トップ校を目指す高校受験生が、この夏やるべき2つのこと

7月に入りました。早いもので、2024年も下半期に突入しましたね。

さて、「夏は受験の天王山」という言葉があります。夏の過ごし方で受験の合否または実際の受験校が変わってくるということです。

受験の天王山と言われるこの夏に、高校受験生がこの夏やるべきことは大きく分けて次の2つです。

  • 3年生の内容の先取り
  • 各科目の基礎作り

3年生の内容の先取り

学校の進度に合わせていては入試に間に合わない

高校受験が大学受験と大きく異なる点は、天王山であるはずの夏が始まる時点において、各科目の入試で出題される全範囲を習い終えていないという点です。

7月時点の学校の進度は、各科目とも3年生教科書の約4分の1程度でしょう。もっと遅い学校だと、まだ社会は公民の教科書に突入していない学校もあります。

中2までのように学校の進度に合わせてこのまま勉強を進めていくと、中3内容の学習を終えるのが早くても12月中旬あたり、遅い学校では1月や2月になってしまいます。

英数の半分以上の出題に3年生内容が絡む

高校入試の場合、中3内容まで学習し終えていないと、特に英語や数学は過去問のほとんどが解けません。

英語の配点の40%以上を占める読解問題には3年生で習う「分詞」「関係代名詞」「間接疑問文」「仮定法」が頻繁に登場します。数学も、最も得点差がつきやすい「2次関数」「平面図形」「空間図形」はすべて3年生で学習する内容が絡んできます。

理科社会にしても、3分の1は3年生で習う内容が出題されるわけです。

学校の進度に合わせていたら、過去問や入試演習を十分にする時間がほとんどとれないまま入試に突入することになります。

特にトップ校のように入試で8割以上得点することが必要な学校においては、過去問演習や実戦形式の演習に2〜3ヶ月はかかります。つまり、どんなに遅くても12月には過去問演習を始めないと間に合いません。

夏までに進めておくべき範囲

これらの理由から高校受験生が夏にやるべき最優先事項は、3年生の内容をできる限り進めておくことです。

きちんとした進学塾に通っている人であれば、ビッシリと組まれている夏期講習で中3内容を習うことになるので大丈夫かと思います。

しかし、塾に通わずに勉強している人や、補習塾や単科の個別塾に通っている人は注意が必要です。夏の間だけ進学塾の夏期講習に通うか、またはスタディサプリ等の映像授業を利用して、夏の中3内容の予習を進めていきましょう。

トップ校を目指す人であれば、夏の間に目安として、理科は中3内容で習う物理化学生物地学の3単元、社会は経済分野まで、英語は全文法事項、数学は相似・円周角まで進めておくことをオススメします。

英語だけ「全範囲」と書きましたが、英語は全範囲の文法事項を習得し終えてからが勝負の科目です。夏以降に入試英語の要となる長文読解に取り掛かれるように、夏の間は英語の文法学習に力を入れましょう。

各科目の基礎作り

受験勉強の土台をつくる

中3内容の予習の次にやるべきことは、各教科の基礎固めです。

英語なら中1中2の英文法や単語、数学なら各分野の定期テストレベルの問題の解法、国語なら基本的な読解法、理科社会なら中1中2の範囲の基礎の復習です。

基礎を固めても偏差値は上がらない

注意して欲しいことは、基礎を固めたからといって入試問題が解けるようになるわけではありません。模試の偏差値だって、基礎を固めたくらいではほとんど上がりません。

では、どうしたら入試問題が解けるようになり、模試の偏差値が上がるのでしょうか。

それは、実際に過去問を解いたり、過去問にレベルも形式も類似する問題をたくさん解く実践演習期のときです。この実践演習の時期に、実力も偏差値も、入試への得点力もぐんと伸びていきます。

逆に言うと、入試問題と同程度の実践演習を繰り返さない限り、入試への得点力も身に付かないし偏差値も上がりません。

「じゃあ今すぐに実践演習に取り掛かろう」と意気込む人がいるかもしれませんが、基礎も何もできていないうちから入試問題を解くのは無茶です。

だから、まずは基礎づくりから始めるのです。偏差値が一番伸びる「実践演習期」に十分時間をかけられるように、まずは基礎の土台をつくるのです。

夏の間はまだ難しいことをする必要はないので、学校の教科書や定期テストレベル、基礎的な問題集レベルをスラスラと解けるレベルにまで仕上げてください。

まとめ

繰り返しますが、夏の間は、中3内容の予習と、あきれるくらい基礎の復習に取り組みましょう。

これをサボると、最も力を伸ばさなければいけない秋や冬の実践演習期に、実践問題に取り組むことができず、教科書の基礎をやり直さなければいけないことになります。

基礎をやっただけでは、偏差値は伸びません。その伸びない勉強を直前にやることになると、当然受験までに間に合いません。

ただ、一つ注意してほしいことがあります。

夏休みの前って、なぜか全能感に溢れるんですよね。「40日間でアレもコレもやってやる、オレはこの夏で変わるぞ!」みたいな。その意気込みはいいんですが、40日間って長いようで、実際はそんなに長くない。しかもまだまだ学力も鍛えられていない時期です。できることは限られます。

アレもコレもやるぞと欲張った計画を立てるのではなく、最低限復習に取り組む単元を考え、その最低限を高いレベルで取り組むことを心がけてください。

では皆さん、充実した夏にしましょう。