簡単すぎる定期テストは、難しい定期テストよりも数倍危険であるということ。

2018年12月14日

第3回定期テストの結果報告がなかなかできないまま2018年が終わってしまいそうなので、定期テストの記事を書きます。いつもより短めの記事になるとは思いますが、ご了承くださいね。

<2018年度慧真館定期テスト結果報告>
●第1回定期テスト
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●第2回定期テスト
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今回も全学年塾内平均9割越え達成

結果から言うと、5教科合計の全学年で塾内平均点が9割を達成しました。前回に引き続き2回目です。

学年ごとの結果は下記の通り。(※1教科50点満点の中学校の場合は100点満点に換算しています)

  • 中1生…461.1点/500点満点
  • 中2生…453.0点/500点満点
  • 中3生…455.6点/500点満点

2018年度3回目ということで、だいぶ定期テストの点数が良い意味でも悪い意味でも落ち着いてきたかなと思います。

結果だけ見ると、中1生は優秀だと思われるかもしれませんが、中1生の多くの生徒が通う学校の定期テストの問題が他の学年・学校に比べて簡単だから点数が高くなっているだけです。

もちろんうちの塾の中1生も一生懸命頑張ってはいるのですが、この定期テスト結果は、必ずしも本当の実力が数値化されているわけではないということを、生徒はもちろん保護者の方にも是非理解していただきたいと思います。

簡単すぎる定期テストによる弊害

あまり語られないことですが、簡単な定期テストは難しい定期テストよりも危険です。簡単すぎる定期テストは、表面的なだけ勉強でも簡単に高得点が取れてしまうので、理解できていない部分をあぶり出してはくれません。でも、人は点数でしか判断しないので、定期テストの点数が良いと、その教科ができていると安心してしまいます。

それが続くとどうなるでしょうか。うちの塾でも実際に起こっていることですが、まず生徒は危機感を持ちません。定期テストで点数がとれていると、本当はその科目の理解が薄くても、テコ入れしようとはしません。こちらがテコ入れしようと補習に呼んでも、定期テストで満点近くの点数がとれていると、真剣に取り合わないというケースさえあります。

簡単な定期テストによる弊害はそれだけではありません。定期テストが簡単すぎると生徒はそれ以上勉強することをやめます。塾でハイレベルなことを扱っても「定期テストにはこんなところまで出ないし」と真剣にやろうとしなかったり、「定期テストには出ないからこんなことをやっても意味がない」と思っている子も実際にいます。

簡単な定期テストを受け続けていると、理解できていない部分をあぶり出される機会もなく、入試まで負荷の小さい表面的な勉強を続けてしまうことになります。当然、応用問題に耐え得る深い理解にも繋がらず、思考力も養われません。でも、定期テストで点数がとれている限り、本人も保護者もそれに気づくことはありません。

はじめて気がつくのは、中学3年生になって受験する入試模試です。定期テストの点数とあまりにも違いすぎる現実を目の前に愕然とします。毎年「定期テストでは点数が取れるのに、模擬試験や実力テストでは点数が取れません。なぜですか。」という相談が寄せられますが、なぜですかもなにも、今まで定期テストに合わせた勉強しかしてこなかったら、しかもその定期テストが簡単だったら、そのような状態になって当然です。

難しい定期テストは生徒に嫌われ保護者から「難しすぎる」とクレームがくることもあるそうですが、長い目で見ると、簡単すぎる定期テストの方がよほど害悪なのです。

まとめ

短めにとか言いながら、結局1500字をオーバーしてしまいました。いつもの悪い癖ですね。

まとめに入りましょう。

定期テストでこれだけ点数がとれるのは、当然素晴らしいことです。しかもうちの塾は、過去問も配布していないし、定期テスト対策授業もしていない。教科書の解説さえしない中で、自分の力だけでこれだけやれるのは本当にたいしたものです。

しかし、だからと言って定期テストに合わせた勉強をしてはいけません。定期テストを全ての判断基準にしてはいけません。入試できちんと点数がとれる実力、さらに言えば高校入学後も困らない各科目の基礎力・思考力を身に付けるためには、負荷の大きい勉強が必須だということを覚えておいてください。

次の第4回の定期テストでは、定期テストのレベルに合わせた勉強をするのではなく、それを超えたレベルでの勉強を心がけてください。「こんなのは出ないからやらない」ではなく、せっかく2週間も定期テスト勉強に費やすのだから、その分テスト範囲の単元を深く理解し、入試レベルまでできるようにしておきましょう。

もちろん、定期テスト合計9割に達していない人は、まずその段階に達することが最優先事項ですが。