合格の喜びに浸っている間もなく、すでに次の受験生になる中2生の戦いが始まっています。のんびりしたいのは山々ですが、のんびりしている余裕も時間もありません。入試とは、入試本番でどれだけの点数が取れるかを競っているのではなく、入試本番までにどれだけの準備をしてきたかを競っているテストです。であれば、できるだけ早く準備した者の方が有利なのは明確です。
ということで、先週の土曜日の授業で、中2生に早速今年の入試問題の理科の中1中2内容を解いてもらいました。今年の理科の入試問題の100点満点中49点分が中2の段階で解ける問題です。現段階では知識も学力も意識も低いのは十分承知していますが、それでも49点中の約6割にあたる最低30点分は取っていないと、現段階で合格とは言えません。そういうことを彼らに伝えてから、35分間で解いてもらいました。
彼らが解いている様子を一人ひとりじーっと観察していたのですが、これがまぁヒドいことヒドいこと。つい最近まで中3生たちの入試問題の解き方を見ていたので、どうしても比較してしまいます。知識や学力が低いのはまだまだしょうがないので大目に見ますが、一番の問題は、試験の解き方です。誰一人として、“入試で得点できる解き方”や、“ケアレスミスを防ぐ解き方”をしていない。定期テストで満点をとってくる中2生がなぜ少ないのか、彼らの試験の解き方を見て、その原因がハッキリと分かりました。ちなみに、現段階で合格点である49点中30点を超えているのは、13人中たった4人という無惨な結果でした。
彼らの一番の問題点。それは、
解き終わった後の問題用紙がものすごくキレイなこと。
「え、何?潔癖性なの?」「問題用紙を家宝として取っておきたいの?」と疑うくらいの美しさです。中2生は実は美意識が高い人の集まりなのでしょうか。
以前、「高得点をとる子の問題用紙ほど汚く、点数が悪い子の問題用紙ほどきれいな件」というエントリーを書きましたが、中2生の問題用紙はキレイすぎます。途中の計算でさえ、隅っこの方にまるで誰かに遠慮しているかのように、薄く小さい文字でちょこちょこと書いてあるだけ。だから計算間違いをしてしまうんです。
また、問題文にも全く線一本も引かれていないし、図にも書き込み一つない。選択肢を選ぶ問題だって、あてはまらない番号を斜め線を引いて消去している痕跡もないし、あてはまる番号に丸すらつけていない。何でしょう。問題用紙をキレイに残す宗教にでも入っているのでしょうか。
これでは、今の神奈川の入試問題で確実に得点できません。以前書いたエントリーの中にも、
うちの塾生を見ていても、入試模試や定期テストで高得点を取っている子の問題用紙は、いつもメモや図、線やマークでいっぱいになっている。もし、その子たちに「問題用紙に何も書いてはいけない」という指示を与えてテストをさせてみたとしたら、きっと普段と同じような高得点は取れないハズだ。
と書きましたが、こんな解き方で高得点が取れる方が不思議なくらいです。
こんな悲惨な状況だったので、本当は問題の解説をたっぷりとやりたかったのですが、急遽「問題の正しい解き方講座」に変更しました。問題文のどんなところに線を引くと効果的なのか、そもそもなぜ線を引くと問題が解きやすくなるのか。どんな数字にチェックを入れるのか。選択肢の問題では、どういう視点で選択肢を見ていくのか、どういう手順で選択肢を絞っていくのかなどなど。
土曜日の授業で全部は伝えきれてはいませんが、次の受験生となる現中2生は、このような基礎中の基礎から一つ一つ教えていかないといけないようです。道のりは長いですが、こういう訓練を重ねていくのと重ねていかないのでは、同じ能力でも試験の得点に大きな差が生じていきます。だから、やるしかありません。
ちなみに、神奈川県の5教科の中で一番難しい理科については、今年も早めに入試対策のスタートを切ります。まずは3月中に中2の化学と物理分野を完璧にします。「まだ2年生だから・・・」とか関係ないです。入試はフライングし放題の競争。どれだけ早くスタートを切っても、反則にはなりません。
今年の県全体の理科の平均点も、おそらく30点代になるでしょう。トップ校受験生でも、理科で50点を切っているとかザラにいるそうです。だからこそ、理科で点数が取れると圧倒的に有利になります。正しく勉強すれば、トップ校受験生でなくても50点以上なんて普通にとれます。
さて、「一を聞いて十を知る」7期生とうってかわって、「一を聞いて一を知る。そして3日後、一を忘れる」8期生たち。それでも1年後、きちんと入試問題が解けるようになるように、これからガンガン鍛えていきます。6年連続第一志望全員合格を目指して。