質問箱に投稿されたもので、以下のような質問がありました。
いつも拝見させて頂いております。
こんな熱意溢れる塾長さんの塾に通っていらっしゃる塾生さんがうらやましいと思いながら読ませて頂いております。小6の息子のことで質問させて下さい。息子は普通の公立小に通っておりまして、受験の予定はなく、そのまま公立の中学校に入学するつもりです。学校のテストはどの教科も90点以上を取れていて、教科書準拠の通信教育を家庭学習で取り組んでいます。勉強に対して意欲的な面がありまして、最近になって今やっている教科書準拠の通信教育よりももっと難しい問題をやりたいと言うようになりました。今やっている通信教育にはレベル分けがないので、他社のハイレベルコースがある通信教育の資料を取り寄せたところ、それをやりたいと言っております。
質問なのですが、息子の希望通りハイレベルコースのものに取り組んだ方がいいのか、今まで通り教科書に添って基礎を固めた方がいいのか、御意見を伺いたいです。それから、通信教育以外で、何かこういうものに取り組んだ方がいいなどありましたら教えて頂きたいです。 ちなみに最近になって読書が好きになり、本は読むようになりました。英語だけ塾に通っているので秋に英検受験予定で、漢検にも挑戦しようかと話しているところです。よろしくお願い致します。
現在面談期間中ですが、うちの塾生の小学生の保護者の方からも、「塾の勉強以外に何か取り組んだ方がいいのか」ということをよく聞かれます。ということで、今日はこの質問を題材に、非受験型の小学生の勉強についての私の意見を書いてみたいと思います。
どんどん難しい問題に挑戦しよう
まずは質問への回答を。お子様の希望通り、是非ハイレベルコースのものに切り替えてあげてください。
小学校で習う勉強は本当に基礎中の基礎です。ある程度できる子にとって学校の勉強は簡単すぎて退屈です。繰り返し基礎を勉強することは、もちろん大切です。しかし、学力は、単純な基礎訓練の繰り返しばかりで伸びていくものではありません。むしろ、自分にとって少々難しい問題を考えることによってしか思考力は伸びないし、応用問題を解く過程で、どの部分の基礎が実は身に付いていなかったのかがはじめて露呈されます。
小学生のうちは、身体的・学力的・精神的とあらゆる面で1番の伸び盛りです。脳も負荷を与えれば与えるほど発達していきます。うちの塾の小学生たちも、中学受験を目指さない生徒たちばかりですが、やっていることは私立の中堅どころの中学入試とほぼ同じレベルの問題を扱っています。それくらいの負荷を与えることで、いろいろな方向から思考力を鍛えていくのが目的です。
せっかくの伸び盛りの時期です。しかも受験しないということで、時間にも余裕があります。自分にとって手応えのある問題を、じっくりと時間をかけて考えさせてやってください。このような贅沢な勉強ができる時期は、今しかありません。
同じようなことを以前記事にしています。そちらも是非ご一読ください。
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「試験ありき」ではない勉強を
中学受験を目指さない小学生は、よく英検や漢検などの検定を目標に勉強するケースが多いですね。「◯級目標」という目標を掲げ、それに向かって対策本などで勉強する。結果も合否という明確な形で現れ、勉強する意欲も湧きやすいので検定は好まれます。
検定の勉強自体を否定するつもりはありません。しかし、「何らかの試験に向かって対策を立て、勉強していく」という勉強は、これから中学校に上がれば、高校・大学・社会人になるまで嫌というほど経験します。なにも小学生の頃からそういう「試験ありきの勉強」に慣れる必要はないかな、というのが私の持論です。
せっかく受験しないのだから、受験しないメリットをもっと生かした勉強をしてほしいと思います。つまり「試験ありきの勉強」ではない勉強です。
例えば新聞の書き写しを毎日続けること。例えば自由研究に没頭すること。例えば興味を持った分野に関してとことんまで調べること。例えば毎月5冊以上の本を読むことなど…。将棋やオセロを研究するのもいいですね!このようにちょっと考えればいくらでも思いつきます。これらは直接的にすぐに学力に反映される類の勉強ではないかもしれませんが、こういう類の勉強ができるのも非受験型の小学生の特権です。
そしてすぐに学力には反映されなくても、このような積極的な勉強で培った知識や力は、必ず近い将来、「学力を支える底力」という形で学習の場面で生きていきます。
国語の勉強はやってもやりすぎということはない
あと1つ、強いて言うならば国語ですね。国語をしっかりと勉強してください。特に小学校ではあまり触れられないような、論理的な国語です。論理的な国語を学ぶためのツールはこのブログでも色々と紹介してきたので、過去記事を参考にしてください。
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今後の学習活動の基盤を作る時期にいる小学生にとって、国語の勉強はやってもやりすぎということはありません。決して大袈裟ではなく、圧倒的な国語の力があれば、中学校の勉強でつまづくことはまずありません。
まとめ
まとめると、基礎ができている子、学校の授業は簡単でつまらないと感じている子には、どんどん難しい問題を与えてあげること。難しい問題を解くテクニックではなく、あれこれと考えることで思考力を鍛えることを意識すること。「試験ありきの勉強」ではない勉強をしながら、学力を支える底力を養うこと。国語をたくさん勉強すること。
以上が、普段非受験型の小学生とトップ校を目指す中学生の両方を見ている私が、小学生のうちに是非取り組んで欲しいと心から思うことです。ご参考になれば幸いです。