先日、ある大手塾で働いていらっしゃる方がうちの塾に見学に来られた。楽天でブログを書いていた時代から私のブログを読んでくださっていたということで、いろいろな塾の指導法を勉強されているという。定期テスト勉強会の様子を1時間くらい見学されたのだが、うちの塾の生徒が黙々と勉強する雰囲気に大変驚かれていた様子だった。
私もこの塾を作るとき、いろいろな塾のブログを読み漁っては指導力のある塾に足を運び、見学させて頂いた経緯がある。全国の塾をまわって感じたことは、生徒が伸びる塾には、生徒が伸びるための文化が必ず存在するということだった。
塾と一口に言っても、そこには様々な文化があり、同じような文化を持つ塾は一つとして存在しない。塾の文化は、その塾の経営者の個性や理念によって作り上げられるものだ。
- 生徒指導が細部まで行き届いている塾、託児所のような塾
- 子どもらしさにあふれる塾、ピリピリとした雰囲気が漂う塾
- 授業中にだらけていても叱られない塾、授業中に私語をするなど考えられない塾
- 上昇志向の生徒が多い塾、遊びにきている感覚の生徒が多い塾
- 先生と生徒の距離がまるで友達のように近い塾、先生に威厳がある塾
- 生徒の自主性を尊重する塾、生徒を管理する塾
など、例を挙げればキリがないほど塾の文化は千差万別で、塾の数だけ文化が存在する。何が正解で何が不正解ということはないけれど、文化は間違いなくその塾の柱となる部分である。塾を選ぶ人なら、どんな文化がある塾に子どもを入れたいのかというイメージを明確に持ち、そのイメージに合った塾を選ぼう。塾を経営する人なら、どんな文化の塾を目指していくのかというイメージを明確にし、そのイメージからそれない教室運営をしよう。
塾の講師が子どもを育てているのではない。その塾の文化が子どもを育てているのである。学校ならば、学校の先生ではなく、その学校で大切に長年受け継がれてきた文化が生徒を育てているのである。
文化が人をつくる。これは間違いない事実だ。