先週の金曜日、小6生クラスで初の読書会を開催しました。今日は、そのご報告がてらに読書会に至る経緯や様子を書いてみたいと思います。
読書会に至るまでの経緯
小6生で読書会をやろうと思った一番の理由は、小6生の国語力の低さからです。国語ができない理由は多岐に渡りますが、うちの塾の小6生の場合、その中でも活字に慣れていないこと、本を読んでいないので語彙力や表現力が極端に乏しいことが、国語ができない大きな理由です。
小6生の入塾時に、普段どれだけの本を読んでいるかどうかを保護者の方々にヒアリングしたところ、やはりほとんど読んでいないということ。たまに本を読んでも、興味のあるジャンルの本に偏ってしまうということでした。
これまで何人もの塾生を高校へと送り出してきましたが、トップ校に合格した生徒のほとんどが小学生の頃からよく本を読んでいました。もちろん中には、読書嫌い・国語嫌いでもトップ校へと合格していった生徒はいますが、そういう生徒は本当にギリギリでの合格でした。
このブログでも何度も書いてきているように、言語能力と学力には高い相関関係があります。特に、今の入試問題は昔に比べて言語能力の高さが重要視されています。文科省が「思考力」だとか「知識を活用する力」だとかいろいろともっともらしいことを言っていますが、人は言語を使って思考し、言語を用いて知識を活用する以上、結局それらは言語能力の高さに比例するのです。昔のように、知識を丸暗記するだけのテストなら、それほど高い言語能力は必要ありません。しかし、知識と知識を繋げてものを考えるためには、高い言語能力が必須となるのです。
話がだいぶ逸れました。元に戻しましょう。
とにかく、今の小6生がこのままの読書量と語彙数、そして国語力で中学生になってしまったら、間違いなく学力が伸び悩むことが目に見えていました。早急に手を打たないといけないと思い、現状を打破するための手段の一つとして、読書会を開催することにしました。
最初の読書会の課題本
記念すべき最初の読書会の課題本は、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」にしました。
とにかく内容が面白く、普段読書に慣れていない子どもや本嫌いの子どもでも楽しく読み進めることができるだろうという理由で、この本を選びました。本を選定する際には、うちの塾生の保護者様でもある学校の図書館司書さんにご尽力をいただきました。ありがとうございました。
本音を言うと、重松清や灰谷健次郎などの、児童文学として権威のある有名作家さんの本を読んでもらいたいのですが、本が嫌いな子にいきなり高度な本を渡しても、確実に本嫌いに拍車がかかるだけになります。読書会をやった結果、ますます本嫌いになることだけは絶対に避けたかったのです。「本って意外と面白いじゃん」と思ってもらえるようになるのが、読書会のまずはじめの目標でした。
ちょっと長くなりそうなので、前編後編に分けます。今日はここまで。
次回は試行錯誤の上にたどり着いた読書会の内容について書く予定です。お楽しみに!