これまではほとんどネット公開されていなかった特色検査ですが、今年はカナロコが特色検査実施11校の問題と模範解答を掲載しています。昨年度まではこのように一斉公開されていなかったため、いろんな手といろんな筋を使って全ての特色検査を必死で集めていたのですが、今年からはその手間が省けるので助かります。新中3生はもちろん、新中2生や新中1生もすぐにダウンロードしておきましょう。ダウンロードしたものをストックしておくと、受験の時に過去問集を購入しなくてもすみます。
このような学校が独自に作成した問題の場合、著作権等の関係で、問題を公開する期間が限られている場合があります。今回はどうかわかりませんが、「あとでやろう」と思って後回しにしていると、いざ過去問が必要になったときにはすでにこの記事が削除されていたという事態になる恐れがあるので注意しましょう。
保護者の方、一度解いてみたらいかがですか?
うちの塾に出入りしている業者さんの中で、小さいお子様をお持ちの女性の方がいらっしゃるのですが、今年度の入試が終わるとすぐに小田原高校と湘南高校の特色検査を解き比べてみたそうです。塾にいらした時に、「いやぁ、湘南高校の特色検査、とても面白かったです。小田原高校のも解いたのですが、湘南の問題を解いてみると、ウチの子を湘南高校に行かせたくなりました。」とおっしゃっていました。
特色検査を解いてみると、それぞれの高校がどんな学力観を重視しているか、どんな生徒像を欲しているかが手に取るように分かります。それだけでなく、問われている学力観が昔と今とで大きく異なることも実感できるでしょう。3/15の説明会の時にもお話しましたが、いつまでも昔の時代の入試や価値観を引き摺っていてはいけません。特にここ数年で入試や学力観は大きく変化しています。どの高校のものでも良いので、一度解いてみてください。「私、英語や数学なんか、とっくの昔に忘れてしまいました。」という親御さんでも大丈夫です。昔と今とで入試問題の質が異なることを、実感していただけるだけでOKです。良い頭の体操にもなると思いますよ。
特色検査対策はどこまで必要か
特色検査についてよく質問されることが、「特色検査対策はいつから必要で、何をしたらいいか」ということです。特に大手塾さんでは、早いところで中2生くらいから特色検査対策講座を有料オプションで開催されているようですね。そのような情報を耳にすると、無駄に焦ってしまい「中2から何か特別な講座を取って準備しなければいけないのか」という不安に駆られるようです。
特色検査対策に対しての私の意見を率直に述べます。これまでもブログ内で書いてきましたが、特色検査というのは基本的に5教科(湘南では9教科)の延長線上にあるものです。小田原高校・湘南高校・厚木高校に訪問させていただいた際、いずれの学校でも校長先生や教務担当の先生方が、「特色検査は特別な勉強をする必要はない。通常の5科目をしっかりと勉強することが特色検査にもつながる。」と口を揃えておっしゃっています。
特色検査の問題を解いてみれば分かると思いますが、特色検査は5教科の基本的な学力を基盤に作られていて、それ無しでは解けません。5教科の基礎的な学力がまだまだな状態で、特色検査対策を躍起になってやることは非常にナンセンスです。逆に言うと、5教科の基本的な学力がしっかりと身についていれば、特色検査に対する特別な勉強をしていなくとも、ある程度は解けてしまいます。“特色検査”という何とも特別な感じのする名前に加え、いまいち正体がよく分からない新しい形式の試験ということから、多くの人が「何か特別な勉強をしなくてはいけない」、あるいは「特色検査を解くための、何か特別な勉強があるハズだ」と勘違いするのですが、全く「特別な勉強」なんて存在しないのです。
早くから特色検査対策講座をお金をかけて受講するよりも、普段から特色検査にも対応できるように5教科の勉強をする方が大切です。特色検査対策講座は、5教科の基礎がある程度しっかりと固まる時期である中3の11月〜1月くらいに、特色検査特有の出題形式や試験との向き合い方に慣れるという意味で、2〜3回受講するので十分です。実際、うちの卒塾生たちは、皆この方法で特色検査でしっかりと点数をとってきています。
特色検査に対して特別な準備がしたい小学生〜中2生
それでも、「とりあえず特色検査に対して何か特別な準備がしたい」という小学生〜中2生がいれば、公立中高一貫校の適性検査を解いてみることをおススメします。適性検査と特色検査は、頭の使い方が似ている部分があります(特色検査の方が、適性検査よりも学力検査よりですが)。
うちの塾生の中でも、成績優秀で塾の勉強にゆとりがある小学生に、適性検査対策用のテキストを与えて解かせてみたり、算数や数学の10問テストで類似した問題を扱ったりしています。中高一貫校の適性検査であれば、5科目の基礎が固まらないうちから特色検査のような問題や頭の使い方に慣れることができます。
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適性検査対策用市販問題集⇒公立中高一貫校をめざす適性検査対策問題集