先日の日曜日のカンヅメ(注:定期テスト勉強会)で生徒の様子を観察していると、中1生の勉強の仕方が突っ込みどころ満載だった。
・社会の勉強を始めたかと思えば、教科書を眺めながら太線で書かれているところに蛍光マーカーでラインを引き(←すでに太字で目立っているのに、なぜその上にマーカーが必要??)それを一通りしたと思えば満足そうに教科書をそっと閉じている(←えっ!?それで本当に覚えたの?)。
・数学の教科書に書かれていることを、ほぼそのままゴージャスな色ペン使いでノートに写しす(←美術の時間じゃないんだから。その前に、数学にノートまとめって必要!?)。
・問題集を解いていると思えば、教科書を見ながら問題を解いて、そのまま丸つけをして、全部正解でなぜか嬉しそうにしている。(←教科書を見て解いているのだから、当然全部正解して当然なんだがなぜにそんなに嬉しそう!?)。
・小学生のように間違った漢字をノートに50回くらいひたすら練習して満足している(←小学生の勉強から全く抜けきれていない)。
他にも色々あるが、まぁ勉強の仕方がヘタくそ過ぎて逆に笑えてくる。
中1生にとって、今回が初めての定期テストだ。小学校で最近流行の『自主学習』の宿題を6年間こなしていたとは言え、当然だが成果の出る勉強の仕方の「べ」の字も分かっていない(小学校の自主学習は、ある意味「自己満足学習」であり、成果の出る学習ではない)。ただ、彼らは生まれてから一度も勉強の仕方を教わったこともないのだから無理もない。「勉強しなさい」とは言われてきても、どのように勉強すれば良いかをきちんと教えてもらったことがないのが中学1年生だ。
そんな彼らに少しずつではあるが正しい勉強の仕方を教えている。昨日の授業で話したのは、「インプットとアウトプット」についてだ。(参照:勉強しているのに成績が上がらない人の5つの「していないこと」)
勉強には「インプット」と「アウトプット」の2種類があるということ。2つのうちのどちらかが足りないと、テストで成果を出すことはできないということ。インプットとアウトプットの意味とその方法。2つの割合のバランスなどなど。
最初は「インプットとアウトプット」のことを、「覚えることと忘れること」とトンチンカンな捉え方をしていた中1生だったが、話をしていくうちに「なるほどそういうことか」と理解している様子だった。
一度話をしたからと言って、すぐに実践できるとは到底思ってはいないが、これを1年間繰り返すことで、2年生や3年生になると見違えるように上手に勉強できるようになる。実際、今の中2生には、勉強の仕方に無駄のない生徒が多い。中3生のうちの2人に至っては、もう神業としか思えないような勉強の仕方だ。高校生になっても十分過ぎるほど通用するだろう。
魚を釣ってやらないけれど、魚の釣り方についてしっかりと教え、正しい釣り方をしているかどうかをじっくりと観察するのがうちのカンヅメ。成果が出るまでに時間がかかるかもしれないけれど、正しい勉強の仕方を身につけることが無駄になることは絶対にない。