開校した時はそうでもなかったんだけど、最近は他の塾から転塾してくる子が増えてきた。「だったら最初からうちの塾を選んでおけばよかったのに!」という気持ちをぐっとこらえながら、転塾を考えて訪ねてくる生徒や保護者の話を聞くと、生徒側に問題がある場合と、塾側に問題がある場合とがある。生徒側に問題があるときは、たとえ塾を変えても結局上手くはいかないのだが、塾側に問題があるときは、塾を変えることで成績は上がる。
私の経験則でいうと、塾側に問題がある9割は、「放置プレイ」されていることが原因。これ、実は少なくありません。生徒の学力が低くて確実についてきていない、もしくは生徒に全くヤル気がなくて確実にちゃんとやっていないのにもかかわらず、塾側が見て見ぬふりをしている。これが放置プレイの状態。
塾側が放置プレイする理由は3つ考えられる。
原因①・・・生徒に辞められたら売り上げに響くから
原因②・・・「この生徒の成績を絶対にあげてやろう」という情熱が先生に欠けるから。
原因③・・・そもそも、その生徒のそういう状態に塾側が気付いていないから
だいたいこの3つにあてはまるだろう。で、一番多いのが①。塾も商売だから、塾生に辞められては困る。ちゃんとやっていないことを叱って生徒が辞めていくより、例え成績が上がっていなくても当たり障りなく放置して、機嫌よく塾を続けてくれる方が商売的には良いというわけ。もし、成績が全く上がらないのにもかかわらず、子どもにアドバイスすることもないし、何かしらのアクションが塾側からあるわけでもない場合、塾にとっての「カモ」にされている確率が高い。その場合は、速攻その塾を辞めることをお勧めする。塾のカモになってしまっては、通い続けていても成績が上がる見込みは薄い。
②の、塾の情熱の欠如もよくあること。特に、フランチャイズでアルバイト講師中心の個別指導塾 や、個人で副業的に塾を経営されているところでよく見かける。学生講師でも責任感が強く熱意溢れる講師もいるので、アルバイト講師自体を否定はしない。熱意の無いくたびれたオッサン講師よりも、若いエネルギーに満ち溢れた学生講師に習った方が上手くいくときもある。しかし、コンビニでのバイト感覚で塾講師のアルバイトをしている学生もいるのも事実。そういう講師は、「塾の生徒の成績を上げてやろう! 」って気持ちで仕事しているんじゃなくて、「さあ稼ぐぞ!」って気持ちで仕事しているので、生徒の成績にはあまり興味関心がない。個人で副業的に経営されているところも同じ。情熱があったら塾の方を本業にするでしょう。こういう場合も、本気でやっている塾に転塾した方が成績が上がると思う。
最後の③は、生徒が多い大手なんかにありがちなパターン。生徒が多すぎて、一人の生徒の状況に気が付いていないか、薄々気が付いていてもそこまで手が回らないかのどちらか。こういう場合、速攻転塾するよりも、先に塾側に相談を持ちかけた方が良い。大手塾はお客さんのクレームは極力回避したいので、相談したら何かしら手を打ってくれる場合が多い。相談したにもかかわらず放置プレイが続いたら場合は、もう辞めた方がいいかもしれない。
今までたくさんの塾を見てきて、たくさんの塾の経営者に会ってきた自分なのでハッキリ言います。放置プレイ状態の塾に通って得られるのは、「とりあえず塾に行っている」という安心感だけです。放置プレイ塾から転塾してきた生徒を見てきたけれど、それはひどい放置っぷりです。中学2年の終わりまで通っても、アルファベットすらまともに書けない子もいたくらい。放置されたら転塾を考えましょう。良い塾なんて探せばいくらでもあります(ウチのようにね)。