2年生。君はこの春、どう過ごすつもりか。

2024年3月1日

1年後に受験を控えた中2生。そんな中2生の多くが、「中3生になってから頑張ろう」「受験生になったら復習しよう」という考えを持っているようですが、これだけは言っておきます。

受験生になった途端、今できないことがいきなり自動的にできるようになるはずもないし、いきなり時間があり余るようになるわけでもありません。

今できないことは受験生になってもできないままだし、科目によっては放置した分さらに傷が深くなり、今よりできなくなる可能性だってあります。

年度末にあたる2月〜3月。定期テストも終わり、学校の授業も消化試合のようなものになり、部活動もそれほど忙しくはない、1年のうちで最もゆったりと時間の流れる時期です。

「中3生になってから」ではなく、今この時期でもやれるべきことはたくさんあります。中3生ではなく、今この時期だからこそ、やれるべきことはたくさんあります。

今回は、トップ校を目指す中2生が、この時期から最低限やるべきことを3つほど書いてみたいと思います。

理社の超基本事項を習得しておく

理社は暗記科目だから中3からでも間に合う」とよく言われますが、これは半分本当で半分嘘です。

まず、理社は暗記科目だと思っていたら、きっと来年の受験で大失敗します。逆に、暗記科目ではないからと基本の暗記を疎かにしていても、きっと来年の受験で大失敗します。

また、中3からでも間に合うと言いますが、中1中2の内容が酷すぎる人は1年間で間に合いません。冒頭にも書きましたが、3年生でいきなり何でもできるようになるということはありません。中3でも3年生の勉強は進みます。中1中2の復習ばかりしているわけにはいきません。

これらをふまえ、中2の今の時期にやるべきことは、「理社の超基本事項の習得」です。トップ校を目指す受験生が、受験直前期に教科書レベルの超基本をやっている暇はないし、もし本当にそれをやっていたのなら、きっとその人は理社で点数はとれません。

単純に暗記した知識だけでは通用しないのが、最近の入試の理社のトレンドです。だからと言って、知識がないと問題は解けません。受験勉強では、暗記した基本知識をどう活用していくかの勉強に費やすことになります。だから中2の今の時期や中3の早い段階で、理社の基本的な知識の習得をやっておくべきなのです。

理社は暗記科目ではないからこそ、早期に暗記するべきことを暗記しておきましょう。

英文法英単語の徹底

英語を少しでも苦手に感じている人は、英文法と英単語の両方の強化に今すぐとりかかってください。今すぐです。

英語は、5教科の中で一番「積み重ね」の性質の強い教科です。1年生のことが分かっていないと2年生の内容は理解できないし、2年生の内容が分かっていないと3年生ではとうとう崩壊してしまいます。

一度崩壊してしまうと、修復するのにかなりの時間を要するのもまた英語です。積み重ねの科目である英語こそ、最も放置してはいけない科目なのです。

英語が苦手な人は、まずは英文法を一から体系的に理解し直しましょう。学校の教科書や準拠教材的なものではなく、英文法のみを体系的にマスターできる問題集に取り組みます。学校の教科書は、体系的に英文法を学ぶには少々非効率です。

塾に通っている人は塾で使っている英語の文法テキストを中1のものから復習、塾に通っていない人や、塾で体系的な文法テキストを使っていない人(準拠のものしかない人)は、中2英語をひとつひとつわかりやすく。がオススメです。

それと同時に、英単語をコツコツと覚えていきましょう。文法が分かっても語彙力がないと英語はできるようになりません。

英語が苦手な人は、何よりも優先して英語の復習に力を入れてください。何度も言いますが今すぐに。中3でいよいよ英語が崩壊し、手につかなくなってしまう前に。

読書をする

ゆとりのある時期こそ、本をたくさん読んでください。

入試でもなんでもそうですが、試験というのは問題が全て紙の上に文章で書かれています。英語のリスニング以外、誰かが問題を読み聞かせしてくれることも、映像で説明してくれることもありません。どのような試験でも、何の科目でも、まずは「文章を読み取る」という行為から、試験は始まります。

また、全ての試験には制限時間が設けられています。文章を読み取るスピードが非常に遅いと、与えられた制限時間の多くを「問題を読み取る」ための時間に割いてしまい、「問題を考える、解く」ために割ける時間が少なくなってしまいます。そうなると、最後まで問題を解き終わることができず、大きな失点に繋がります。

このように、文章を読み解くことは、全ての科目で必要不可欠な行為です。文章読解が不得意な生徒や、活字を読みなれていない生徒は、残念ながら全ての科目で不利になります。

「本を読むだけで本当に文章を読む力は向上するのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

向上します。間違いなく。

今まで全くランニングなどしてこなかった人でも、走る練習を継続すると、まず走るということへの抵抗が少なくなり、だんだん長い距離を走れるようになるのと同じです。継続して本を読むことで、まず「読む」ということへの抵抗が少なくなり、その分だんだんと文章を読むスピードも読み取る力も身に付いていきます。ただし、「文章を読む力が向上する=国語の文章読解が出来るようになる」は必ずしもイコールにはなりません。

受験直前期は、悠長に本など読んでいる暇はありません。比較的時間にゆとりのある今の間に、できるだけ多くの本を読んでおきましょう。

騙されたと思って、1日30分の読書を3ヶ月間毎日継続してみてください。きっと活字に対する抵抗感が変わるはずです。

まとめ

1年という時間はまさに「光陰矢の如し」。

本当にビックリするほどあっという間に過ぎていきます。

受験はよくゲームに例えられます。このゲームは、ゴールの時期は明確に決められますが、スタートの時期は決まっていません。「3年生にならないと受験勉強を始めていけない」というルールはどこにもなく、まさにフライングし放題のゲームです。

だとするなら、1日でも早く、受験勉強をスタートしましょう。1日でも早く、受験生になりましょう。

受験生とは、1日に何時間も毎日勉強する人を指すのではありません。1年後の受験を自分のことと受け止め、きちんとそれに向けて心の準備・頭の準備を着実に進めていっている人のことを指すのです。

君は、いつ受験生になりますか。いつ、受験と正面から向き合い始めますか。