全国学力テストで本当に公開すべきは、都道府県別順位じゃない

2012年8月9日

全国学力テストの結果が公開されたようだ。都道府県別の1位は秋田県で、秋田はこれで5年連続で1位らしい。5年連続とはスゴイな、秋田。これと関連性があるかどうかは分からないが、秋田県の数学の公立高校入試は結構骨太な問題が多い。我が神奈川県の数学の公立入試問題とは比べものにならないくらい。入試問題が難しいから秋田の学力が高いのか、学力が高いから入試問題が難しいのかは分からないが。

ちなみに、我が神奈川県はというと、29位という超微妙な位置にいらっしゃいます。学力テストの順位は29位だけれども、参加実施校は愛知県に次ぐワースト2位なんだとか。市の診断テストがある横浜市と川崎市の中学校は、「そんなもんやらなくても市の診断テストで十分子どもの学力を把握しておるわい!」って理由で、ほとんどの学校が全国学力テストを実施していないらしい(そんな言い方はしていないと思うが)。

そういう横浜市や川崎市のような、地方自治体が独自に学力テスト等を作成し、子どもたちの学力レベルや各学校単位の経年比較などを調査する取り組みは評価できることだと思う。お国が勝手にやる学力テストにイベント的に乗っかって一時的に大騒ぎするんじゃなくて、地方自治体レベルで、今の教育に必要なのは何かということを考えていく姿勢が求められるんじゃないかな。

全国学力テストが報じられる度に都道府県順位ばかり話題になるが、そもそも学力テストにおいて本当に報じられなければいけないのは都道府県順位ではない。学力テストはいったい何のために実施しているのか。調査結果はどのように分析されているのか。そして、その結果は教育政策や教育現場の改善にどのように生かされているのか。ということが全く見えてこない。

テストを受けました。はい、結果は何位でした。だけじゃ小学生レベルも良いところ。そんなんで何十億円の予算つぎ込むんだったら、その分のカネで一学級の生徒数を1人でも2人でも少なくした方がよっぽど教育的効果がある。

テストに参加した各自治体や各学校は、テスト結果からどのような分析をし、どのような形で今後の教育にフィードバックしていくかということこそ公表するべき。それを公表しないんじゃ、わざわざ貴重な一日を丸潰ししてまで学力テストを生徒に受けさせる意味がないと思うんだが。