國立先生著書「勉強のキホン」の内容が当たり前すぎてもう…

2019年3月12日

今度また一緒にブログフェスをやる予定の名古屋の國立先生が「勉強のキホン」という本を出版されたとのこと。早速Amazonでポチろうかと思っていたところ、ありがたいことに今朝献本が届いていました。

そこには著者國立先生からこのようなメッセージが添えられていました。

岸本先生こんにちは。念願叶い勉強法についての書籍を出版できることとなりました。強烈な教務バカに読んでもらうには少々内容的につらいですが、感謝込めてお送りします。(後略)

強烈な教務バカ。ありがとうございます。私にとって最大級の誉め言葉でございます。

ちなみにうちの塾は、定期テスト対策授業もやりませんし、定期テストの過去問も配りません。塾生の完全なる自学と実力で定期テスト塾生平均5教科9割を達成しています。また、受験勉強に関しても、慧真館オリジナルの「合格手帖」を駆使しながら、塾生に効果的な受験勉強法を伝えています。その結果、塾生の入試模試における平均偏差値は66〜67を毎年達成しています。

つまりですね、うちの塾はめちゃくちゃ「勉強法」というものにこだわっている塾なのですよ。そして自分で言うのもなんですが、こだわりの「勉強法」に対して、一定の効果を上げている塾なのですよ。

その塾の塾長である私に、勉強法についての本「勉強のキホン」が送られてきたんですから、こちらのプライドをかけて、一切の忖度せずに書評を書かせてもらいます。もともと私、提灯記事は書かない主義です。いくらお知り合いの塾長先生でも、よいしょはしません。このブログを読んでいただいている読者のため、良い物は良い、悪いものは悪いとハッキリと言わせていただきます。

では、國立先生、覚悟を!

読んでみての感想

早速読んでみました。さすが國立先生、捏ねくり回した文章ではなく、誰が読んでも読みやすい文体で書かれているのでスラスラ読めます。私も2時間弱で読めました。

で、読んでみての感想を、本当に忖度なく一言で表します。

「え…、なにこれ当たり前のことばっかり書いてあるやん!」

この本に書かれてある勉強法とは、「勉強法」って呼ぶことすら憚れるくらいめっちゃ当たり前のことばかり。ハッキリと申しますけど、目新しいことも、目から鱗的なことも、なんにもありません。うちの塾生ならばいつも我々から言われていて、当然身についていることばかりが書かれています。

繰り返しますが、この本に書かれてあることは全部、勉強ができる中学生は当たり前にやっていることばかりなのです。読了し、「なんだよ國立先生当たり前のことばっかじゃん!」と思いながらもパタンと本を閉じたとき、それまでは全く意識していなかったタイトルが目に入りました。

「勉強のキホン」

あ、そうかなるほど。これは「勉強のキホン」なんだと思った瞬間、私の中で全て納得いきました。

そう、この本に書かれていることは、勉強のキホン。

勉強法に超こだわっているうちの塾が「当たり前」と感じるほどの、勉強のド基本です。つまり、この本に書かれていることを実践すると、当然勉強はできるようになります。

でもね、私のような塾講師からすると当たり前に感じることでも、生徒や保護者の方は、当たり前と思っていない。「そんな当たり前のことも知らなかったの?」「そんな勉強法では成果が出ないに決まってんじゃん」と思うことを、子どもたちは平気で、悪気もなくやっています。

当たり前すぎて誰も教えないからです。特に中学校に上がったばかりの中1生たちにとっては、「どうやって勉強していいかなんて言わなくても分かるよね」と、正しい勉強法を丁寧に説明されないまま、「定期テストは計画的に勉強しなさい」などと要求されます。なので、当たり前の勉強法を何にも知らない子どもたちは、とりあえずはこの本にも書かれているような「勉強している風」の脳に負担をかけない勉強をして、お茶を濁し続けます。当然そんな勉強をし続けても、成績が上がるわけがありません。

この本のように、勉強の超ド基本を、やさしく丁寧に説明してくれている本はなかなかありません。この「勉強のキホン」は中1生や小学生の保護者向けに「親が読んで子どもに伝えてね」というコンセプトで書かれてはいますが、文章が平易で読みやすいので中1生でも問題なく読める内容です。

当たり前すぎて当然知っておかなければいけないけれど、誰も教えてくれないような「成果が出る勉強法」「やってはいけない勉強法」が書かれています。勉強のキホンを身につける時期の中1の初期段階に読んでおいて損はありません。

ちょっとつけ加え

しつこいですが当たり前のことばかり書かれているので、全面的にこの本に同意します。ただ國立先生に喧嘩売るわけではありませんが、ちょっとこの本の内容と見解が違うことを最後に付け加えておきます。

理科の復習はいらない問題

この本、めっちゃ社会や国語の勉強法について、ページを割いてめちゃくちゃ熱く語っているんですよね。しかも社会については都道府県の覚え方とか歴史のマスターの仕方とかについて超具体的に。

で、理科はというとたった8行!!しかも「理科は復習しなくていい」と言っている。その理由は「同じ内容が中学で改めて各単元登場するからです」とのこと。

確かにその通りで、中学以降でちゃんと本格的に勉強することになります。でも、だからと言って理科は勉強しなくて良いということではないと、日々理科を中学生に教えている私は主張します。

小学生にとっての理科は「勉強」じゃないと思うんですよね。「勉強」というより「遊び」の延長線上にあるものが、理科だと思います。私の意見は、机上の勉強はしなくて良いから、小学生のうちに理科で思いっきり遊んで欲しい。植物を観察するとか昆虫採集に行くとか、望遠鏡で星を観察するとか、顕微鏡でムダに色んなものを見てみるとか。

小学生の頃にそういう経験をたくさんしてきた子としてきていない子では、中学生になってから理科への興味や理解度がまるで違います。國立先生、今度「勉強のキホン2」を出版するとき、この部分を是非付け加えてください。

勉強は「覚える」と「解く」問題

本書で國立先生はこうおっしゃっています。

中学生からの勉強法で、大切なことは何だと思いますか?実は「覚える」と「解く」の2つだけです。(P42)

勉強は「覚える」だけではなく、まずは「理解する」ことが大切です。いきなり覚えようと思わないこと。漢字でもいきなり書き殴って覚えるのではなく、漢字のつくりを気にしたり、意味を考えたりしながらその言葉を「理解する」ことで、グンと覚えやすくなります。社会にしてもそう。一問一答的に用語をただ覚えるのでは、薄っぺらい知識しか身につきません。用語を覚えようとするのではなく、まずは歴史の流れや用語の意味を理解すること。

解いたあとも同じ。間違った問題を、なぜそうなるのか理解すること。理解なしに覚える、解くをむやみやたらと繰り返さないこと。この部分についても「勉強のキホン2」でお願いします。

まとめ

ということで、本当に忖度なく書かせていただきました。ごめんね、國立先生。

でも、この本の内容、本当にうちの塾のカンヅメ(定期テスト勉強会)で中学生になりたての中1生に対して口酸っぱく注意していることばかりです。それを書籍化してくださって、本当ありがたい。そして勉強出来る子は間違いなく、この本に書かれていることを実践しています。

「当たり前のこと」の共有手段として、小学生の保護者の方、この春中学校に上がる中1生の保護者の方、そして勉強法に迷っている中学生(中1生中2生)にオススメですよ!