新中3生の入試模試の直しノートが想像以上のクオリティだった件

2015年3月28日

1回目の入試模試で思わず閉口してしまう程の解答用紙を提出してきた新中3生ですが、入試模試の後、ノートに模試直しをしてくるように指示を出しました。

入試模試というのは、終わってからが最も大切です。受けっぱなしで得点や志望校判定だけで一喜一憂するだけでは、模試を受けている価値がありません。受験生である中3の塾生には模試後のやり直しの重要性を説明し、模試が終わるたびに間違ったところのやり直しをしてくるように指示しています。模試のやり直しを手を抜かずにしっかりとやってくる子は、受験期の後半にきちんと伸びていきます。逆に、模試のやり直しを適当にしてきた子は、受験期の後半でも伸びていきません。

模試直しノートをつくる目的

模試直しノートを作成する意義について話す前に、まずはノートをとる目的について確認します。ノートをとる目的は、大きく分けて次の3つになるでしょう。

  • 情報・知識を保存する。
  • 思考を整理する。
  • 練習する。
  • 最初の「情報・知識を保存する」というのは、学校などでの授業ノートの役割です。授業で習った情報や知識をノートに書き留めておけば、後でノートを見たときに授業内容を再現することができ、忘れかけていた知識を復習できます。つまり、「情報・知識を保存する」目的のノートは、復習ありきのノートだということです。

    2番目の「思考を整理する」について。ノートに書くということは、頭の中にあることを文字にして書き起しているということです。具体的に文字にして書き起すことで、ぼんやりとしていたことが明確になり、思考の整理につながります。つまり、この場合のノートは、復習ありきのノートではなく、思考を整理するためのツールだということです。

    3番目の「練習する」について。たとえば小学生のときはひらがなや漢字の練習、中学生であれば英単語の練習など、ノートに何度も繰り返し書いて練習したと思います。計算練習なんかもこれにあてはまります。何かを覚えるとき、何かを計算するときの手助けにするために、ノートに書くのです。

    模試直しノートは、ノートをとる目的の2番目「思考を整理する」にあてはまります。間違った問題を再びノートにやり直し、答えにたどり着くためのプロセスや考え方を書くことで、考え方や解き方を自分の中で明確にするのが一番の目的です。よって、授業のノートのように、綺麗にノートをまとめる必要もないし、書くことで思考がスッキリすれば後は焼いてしまっても良いのです。

    予想外によくできていた新中3生の模試直しノート

    模試をノートにやり直す目的がしっかりと分かっているかどうか。また、書くことで力が付くようなノートになっているかどうか。この2つの視点で、新中3生の模試直しノートを見たところ、予想外によく出来ている子が多くてちょっとビックリしました(もちろん、全く力の付かない適当な直しノートを書いている子も中にはいます)。模試直しの説明をするときに、見本として厚木高校に合格した子の直しノートをコピーして渡しておいたのが良かったのかもしれません。勉強の上達の近道は、勉強のできる人の真似をすることですからね。

    ここで、新中3生の中で3人のノートを紹介してみたいと思います。

    note1たとえばこの子のノート。きちんと自分の言葉で答えにたどり着くまでのプロセスを書き、正解するために足りなかった知識もきちんと調べてまとめられています。「プロセスを自分の言葉で書けるまで間違えた問題を考えること」、「足りなかった知識を調べること」の両方がきちんとできている、まさにデキル子のやり直しノートです。字は汚いのですが、復習用のノートではないのでかまいません。こういうやり直しの仕方をする子は、必ず伸びていきます。

    note2次はこの子のノート。中2の最後の方で、生活態度や勉強のやる気について三者面談で厳しく指導された子なのですが、模試直しノートを見ると頑張ろうとしている感じが見受けられます。上記のノートよりも完成度は低いですが、英語の選択肢の問題で、なぜ他の選択肢が間違いなのかについてきちんと明確に整理されています。ここに、足りなかった知識を調べることを付け加えると、さらに伸びていくと思います。

    note3最後はこの子のノート。無駄がなく見やすいですね。さすが女子です。ただ、見やすいか見やすくないかは、あまり重要ではありませんが。この子は2番目の子のノートのように、他の選択肢の間違いをきちんと正すことができています。また、ザックリですが足りなかった知識も調べてある。ここに、答えにたどり着くまでのプロセスをもう少し自分の言葉で書くことができれば、さらに思考が整理されるでしょう。

    紹介しておきながら色々と注文を付けましたが、初めての模試直しということと新中3生の今の実力を鑑みれば、想像以上のクオリティでした。これから模試を重ねていくごとに、さらに精度が増していくことでしょう。新中3生は実力はイマイチですが、その代わり泣けてくる程の素直な子が多いのも特徴です。言われた通り、指示通り素直にできることは、ある意味強力な武器になります。その素直さがあれば、何とかなります。