小田原・厚木・平塚江南志願者へ贈る特色検査の対策法「基礎編」

2014年5月12日

小田原・厚木・平塚江南志願者へ贈る特色検査の対策法「心構え編」では、特色検査対策の仕組みについて説明した。特色検査といっても3つのタイプが存在すること、特色検査は合否に大きく影響することが分かったところで、今回からその対策法について書いてみようと思う。
小田原高校

学力検査発展型の特色検査で重要なこと

「心構え編」でも述べた通り、小田原高校・厚木高校・平塚江南高校の特色検査は「学力検査発展型」に分類される。学力検査発展型とは、従来の英数国理社という5科の基本形から大きくそれることなく、それらに幅や奥行きを持たせたような発展問題を出す特色検査の種類のことだ。

このタイプの特色検査で重要なことは、5科の基本形から大きくそれることはないということ。横浜緑ヶ丘の特色検査のように創意工夫が必要な作文やプレゼンテーションの力が求められることもなければ、湘南高校の特色検査のように高度な論理力が求められることも少ない。あくまでも、5科目の知識・基礎力というベースの上に成り立っているのが小田原・厚木・平塚江南の特色検査の大きな特徴だ。つまり、これら3校の特色検査を解くためには、5科目の知識・基礎力をしっかりと備えておくことがまずなによりも大切になってくる。

5科目の基礎を早いうちに築こう

まずは5科目の基礎をいち早く築いていこう。具体的には、各校共通の学力検査を最低でも70点以上程度取れるくらいの基礎力を早いうちに完成させること。学力検査で70点以上取れないということは、その科目の基礎力が十分に備わっていないということになる。その状態で、基礎力の上に成り立つ特色検査の対策をしてもほとんど意味がない。意味がないというより、ほとんど解けないだろう。

つまり、学力検査で70点も取れないうちは、特色検査がどうのこうのというお話にもならないということだ。

基礎力を完成させる時期は早ければ早い方が良いが、急ぎすぎて基礎が疎かになってしまっても意味がない。目安としては、遅くとも11月くらいまでには最低70点以上取れる力をつけておきたい。中3内容が比較的短期間で完成させることができる英語や国語についてはもっと早くてもいいだろう。夏の終わり〜初秋くらいまでに中3内容をすべて先行して履修し、そこから問題演習を繰り返して基礎力を完成させることができれば、英語・国語は早ければ9月位から学力検査対策と平行して特色検査対策を始めることができる。たった2ヶ月でも、されど2ヶ月。早くから始められるということは、対策期間も十分取ることができ、それだけでかなりアドバンテージになる。

記述問題を制する者は特色検査を制する

特色検査の特徴の1つに、ほとんどの問題が記述形式で出題されるということがある。例えば2014年度の小田原高校の特色検査では、全部で19問ある設問中、選択問題がたった4問。平塚江南高校の場合は、20問の設問中に選択問題が8問、厚木高校の場合は12問中5問と、3校とも半数以上が記述形式で答える問題だ。つまり、特色検査を制する鍵は記述問題なのだ。

記述問題は選択問題と違い、曖昧な知識や計算力等では完璧に正解することができない。また、記述形式の問題にどれだけ接してきたかという経験値がモノを言う。先ほど基礎力をいち早く完成させようということを書いたが、基礎力を完成させるときに記述形式の問題を多く取り入れていこう。

英語なら英作文や長文の要約、数学ならグラフの作図・計算問題や途中式を記述する問題、国語なら現代文や古文の要約や条件作文などなど。普段の学習の中にこれらをキチンと組み込んでいくことが、十分特色検査対策になる。

「基礎編」のまとめ

今回書いた「基礎編」のまとめ。

  • ・学力検査発展型の特色検査は、5科の基礎力がないと解けない。
  • ・まずは学力検査で最低70点は取れる基礎力を11月くらいを目処に完成させよう。
  • ・記述問題を普段から多く取り入れること。

これで、特色検査対策に入る「下地作り」が完成だ。下地を作ったあとに、本格的に特色検査対策を実践していこう。
次の回「実践編」で、具体的な実践方法を説明するので、それまで頑張って下地作りに励んでください。