すべての勉強は、3種類に分類できる。

2017年5月9日

GW休みが終わった。新学年が始まってからちょうど1ヶ月が経過したことになる。

4月のうちはほとんど進まなかった授業も、GWが終わってからはどんどん本格的に進んでいくようになる。それと同時に、現学年になって初めての定期テストもだんだん近づいてくるし、受験学年なら受験勉強もそろそろ意識していかなければいけない。

そこで今日は、定期テストや受験勉強など、どの勉強にも通じる「勉強の基本」について書いてみたい。

すべての勉強は3種類に分類できる

結論から言うと、すべての勉強は次の3種類に分類できる。

  • 理解する=インプット
  • 定着する=セーブ
  • 実践する=アウトプット

では、それぞれの項目を説明してみる。

理解する=インプット

まずは理解する。最初のこれが、実は一番難しい。

理解したつもりでも実は全く分かっていなかったり、もう十分理解しているのに、自分はまだまだ分かっていないと思い込み、なかなかその先に進まないという生徒はものすごく多い。自分がきちんと理解しているか否か、それを冷静かつ客観的に見極めるのは、特に中学生くらいの生徒にとっては至難の技だ。

うちの塾生たちにはいつも、「なぜこの答えになるのか、自分で解説してみるように」と言っている。模範解答の解説を見ながら解説するのではない。何も見ずに、しかもできれば図式化または文章化して、先生になったつもりでその問題を解説してみると、自分が理解できているかどうかが分かる。

当然だが、本当に理解できていないと解説できない。図式化または文章化してみるとそれが一目瞭然になる。文章や図で表すことができない部分が、理解が薄い部分だ。それを一つ一つクリアにしていくプロセスこそが、真の理解に繋がる。

「なんとなく」「感覚で」ではなく、なぜその答えになるのか。一つ一つバカにせず、説明できるようにする。実際に人に説明してみてもいい。

「理解」は勉強の第一段階であるからこそ、最も慎重にかつ丁寧に、積み上げていこう。

定着する=セーブ

次の段階は、定着する。きちんと理解したことでも、時が経てば忘れてしまいましたでは、点数に結びつくことはない。理解したことは、きちんと頭の中のハードディスクに記憶させておかなければいけない。

理解したことを定着させるためには、一定量の練習が必要だ。勉強に限らず、スポーツでも芸術でも何でもそうだが、「頭で理解していること」と「実際にできること」は必ずしもイコールではない。むしろ、分かっているのにできない場合の方が圧倒的に多い。

スポーツでも芸術でも、プロとなっても膨大な時間を練習に費やすのは、頭で理解していることと実際にできることを限りなくイコールに近づけるためだ。

定着のための勉強には、同じ問題を何度も繰り返し解いたり、類題を解いたりという、「解く」という勉強が効果的だ。理解したことを、実際に自分の手で解いてみる。その過程で、先生から教わったポイントを反芻したり、自分がミスしやすいところに気を配る。

これを繰り返すことで、頭の中の深い部分に、理解したことや学習したことがセーブされ、蓄積されていく。

実践する=アウトプット

勉強の最終段階は、アウトプットだ。定期テストでも受験でも、最終的に問われるのは、「インプットしてきたものを、制限時間内どれだけ正しく、そしてどれだけ多くアウトプットできるかどうか」である。であれば、何らかの試験のための勉強ほど、アウトプットの練習は欠かすことはできない。

受験勉強だと、過去問演習や模試などがアウトプットにあたる。定期テストだと、問題集の総合問題などがアウトプットの良い練習になる。受験勉強や定期テストだけではなく、例えば漢字テストや単語テストなどの小テストでも、自分でテストをしてみることでアウトプットの勉強ができる。うちの塾生には、小学生の頃から、小テストで満点をとるには、事前のアウトプットの勉強=自分で事前にテストをすることが欠かせないと言い聞かせている。

アウトプットの時に一番大切にしたいのが、当然「時間」である。「時間」を無視したアウトプットはあり得ない。模試であれば問題ないが、普段の勉強でも、アウトプットの勉強の時には必ず自分で制限時間を設定すること。

試験勉強において、この3つ以外の勉強はない

特に受験勉強や定期テスト勉強など、何らかの試験のための勉強は、必ずこの3つのいずれかに分類される。逆言えば、この3つ以外の勉強はない。

例えばテスト前に、色ペンを使って綺麗にノートまとめをしている人がいる。ノートをじーっとただ眺めている人がいる。乱暴に言うと、これらは「勉強」ではない。先ほどの3つに当てはまらないのだから、ただの作業であり、作業をどれだけ繰り返しても賢くはならない。

自分が勉強をしているとき、今やっている勉強は「理解する」「定着する」「アウトプット」のどれにあたるのか、必ず意識しておくこと。そうすると、勉強に無駄がなくなり、どんどん洗練されていく。