入試直前期に大切にしたい「攻め」と「守り」の勉強法。

2019年2月1日

早いもので今日から2月です。神奈川の公立入試まであと2週間を切りました。

「入試直前の時期って何を勉強すれば良いんだろう」と悩んでいる人は案外少なくありません。なかには、これが一番最悪なんだけれど、「入試の直前なんて何をやってもムダ」と勉強するのをやめてしまう人もいれば、直前だからといきなり火がついて猛勉強し始める人もいる。

勉強法って最終的には人それぞれだから、基本的に自分がやりたいことをやれば良いとは思うんですが、塾講師の立場としてアドバイスできることを書いてみたいと思います。

得意科目は新しい問題で「攻め」の勉強を

「入試直前期は今まで解いた問題の復習に徹した方がいい」というアドバイスが多いけれど、これは半分正解で半分間違い。むしろ得意科目や得点をとらないといけない科目、もしくは高得点が必要な立場の人は、入試直前期でも初見の問題(初めて見る問題)をガンガン解くことを重視した方が良い。

というのも、入試本番では、どの科目も全く新しい問題を解くことになる。もちろん今までの過去問と似た問題が出る可能性はあるが、神奈川県のように毎年で問題傾向やレベルが激変している入試となると、むしろ似たような問題すら出ない可能性の方が高い。

新しい問題を解くときにのみ、使う頭というものがある。人は、過去に一度でも解いた問題を解く場合、まず「これどうやって解いたっけ」と記憶を辿ろうとする。一方で、新しい問題を解く場合は、記憶ではなく解法の糸口を探ろうとする頭がはたらく。この2つの思考回路は、全くの別物だ。

入試問題が初見の問題である以上、新しい問題を解き、短時間で解法の糸口を探り当てる訓練を怠ってはいけない。過去問ばかりやっていると、問題を解くために一番大切なこの思考回路が鍛えられずに鈍ってしまう。そうすると、一生懸命勉強してきたのに、最後の最後で本番に弱い頭になってしまいかねない。

ただし、一つ注意して欲しいことがある。この時期に新しい問題をやる場合、必ず制限時間を設けること。そしてもし解けない場合でも、いつまでもダラダラ考え続けないこと。

もっと言うと常に「分からない問題の対処法」を考えておくと更に良い。解けない問題に対して、どこまで考えるのか、はなから飛ばして捨て問にするのか、先に他の問題をやって戻る時間があるのかどうかを臨機応変に考えておくと、本番で分からない問題に出くわした時にも慌てずに対処できる。

それが直前にやる「攻め」の勉強だ。

苦手科目は復習重視の守りの勉強を

一方で苦手科目については、今までに解いてきた模試や過去問の総復習を重視すること。スラスラと解けるようになっているか、忘れている知識・解法はないかを確認しよう。

確認の過程の中で、基本がすっぽり抜けてしまっている単元があれば、基本的なテキストに戻って基本を確認する。その時、ピンポイントでその問題だけを復習するのではなく、その問題の周辺事項の基本も合わせて復習するように。絶対に抜けているはずだから。

苦手科目に関しては、「難しい問題でもどんどん挑戦して得点を稼ぐ」感覚ではなく、「大失敗しないように基本的な問題を落とさない」こと第一に考えること。それが「守り」の勉強。

理社はまだまだ伸びる

もしまだまだ理社が弱いのであれば直前期は理社中心に勉強しよう。理社はギリギリまで伸びていく科目なので、まだまだ諦めてはいけない。

明らかに苦手なジャンルがまだ残っているようなら、その苦手を速攻で潰す。1つのジャンルにダラダラ1週間もかけない。1日か、かけても2日で集中して潰す。潰したあとは、そのジャンルの実戦形式の問題を多く解き、実戦できちんと解けるかどうかの確認を。

特定の苦手なジャンルがあるわけではないけれども満遍なく点数がとれないという人は、模試や過去問などを解き、間違えた問題のやり直しを丁寧にやっていく。これを時間の許す限りで繰り返すこと。

理社の不得意のほとんどの原因が、知識不足・演習不足によるもの。逆に言うと、その不足しているものを解消していくほど、理社の点数は安定していく。

最後にガンガン攻めるのは理社だ。

まとめ

入試近くになると、もうこの時期から何をやってもあまり変わらないからと「謎の調整」に入り、勉強する手を緩める人が出てくるんだけれど、それを一番やってはダメです。もちろん体調壊すほど無理はしてはいけないけれど、2週間前はまだまだ伸び盛りの時期。手を緩めている場合ではないですよ。