昨日、中1の数学の授業で確認テストを実施しました。ほとんどは合格点に達していましたが、まだ中1の始めの方なのだから、合格点に達していて当然です。何も凄いことはありません。
合格点に達している生徒でも、テストの受け方がダメダメな生徒をチラホラ見かけました(大声で注意された子もいます)。テストの受け方がダメというのは、このままだと到底トップ校に合格しそうもないような受け方をしているということです。テストに合格することももちろん重要ですが、テストの受け方ももの凄く重要です。
そこで今日は、トップ校に合格しそうもない子のテストの受け方と、トップ校に合格しそうな子のテストの受け方を比較してみます。
トップ校に合格しそうもない子のテストの受け方
人の答案用紙をチラ見する
早い話、カンニングです。もちろん論外な行為ですが、まだ精神的に幼い中1生には、毎年カンニングをしてしまう子が必ず1人はいます。勉強する意味やテストを受ける意味が十分に分かっておらず、それよりも良い点数を取りたいという気持ちが勝ってしまうのでしょう。
カンニングをする子は、公立トップ校には行けません。断言します。カンニングは非常に“再犯率”が高く、100%に極めて近いからです。1度でもカンニングが成功した子は、必ずカンニングを繰り返します。運悪く(?)先生に見つかってしまい、こっぴどく怒られた子は、さすがにテスト中にカンニングをすることは少なくなるかもしれませんが、テスト時以外の先生の監視下にないところではカンニングをしてしまいます。
テスト時以外のカンニングとは、自宅学習時のカンニングです。たとえば解答を見ながら問題を解いたり、間違った問題の答えを書き換えて合っていたことにしたり、もっとひどくなると解答を丸写ししたりなどの行為を指します。これも、立派なカンニングです。
このように、テスト中にカンニングしてしまう子というのは、実はテスト以外の普段の勉強も不正だらけなのです。さらには、カンニングする子は自分の頭で深く考えることを嫌います(だから安易に人の答えを見てしまうのですが)。不正だらけの勉強を繰り返し、自分の頭で考えることを避け続ける。カンニングは非常に根深い闇を抱えているのです。これで、公立トップ校に合格できる方が不思議です。
見直しをしない
一通りテストを解き終わった後に見直しをしない子も、トップ校に行く素質に欠けています。見直しをしない子をよく観察していると、大きく分けると次の2つのタイプに分類されます。
・問題を解き直すことを面倒くさいと感じている子
・慎重さに欠ける子
この2つとも、公立トップ校を目指すには致命的な欠点となります。それぞれ詳しく分析してみます。
問題を解き直すことを面倒くさいと感じている子
テスト問題を解き終わった後に、消しゴムのカスを丸めて遊んでいたり、テスト問題をパタンと閉じて残り時間はひたすらボーッとしていたり、余白に落書きをしていたりして見直しをしない子は、テスト問題を解き終わった開放感にどっぷりと浸ってしまっています。見直しするのを面倒くさいと感じているのでしょう。
見直しを面倒だと感じている子は、実は問題を解いたり考えたりする行為自体を面倒だと感じています。だから、テスト問題を解き終えた瞬間、頭を使ったり問題を解いたりすることをパッタリとやめてしまうのです。
こういうタイプの子は、基本的に面倒くさがり屋なので、普段の勉強でも与えられたことはきちんとやりますが、それ以上のことは自分から進んでやろうとしません。また、複雑な思考が必要な難しい問題や、一見面倒くさそうな問題を考え続けることも苦手です。
慎重さに欠ける子
慎重さに欠ける子もなかなか見直しをしません。慎重さに欠ける原因は2通りあって、1点でも多く取ろうとするような貪欲さがないことと、変にプライドが高くて自分の解答に絶対的な自信を持っていることのどちらかでしょう。
前者の貪欲さがないタイプは、あまり競争心がなく、低い点数をとっても気にならない子が多いです。真面目には勉強するのですが、「もっと良い点数をとろう」とする向上心があまりありません。志望校を選択するときも、「行けるところでいいや」とあまり挑戦しないタイプが多いです。
後者の変にプライドが高いタイプは、向上心はあるのですが余計なプライドが邪魔をしています。また、こういう子は、テストが返却されてミスが発覚しても、「これはケアレスミスだからいいや」、「間違ったけれど本当は分かっていた」などと都合の良い言い訳をし、ミスを軽視する傾向にあります。その結果、ケアレスミスは減らないし、軽視していたミスからどんどん知識の穴が広がっていって、気が付くとできなくなる可能性が大です。
両者とも、トップ校合格からは自ずと遠のいてしまいます。基礎学力が高い子ならなんとかなるかもしれませんが、受験勉強の時に相当な勉強量は必要になります。
トップ校に合格する子のテストの受け方
トップ校に合格する子とそうでない子は、テストの時の集中力が違います。トップ校に合格する子の集中力はものすごいです。周りなど一切気にせず、完璧に自分の世界に入っています。
もの凄い勢いで問題を解き、少しでも怪しい問題や後で見直しをしたい問題には印を付けたりして工夫しています。問題文の見落としがないようによく注意を払い、せわしなく手を動かして問題用紙にどんどん書き込んでいきます。途中、難しい問題や見たこともない問題があってもペンを止めません。時には図を書いたり、条件を箇条書きにしたりして、手を動かしながら常に考えています。
時間内に最後まで解き終わると、すぐに印を付けた問題を解き直します。ただ眺めているのではなく、もう一度手を動かして解くのです。答えが違えば正解を確信できるまで何度でも解きます。印を付けた問題のチェックを終えたら、印を付けていない問題のチェックに入ります。試験終了の合図が鳴った瞬間、初めてペンから手を離し、ようやく一息つくのです。
トップ校に合格する子は、普段の何気ない小さなテストのときから、いつもこのようなテストの受け方をしているのです。
まとめ
生徒のテストの受け方を観察していると、家庭での勉強の仕方、集中力、トップ校に合格する素質を持ち合わせているかどうかなど、ありとあらゆることが手に取るように分かります。それほど、テストというのはたくさんのことを反映します。もちろん、それは点数にも反映されます。
トップ校を目指している人は、普段からトップ校に合格する子のテストの受け方を実践することを心がけましょう。定期テストだけでなく、学校や塾などのテストでも同じです。どんな小さなテストであっても実践し続けることで、そのテストの解き方が癖となり、自然とトップ校に合格するために必要な素質も身につくようになります。