その勉強は軽すぎるよ!勉強に正しく負荷をかけるための4つの方法。

2015年5月28日

第1回目の定期テストに向けてのカンヅメ(定期テスト勉強会)が始まっています。

先週からカンヅメで生徒の自主学習の様子を眺めていますが、勉強ができない子ほど、負荷のかからない軽い自主学習をしていることが多いように感じます。勉強に負荷をかけるということを知らないのか、もしくはあえて負荷のかからない勉強を好んで選んでいるかは定かではありませんが、負荷のかからない軽すぎる勉強を何十時間繰り返したところで、ほとんど効果はありません。

定期テスト勉強でも受験勉強でも普段の勉強でも、負荷のかかる勉強をどれだけしていきたかどうかが、その子の学力を決定づけているのです。

ということで、今日は勉強に負荷をかけるための方法について書いてみたいと思います。

勉強に負荷をかける4つの方法

制限時間を厳しく設ける

制限時間を厳しめに設けると、脳に程よい負荷がかかり記憶力もアップします。たとえば問題集を解くとき、制限時間を決めずにダラダラと解くのではなく、「○ページから○ページを何分で終わらせる」と制限時間を決めた方が、集中力も保つことができるし勉強の効率もぐっとよくなります。

制限時間を設ける際、取組んでいる勉強内容が、自分にとって簡単であればあるほど、単純作業であればあるほど、厳しく制限時間を設けることです。

これについては、ご存知脳科学者の茂木さんも、「脳を活かす勉強法 (PHP文庫)」で同じようなことを書いています。

僕は常に「タイムプレッシャー」を意識して勉強を続けていました。そのおかげで、一瞬にして集中する力が身についていたので、同じ感覚で普通のテストを受けると、時間を持て余していたくらいです。

うちの塾でも、勉強ができない子ほど、10分で終わる量を20分も30分もかけてやり続けます。勘違いして欲しくないのは、10分でできないのではなく、10分でやろうとしないのです。だからどんどん勉強ができなくなるのです。勉強ができる子は、常に時間を気にしながら問題を解いています。

難問は時間の許す限り考え続ける

先ほどの「制限時間を厳しく設ける」とは真逆になりますが、たとえば数学や理科でなかなか解けない問題に出くわしたときは、時間の許す限り考え続けましょう。

生徒の様子を見ていると、ちょっと考えてできなかったらすぐに答えを見るという勉強法をしている子もいますが、確かにその勉強法は効率は良いかもしれませんが、脳に全く負荷がかかっていない分、その勉強をいくら繰り返しても考える力は付きません。その結果、今までに解いたことのあるパターンの問題は解けるのですが、少しパターンから外れると、全く解けなくなってしまいます。定期テストの標準的な問題では点数が取れても、実力を見る問題や入試では全く歯が立たなくなるでしょう。

なかなか解けない問題に出くわしたときは、20〜30分は考え続けます。それでも分からなかったら、すぐに答えを見るのではなく、また次の日に考えてみるのです。少し時間をおくと、昨日分からなかったことが案外すんなり解けるということが多いです。

「たった1問にそんなに時間をかけるよりも、もっとたくさんの問題に取組んだ方が効率が良い」という意見もあるでしょうが、確かに受験直前では、1問に時間をかけるよりもたくさんの問題に取組んだ方が良いでしょう。でも、それほど考えなければいけない「たった1問」には、たくさんの要素が含まれているものです。表面上は「たった1問」が解けるようになっただけかもしれませんが、多角的にモノを考えたり、深く思考したりなど、その単元や教科を超えて通用する応用力が身についています。

自分のレベルよりちょっと難しめの問題集を使う

余程苦手な科目以外、問題集は自分のレベルよりもやや高めのものを使う方が、脳に適度な負荷がかかり、同じ時間勉強しても学習効果がまるで変わってきます。

これは筋トレと同じ原理です。負荷が軽すぎる鉄アレイを100回上げ下げするよりも、自分にとってかなり負荷がかかる鉄アレイを10回全力で上げ下げした方が筋肉は鍛えられます。

塾や学校で使用する問題集が指定されている場合は、その問題集の中の応用問題や発展問題など、自分にとって負荷のかかるページを積極的に選んで取り組みましょう。負荷のかからないページについては、上でも書いたように制限時間を設けて、速くかつ正確に解けることを目標とすると良いです。

全部一発で正解できなきゃいけないルールでテストする

これは暗記物で特に有効ですが、「全部一発で正解できなきゃいけないルール」で自分でテストをします。たとえば、単語を30個覚えるとしましょう。もちろんダラダラ覚えてはダメなので、「30個を10分で覚える」というように制限時間を設けます。その後、全部一発で正解できなきゃいけないルールで、覚えた単語をテストしてみるのです。1個でも間違ったら、また最初から。これを繰り返し、全部一発で正解できるまでやります。

厳しい条件を設けて自分でテストをしてみることでも、負荷のかかる勉強ができます。勉強がよくできる子というのは、知らず知らずのうちに自分でテストを繰り返します。負荷のかかる勉強を自然にやっているので、勉強がよくできるようになるのでしょう。

まとめ

勉強の負荷=勉強の質です。ここに書いた4つを定期テスト勉強で実践するだけでも、だいぶ効果は変わってくると思います。定期テスト勉強だけでなく、普段の勉強にも取り入れて、少なくとも半年以上続けてみましょう。自分で自分の勉強に負荷をかけられるようになると、同じ時間勉強していても、成績の伸び具合が全く違ってきます。