この時期に多くの受験生が陥りやすい、理社の誤った受験勉強法

2015年11月10日

神奈川の入試当日まで11月8日時点で残り100日になり、今日で残り98日となりました。うちの塾生の定期テストは本日まで。今日の帰りも、定期テストが終わったからと言って浮かれていないですぐに受験勉強に切り替えようと話をしましたが、果たして何人が実践するのか楽しみです。

昨年度もこの時期に残り100日間の勉強方法についての記事「入試まであと100日!この時期からの受験勉強法。」を書いたので、参考にしてください。

受験勉強は始まったばかりですが、残り100日を切ったとなると、いつまでも悠長な気分で構えてもいられません。まずは苦手科目の単元潰し、得意科目の底上げを中心に勉強していきましょう。

理社は直前で点数が上がるのか

さて今日のテーマは理社です。よく、「理社は入試直前から勉強しても間に合う」と言われますし、私もこのブログで同じようなことを何度も書いています。たしかに、英語や国語に比べると、理社は入試直前でも伸びていく科目です。英語や国語をこの時期まで放置していた人は、さすがにあと100日間ではどうにもなりませんが、理社となれば話は別。弱点となる単元を一つひとつ潰していけば、模試の点数は上がります。

受験生が理社の勉強でよくやってしまいがちな過ち

理社はこの時期からでも上がりやすいと言っても、勉強方法を間違っていると、いくら理社を勉強しても入試や模試で点数はとれません。この時期の高校入試の受験生が最も陥りやすい勉強方法はコレです。

理社ができなさすぎて困る。模試も解けない。

「まずは基本から」と、本屋さんに行って超基本的な問題集を買う。

やる。これで基本はバッチリなはず!

入試模試や過去問を解いてみる。

想像以上に伸びていない。

「やっぱり俺は才能ない」と落ち込む。

志望校を下げる。

この時期、このような状況に陥っている受験生が全国に五万といるはずです。この一連の流れのどこが間違っているのか。なぜ入試模試や過去問が解けないのか分かりますか?

基本的な勉強だけで入試問題が解けるのは、一部の天才肌だけ

先ほどの勉強方法で模試や過去問が解けない一番の原因は、基本的な問題集しか解いていないにもかかわらず、入試模試や過去問での点数の伸びを期待していることです。このような勉強を続けていても偏差値が伸びないのは当然のことなのですが、当の本人はそれに気が付いていません。

なぜか。最近の高校入試には、単純な一問一答式の問題はほとんど登場しません。ましてや、重要語句や年号だけを暗記しているだけで解ける問題など、まずお目にかかりません。先ほどの勉強方法の問題点は、超基本的な一問一答式や重要語句確認程度の問題集、つまり本来の入試形式とはかけ離れた問題の勉強だけで満足していることです。

基本的な問題集で身につけた重要語句や一問一答式の知識と入試問題とを、いきなり有機的に結びつけて問題が解ける人というのは一部の天才肌の人だけです。たとえるならば、ずっと素振りや簡単なトスバッティングしか練習してこなかった人が、いきなりプロ野球のバッターボックスに立つくらい無謀なことなのです。

基本は大切だが、基本だけで終わってはいけない

だからと言って、基本は不要だと言っているわけではありません。基本はもちろん大切です。一問一答式の問題集も、基本的な語句をきちんと覚えているかどうかを確認するという目的では有意義なものです。ただ、それだけで偏差値が上がるかというと、残念ながらそうはいきません。偏差値を上げるためには、入試模試や実際の入試問題と同じレベルの中で、覚えた知識の使い方を練習しなければいけないのです。

先ほどの野球のたとえで言うと、プロ野球で結果を残すためには、素振りやトスバッティングを繰り返すだけではなく、プロのピッチャー相手に練習しないと打てるようにはならないのと同じです。

勉強が苦手な人ほど、実践形式の演習を増やせ

もう一つ勘違いしがちな勉強法として、「自分はこの科目が苦手だから、簡単な基本問題だけやろう。難しい問題はやってもできないからやらないでおこう。」というのがあります。この勉強法をやっている限り、絶対にその科目の偏差値は上がりません。

基本だけ勉強して問題が解けるようになるのは、先ほども述べたように一部の天才肌の人か、その科目が得意な人です。苦手意識が強い科目ほど、基本的な問題を解いた後は、どんどん入試問題と同じレベルの実践形式の演習をしなければいけません。その科目が得意な人の倍はやらないと、解けるようにならないでしょう。

苦手意識のある科目ほど、実践形式の問題を増やし、知識と問題の有機的なつながりを体得する。問題の出題パターン、解法パターンを覚えるまで解く。これが、偏差値アップの秘訣です。

まとめ

入試問題で点数が取れるようになるためには、入試問題で練習するしかありません。プロ野球選手が素人相手に練習しても、全く腕が上がらないのと同じです。

だから私は口を酸っぱくして「全国入試問題集」を解きなさいと言っています(参照:偏差値70以上も夢ではない。驚くほど力が付く全国入試問題正解の使い方。)。特に理社ほど、全国入試問題集での勉強が効く科目はありません。

理社は入試直前まで伸びる科目です。ただし、全国入試問題集などで、入試問題をたくさん練習すればという前提であることをお忘れなく。