定期テスト対策授業は死んでもやりません。

2014年5月28日

メイン中学の最初の定期テストの範囲が発表された。今週末からいよいよ定期テスト勉強会(通称「カンヅメ」←塾にカンヅメになって勉強するから)が始まる。

kanzume

うちの定期テスト勉強会は、一見すると非常に奇妙に見えるかもしれない。今まで何人か他塾からカンヅメを見学するために来られた先生がいるが、うちのカンヅメの様子を見る度にビックリされる。勉強会といっても先生が前で授業をしているわけではなく、中1生〜中3生までが入り混じった教室で、生徒が黙々と計画表に沿ってただひたすら真剣に勉強しているからだ。我々講師はそれぞれの生徒の計画の進み具合をチェックしたり、生徒が解いた確認テスト類を採点したりしているだけで、よくある「定期テスト対策授業」とは全くかけ離れている。

「中学別の定期テスト対策授業は絶対にしない。」私がこの塾を立ち上げた時から今まで貫き続けているポリシーだ。
そのため、うちの塾では中学校別の過去問集を配ったり、学校の先生の授業の進め方を分析して対策プリントを作ったりなどを一切やらない。このブログでも何度も書いてきたが、今日はその理由についてもう一度確認したい。

参照:うちの塾の定期テスト指導方法のウラガワ
塾生の89%が定期テスト5科目合計点8割以上をとれるワケ

誰かに対策をしてもらった結果の高得点など無意味

確かに塾側が生徒に変わって学校の先生の授業を分析し、それに応じた演習プリントを作り、対策授業をやれば生徒の定期テストの成績はみるみる上昇するだろう。中には、毎年似たような問題を出題する学校の先生もいらっしゃるので、過去問集を配って徹底的にやらせれば簡単に高得点が取れるかもしれない。

でも、そうやって獲得した高得点に何の意味があるのだろうか。

目先のことだけしか考えない保護者や生徒なら喜ぶかもしれないが、こういうやり方で高得点を取っても、長い目で考えれば弊害の方が大きい。このやり方が定着してしまったら、その子どもは「自分の代わりに対策してくれる誰か」がいない限り、テストで高得点を取ることができなくなってしまうからだ。もっと言うと、塾がなければ何もできない子になってしまう。

このブログでも何度も書いているが、うちの塾生に「慧真館がなければ勉強できません」という子どもになって欲しくない。むしろ、この塾がなくても自律した勉強ができるようになるために、うちの塾を利用して欲しいと考えている。

どうすればいいか、自分の頭でよく考えろ

ここ数日で生徒達に定期テストの勉強法について説明した。目標点の設定1つとっても、適当に設定するのではなく、自分の目指す高校のレベルに応じた戦略的な設定の仕方があるということ。定期テスト対策勉強をするときの優先順位とその理由。各科目の勉強時間のバランスの考え方などなど。それらをしっかりと説明し、勉強方法をマニュアル化した手帖(通称「カンヅメ帖」)を生徒一人ひとりに配布して持たせた。

その時に生徒に、
「この方法はあくまでも勉強の基本的な型だ。これに何を付け加え、何を削除していくか。自分の得意不得意やそれぞれの目標点と照らし合わせて、自分の頭でよくよく考えて計画を作りなさい。誰かに言われたことだけしかできないような人間にはなるな。」ということを話した。

この方法だと、結果がきちんと反映されるまでに時間がかかる生徒もいる。自分に合った正しい勉強法を習得するまでに長い時間がかかる子もいる。我々プロの目から見ると、「なんて非効率なことをやってるんだ」と思うような勉強スタイルをとる子もいる。でも、それでもいいと思う。何度もトライ&エラーを繰り返して、少しずつ自律的な勉強方法を身につけてくれればいい。
逆に言えば、それさえ身につけることができれば、定期テスト対策授業なんてしなくても、自分の勉強スタイルで学年トップの成績を取ってくる子もうちの塾には何人もいる(というより各学年で学年トップが存在する)。自律的な勉強が、付け焼き刃の対策授業よりも効果があるという何よりもの証拠だろう。

対策授業の名の下に無意味な高得点を取らせるくらいなら、酷い得点を取らせて失敗させ、その失敗を次に生かす。遠回りかもしれないが、慧真館は勉強の王道を進む。それがこの塾のやり方だ。