用するものであり、残念ながらそれだけ見れば受験勉強はもう完璧というわけではありません。塾で塾生にもいつも言っていることだけれど、「分かる」ことと「解ける」は別物。授業や動画を見て分かっても、自分で解けないと意味がありません。
「分かる」ために動画と参考書、「解ける」ために問題集。それぞれの役割をきちんと理解して、最後はアウトプットができる状態まで持っていく。それが受験勉強の鉄則です。
基礎は早いうちに固めること
ちなみにもう一つ勘違いして欲しくないのは、動画+参考書+基礎的な問題集で勉強したからといって、実戦形式の模試や過去問は解けるようにならないということです。
これは非常に勘違いしてしまう人が多いのですが、受験勉強で一番伸びるのは、過去問や実際の入試問題など、実戦的な問題を繰り返し解いている時です。基礎をいくら勉強しても、そんなに伸びていきません。
参照:受験勉強の流れと今受験生がやるべきことを5分で説明する。(過去記事)
基礎を勉強するのは、過去問や実戦形式の問題を十分に解けるようにするためです。なので、目標は11月か遅くとも12月までにはきちんと基礎を完成させておくこと。そして、動画で基礎を固めたあとは、入試問題や過去問をゴリゴリ解いていきましょう。