受験に成功する家庭の典型的な3つの例

2014年10月16日

以前「受験に失敗する家庭の典型的な3つの例」というエントリーを書いたが、下のランキングをご覧頂くと分かるように、書いてから1年半ほど経った今でも毎週必ずBEST10に入るほどよく読まれている。そこで今日は、このエントリーとは逆の視点で、受験に成功する家庭の典型的な3つの例を書いてみたいと思う。
460a2d2303d3b6f660398a34dba1a181_s

そもそも、受験における成功とは何だ?

その前に、まず受験における「成功」とは何かから定義しなければならない。だいたいの人は、受験における成功=志望校合格と捉えているだろうが、はたして志望校合格だけが成功と言えるだろうか。もしそうならば、うちの塾生の合格率はここ4年間ずっと100%なので、塾生全員が受験において「成功」していると言えることになる。ただ、中にはたまたま志望校に合格したから良かったものの、高校受験の過程そのものがその子の成長に繋がったかというと、残念ながらそうではないと思えるような生徒もいたことも事実。

高校受験に限らず中学受験や大学受験もそうだけど、「合格」だけを手に入れたければほとんどの人は「成功」できる。絶対に合格できる高校を受験すればよいだけの話だ。このことからも、合格=受験の成功だとは言い難い。

私は、塾生や保護者の方には「本人の成長に繋がらない受験には何の意味もない」という話をする。個人的な考え方になるかもしれないが、ここでは「受験における成功=子どもが成長と志望校合格を手にすること」と定義することにします。

前置きが随分長くなったが、ここからが本題。

1つ目:面談で親がほとんど話さないご家庭ほど、受験に成功している。

うちの塾では、毎年全員の中3生に対して年4回の三者面談を実施するが、三者面談の際、ほとんど生徒が主体になって話をし、親は横で黙って聞いているご家庭ほど受験に成功している。つい先日三者面談をしたご家庭もそうだった。親御さんはほとんど意見を言わず、生徒自身が自分の考え方をしっかりと話をする様子を見て、「きっとこの親子は大丈夫だろう」と感じた。

別に親御さんが無愛想なワケではない。何も考えていないワケでもない。私が親御さんに意見を求めると、笑顔できちんとした答えが返ってくる。面談でほとんど話さないのは、「この受験は自分の受験ではなく、子ども自身の受験だ」という当たり前のことをきちんと認識されているからだ。だから、万が一親の意見と子どもの意見が合わなくとも、親の意見よりも子どもの意見を優先するし、成績のことについても親があたふたせずにどっしりと構えている。

こういう親御さんの元で育つ子どもは、受験を通して必ず成長する。受験を自分自身のこととしっかり捉え、受験をきっかけにたくさんのことを考えるようになるし、親にうるさく言われなくても勉強する。受験に成功する典型的なご家庭だといえるだろう。

2つ目:親が子どもの成績に一喜一憂しない家庭ほど、受験に成功している。

受験に成功するご家庭ほど、子どもの学校成績や入試模試の成績について、親は驚くほど冷静に受け止めている。もちろん無関心というわけではなく、それなりに関心を持ってはいるが、子どもの成績が上がったからと大げさに喜んでみたり、下がったからと目くじらを立てて怒り散らしたりしない。一喜一憂しない代わりに、よく子どもと話をしている親御さんが多い。成績がなぜ上がったのか、または下がったのか。次はどうしていこうと考えているか。褒めるでも叱るでもなく命令するでもなく、たくさん話をする。

去年の卒塾生の保護者の方でいいなと思ったのが、子どもの成績について、「母さんは何も言わないから、この成績で自分が思ったこと、感じたことをしっかりと塾の先生に話してきなさい。帰ってきたら、何を話したか、先生は何ておっしゃったのか母さんに教えて。」とアドバイスをしていらしたこと。この子は、自分の成績が良いときでも悪いときでも、現状を分析し、その次にどういうアクションを起こすかについて話すことができていた。この子が志望校に無事合格し、受験を通して大きく成長したことは言うまでもない。

3つ目:受験生に対して特別扱いをしない家庭ほど、受験に成功している。

受験に成功する親ほど、例え受験生といえども家の手伝いや部屋の掃除など、勉強以外のことについてもしっかりとさせている。勉強のことについて口うるさくはいわないが、家庭の手伝いをしなかったり生活が乱れていると口うるさく子どもを叱る。

親の役割をしっかりと理解されているということだ。親は先生ではない。学校の成績について口出ししたり、受験について色々と思案するよりも、家庭でしっかりとしつけをすることが親の一番の役割であることを、ちゃんと理解し実行している。

まとめ

前のエントリーでも書いたけれど、親の役割をしっかりと認識し、甘やかさず、干渉しすぎず、放置しすぎず、子どもと適度な距離感を保っていることが、高校受験で成功するご家庭の最大の特徴だろう。義務教育の終わりに経験する高校受験は、いわば自立への第一歩。そのことをしっかりと認識し、受験を通して子どもの自立をサポートすることが何よりも大切なのだと思う。