最近テレビで受験サプリのCMをよく見かけます。香川照之から「そこのチョーなんとかなるだろう症候群の君」とか言われながらスマホを渡された予備校生風の男の子は、スマホの受験サプリを見て「超なんとかなりそう」とつぶやくCMです。
断言しますが、この予備校生風の男の子、残念ながら受験に失敗しますよ。何も受験サプリがダメだから失敗すると言いたいわけではありません。むしろ、ただ映像授業を見せているだけの塾に高額な授業料を払うのなら、たった980円で見たい放題授業が見れる受験サプリの方がどう考えてもコストパフォーマンス的に優れています。どちらもパソコンを通して授業を受けるという形式は変わらないわけだし。この予備校生風の子が受験に失敗すると断言できるのは、スマホを見ただけで何もやっていないのに「超なんとかなりそう」と言っちゃうほどの、受験に対する考え方の甘さです。
大学受験だけでなく、中学受験でも高校受験でも同じことが言えますが、いくら優れた塾に行っていても、いくら優れた教材を使っていても、ただそれに乗っかっているだけで何とかなるほど受験は甘い世界ではありません。もし、ただ乗っかっているだけで本当になんとかなる塾や予備校・映像授業があるんだったら、今頃日本全国の受験生がその予備校なり映像授業を受けているはずです。でも実際は、同じ予備校や同じ塾に通って同じ授業を受けていても、合格する人も落ちる人もいる。そりゃそうでしょう。塾や予備校でいくら良いことを習っても、復習するなり演習するなりしながら自分のものにする努力をしなければ、1週間も経てばきれいサッパリ忘れてしまいます。
受験は「なんとかなるだろう」と思っている人から順番に落ちていきます。「なんとかなるだろう」と思いながら現実から目を背け続け、いい加減な勉強をしている間にもどんどん入試本番までの日数は残り少なくなり、いずれなんとかしたくてもなんともならなくなる。それが現実です。
昨日の授業で、中3生を1人強制帰宅させました。初回の模試でヒドい点数をとっているにもかかわらず、またその模試で合格可能性が極めて0%に近い判定が出ているにもかかわらず、入試模試のやり直しを適当にやってきていたからです。いくらうちの塾に通っていても、普段は適当にしか勉強しないのであれば、第一志望に合格するわけがありません。「塾に行っていればなんとかなるだろう」と思っているのかもしれませんが、このブログでも何度も書いてきたように、うちの塾は勉強をサボっている子でもなんとかやっていけるような授業はしていません。喰らいついてきてくれればなんとかしますが、喰らいつく努力さえも放棄している子にやってあげられることは何もありません。
「なんとかなる。それはやることをちゃんとやっている人のセリフ。」
超良いこと言うじゃん、ミイ!受験において「なんとかなるだろう」と思って良いのは、もうこれ以上頑張れないというくらいに一生懸命勉強しきた人だけです。何もやっていないうちから「なんとかなるだろう」と思った瞬間、あなたは確実に志望校に行けません。