ブラジルW杯もベスト4が出揃った。日本戦はハラハラしながら見なきゃいけないから胃が痛くてしょうがなかったけれど、日本がいない決勝トーナメントは、楽な気持ちで純粋にサッカーが楽しめていい。といっても、こんな時期しかサッカーを見ないにわかファンの私ですが、みなさんこんにちは。
今回のW杯を見ていて、にわかファンなりに「やっぱり奇跡って滅多に起こらないから奇跡なんだわな」と感じた。実は、毎年受験生にも同じようなことを言っている。「奇跡は滅多に起こらないから奇跡なんであって、奇跡を狙うよりも、余裕で合格できるだけの実力をつけましょう」と。大きな夢を語る受験生には、「志望校に対して否定はしないが、まずは偏差値を上げてから言いなさい」と説教をして現実を突き付けている。
なんかこれって今回のW杯とFIFAランクと似ているなって思ったので、今日はそのことについて書いてみたい。
まずはW杯の順位とFIFAランクをおさらい
日本がいたグループCの順位は、
1位:コロンビア(FIFAランク8位)
2位:ギリシャ(FIFAランク12位)
3位:コートジボワール(FIFAランク23位)
4位:日本(FIFAランク46位)
という、順当にFIFAランキング通りの結果となった。
グループC以外はどうだったかというと、
グループA
1位:ブラジル(FIFAランク3位)
2位:メキシコ(FIFAランク20位)
3位:クロアチア(FIFAランク18位)
4位:カメルーン(FIFAランク56位)
メキシコとクロアチアがFIFAランキング通りとはいかなかったけれど、それでもまあ20位と18位なんで、実力は拮抗していたと思われる。
グループB
1位:オランダ(FIFAランク15位)
2位:チリ(FIFAランク14位)
3位:スペイン(FIFAランク1位)
4位:オーストラリア(FIFAランク62位)
FIFAランク1位のスペインがグループリーグ敗退というまさかの結果だったグループB。受験でいうと、入試模試でいつもA判定をバンバン取っているヤツが、入試当日に緊張からミスを連発し、まさかの不合格になるというパターンと同じ。あ、これ別に珍しいことではありません。模試でいくら判定が良くても、余裕かましているとスペインみたいなことになるので、受験生はこれを教訓にしておくといい。スペインの他は、FIFAランク通りですね。
グループD
1位:コスタリカ(FIFAランク28位)
2位:ウルグアイ(FIFAランク7位)
3位:イタリア(FIFAランク9位)
4位:イングランド(FIFAランク10位)
グループDは、W杯優勝経験国が3カ国も揃った“死のグループ”と言われていた中で、唯一優勝経験のないコスタリカがグループリーグ1位で突破したことが話題となった。ある意味奇跡的なことかもしれないが、それでもコスタリカのFIFAランクは28位。日本の43位とは比べ物にならない。
なんかW杯サッカー解説記事みたいになって来たのでこの辺でやめておく(←あと、ちょっと面倒臭くなってきたから)が、要は結局FIFAランクからそんなに外れていない結果になったってこと。日本を含めたアジア勢が惨敗に終わったけれど、日本(FIFAランク43位)、韓国(FIFAランク57位)、イラン(FIFAランク43位)、オーストラリア(FIFAランク63位)と、すべてFIFAランク40位以下なんだから、順当な結果です。やっぱり、世界の強豪チームと互角に戦えて、グループリーグ突破するためには、最低でもFIFAランキング20位代に入っておかなきゃダメってこと。
まずは偏差値(FIFAランク)を上げることから
今回のW杯前に、本田選手が「優勝目指しています」みたいなことを言って話題になった。別に優勝目指すことは悪くないけれど、これって受験に例えたら、「受験するからには東大目指しているんで」と言うのとある意味同じ。偏差値70くらいの人が言うのだったら分かるけれど、偏差値30くらいの人がそれを言ったらギャグにしか聞こえない。
仮に本気で言っているんだったら、じゃあなぜもっとレベルの高い勉強をしてこなかったんだということになる。日本のサッカーの偏差値がどれくらいか分からないけれど、仮に偏差値50程度だとすると、偏差値70くらいの強豪国がウヨウヨといる決勝トーナメントでまともに戦うためには、まずはきちんと勉強をして、少なくとも偏差値60以上(FIFAランキングで言うと20位以内?)まで自分のレベルを押し上げる必要がある。
W杯にはFIFAランキングは関係ないという意見もあるのは知っている。受験の世界でも、同じように偏差値は関係ないって言う人がいる。偏差値がいくらであっても、本番でどれだけ点数が取れたかが勝負だと。ギャルが偏差値30からでも慶應に受かりましたとか、偏差値40から東大合格とかという本がしょっちゅう発売されるけれど、そんなこと滅多に起こらないから本になるワケで、偏差値通りの高校や大学に合格していく受験生が大半を占めるのが現状だ。
偏差値(FIFAランク)を上げるためには
偏差値を押し上げるために必要なのは、もちろん受験で言うと日々の勉強、サッカーでいうと日々の練習が大前提なんだけれど、それ以上に大事なのはレベルの高い環境で揉まれるということ。進学校が受験に強いのもこれと同じ原理。進学校はカリキュラムが違うとか、先生の教え方が上手いから実績を上げているんじゃなくて、レベルや目的意識の高い仲間に囲まれて日々生活していることで、生徒一人ひとりが鍛えられている。だから、自然と進学実績もついてくるというワケだ。ちなみにうちの塾が受験に強いのも、中学校で上位を占めているのも、勉強して当たり前、定期テスト9割とって当たり前という環境で毎日勉強しているからに他ならない。
調べてみたらセルジオ越後氏も同じようなことを言っていた。
ブラジルW杯敗退にセルジオ越後氏「この敗戦はチャンス。日本代表とは何かを今一度考えよ
本当に優勝を目標にするのなら、そこまでにどれだけの距離があるのか、真摯に見つめ、分析しなければならない。コパ・アメリカに招待されたら、参加しなければならない。興行よりも強化を第一に考えなければならない。
これを受験に言い換えると、まず自分の偏差値を知り、志望校までどれだけの距離があるのかを分析する。模試があれば受けなければいけないし、レベルの高い環境に自ら飛び込んで揉まれなければいけない。どうしたら偏差値を上げられるかを、第一に考えなければいけない。
ということになるかな。