神奈川県公立入試の学力検査がいよいよ明日となった。
今日の授業は全クラスとも自習日としたが、中3生たちは終了のチャイムが鳴る最後の一秒まで、むさぼるように問題を解いていた。最後に受験の注意事項を何点か話し、今後の予定を確認し、それぞれがこれまで書き綴ってきた受験日誌に一人ひとり講師からメッセージを書き入れたものを渡した。
<最後に話した受験の注意事項>
- 国語の試験の漢字はトメ、はらい、ハネなどに気をつけて正確に書く。特に亠(なべぶた)などが雑になりやすいので注意する。
- 数学の試験では、2次方程式など方程式の解を書くときに、「x=」を忘れないように。毎年コレを忘れて貴重な点数を落とす生徒がいる。
- 受験会場に着いたら、頭の準備体操として、簡単な数学の計算問題などを解く。スポーツに準備運動が欠かせないように、頭も準備運動無しで急にフル回転することはできない。
- 終わった科目については気にしない。当たり前だが友達と答え合わせもしない。次の科目に全神経を向ける。
- 特に数学で、難しいなと感じたら、潔く捨て問にして簡単な問題を確実に取りにいくという「守りの姿勢」が必要な場合もある。
- 難しい問題はみんなが難しいと感じていると思え。自分だけが難しいのではないから、取れるところを確実に取りにいくことを最優先に考える。
中3生たちの表情を見ていると、本当にいい顔をしているなと感じる。これまでの受験勉強期間を通して必死で努力してきただけに、本当に清々しい良い表情を見せてくれる。受験勉強は確かに辛かっただろう。だけど、目標に向かって勉強に邁進する充実した日々を過ごしてきたことで、15歳の生命力は眩しいくらいキラキラと輝いている。そう感じた。
受験は決して悪ではない。むしろ、努力するという経験、悩むという経験、緊張するという経験、挫折感を味わうという経験を通して、15歳の人生に一層の深みと充実が生まれる。そう思いながら、そういう貴重な経験をさせるために、毎年受験生を指導している。
さて、決戦の金曜日が間もなくやってくる。最後の最後で、塾講師は驚くほど無力になる。いつものように、「そこ間違っているよ」と指摘してやることも、「ここに補助線を引けば簡単だよ」とアドバイスしてやることもできない。ただ、皆が全力を出せることを、静かに祈ろうと思う。
頑張れ。みんな。