先々週にはじめて定期テストを迎える中1生へという記事を書き、中1生の定期テストの勉強がまだまだ甘いことを指摘しました。それから1週間とちょっと経ち、定期テスト前の二者面談を終え、中2生・中3生の中に混じりながら、先輩のテスト勉強への向き合い方や姿勢を目の当たりにしながらテスト勉強に励みました。
勉強に適した環境を準備し、良い手本となってくれる先輩が身近にいると、子どもは短期間で驚くほど成長するものです。昨日、今日から始まる初めてのテストに向けての最終調整をしていた中1生の勉強法や内容を見て、そう思いました。
クオリティーの高い中1生のテスト勉強ノート実例
うちの中1生の中で、「この子は伸びる」と思えるような質の高い勉強ができている子のノートを5つ紹介してみます。
自作の一問一答を大量に作って何度も解く生徒
↑これは中1生男子の理社の一問一答ノート。この写真では分かりにくいですが、質問と答えの境目の線に折り目がついています。写真はこのページしか撮っていませんが、この一問一答集が何ページも大量に続きます。テスト直前は、これらの答えを隠しながら、あやふやな問題に★印を付けたりして、大切そうに何度も確認していました。質問の部分もしっかりとポイントを抑えられています。一問一答集を作るということは、「どんな内容がどんな問題となって出題するのか」を予想することでもあります。もちろんまだまだ不完全な部分はありますが、中1生でこれだけ自分でやれる子もそう多くはありません。
簡潔に考え方をまとめられる生徒
↑続いては中1生女子の社会の間違い直しノートです。学校で配布されたワークで間違った問題をまとめています。直前は、これの右側を隠しながら解き直しをしていました。この子の間違い直しノートの良いところは、答えだけでなくて図で簡潔にポイントを抑えてみたり、考え方のポイントを簡潔にまとめています。間違えた問題をただノートに写すのではなく、このように問題のポイントを見抜いて的確にまとめられる中1生はそうそういません。右側のページは一問一答集のようですが、質問文が非常に的確です。
一問ずつ間違った原因やポイントを分析する生徒
↑これは中1生男子の理科の間違い直しノートです。赤で書かれたPはポイントという意味でしょう。間違えた問題に対して、1問ずつ何がポイントなのかを考えようとしています。「覚えとく」と表現しているのがなんとも中1らしいのですが、1問ごとになぜ間違ったのか、何が大切なのかを彼なりに分析しようとしている姿勢には驚かされます。
自作の追加問題をつくっちゃう生徒
↑これは中1生女子の社会のテスト勉強用のノート。しっかりと自分でニュースをチェックして調べておいたのでしょう。左のページには時事問題がまとめられています。右側のページは、<追加問題>とありますが、この追加問題、自分の弱点部分の中からなんと自分で作成した問題です(作成できるくらいなので既に弱点ではないと思いますが)。解きっぱなしにするのではなく、緑のペンで解き方をきちんとまとめてあります。
技術だって、一問一答集を応用してこのクオリティー
↑最後は中1生女子の技術の一問一答集です。特に初めてテストを迎える中1生にとって、何をどのように勉強してよいのか全く見当もつかない技能科目でも、5教科での一問一答集の作り方を応用して、穴埋め問題を自作しながらしっかりと教科書の内容を確認できています。写真はこの1ページ分しかありませんが、これが数ページにも渡ってまとめられてあり、それを何度も解きながら最終確認をしていました。
まとめ
もちろん、中1生全員がこのクオリティーで勉強できているわけではありません。中には、ちょっと目を離せばずーっと教科書を眺めているだけの子もいるのも事実です。しかし、つい最近中学に入学したばかりで、中学受験の経験もなく本格的に勉強をしたのがこれが初めての生徒でも、これだけの勉強ができるというのもまた事実です。
このブログでも何度も繰り返していますが、うちの塾はテスト対策授業を一切していません。また、中1生は英数国のみのコースしかなく、中2になるまで理社の授業は全くありません。上で紹介したノートは理社が多いですが、これらは中1生が誰に言われるでもなく、完全に自学自習で試行錯誤しながら勉強してきたものです。
これらのノートを見るだけでも、この記事で書いた意味が少しはお分かりいただけるのではないかなと思います。対策授業をしないからこそ、子どもは自分で考えます。目標点数に届くためにはどうすればいいのか、満点をとるためにはどうすればいいのかを考えます。最初は上手くいきません。でも、生徒と講師との二者面談でアドバイスしてもらった勉強法や、トップ校に合格していった先輩達が中学生のときに勉強していたノートや勉強法を参考にしてみたり、隣で勉強している中2生や中3生の勉強の仕方を真似してみたりしながら、少しずつ自分にしっくりくる勉強の仕方を体得していくのです。
そして、また彼ら彼女らがトップ校に合格していった後には、次の後輩たちに彼ら彼女らの勉強法やノートが受け継がれていく。うちの塾生たちは、そういうやり方で結果を残しています。