卒業生の41.6%が国公立早慶に進学!厚木高校の強さは「授業力」にあり。

2018年11月20日

2018年公立高校訪問2校目は厚木高校です。うちの塾からもほぼ毎年のように厚木高校に進学していて、現役では2年生に3人、1年生に2人、うちの卒塾生がいます。

厚木高校への訪問は4年ぶりです。

4年前の記事はコチラ↓
約3人に1人が国公立大に現役合格!厚木高校の魅力に迫る。

2018年から学力向上進学重点校の仲間入りをし、神奈川県公立高校「4強」の一翼を担う厚木高校の今に迫るべく、副校長の樋口先生に色々とお話を伺ってきました。

現役国公立大合格者数121人!国公立早慶進学率は41.6%!

今の厚木高校を語る上でまず言及するべきは、なんといっても大学進学実績になるだろう。今春の現役国公立大学合格者数は卒業生360人中121人。3人に1人が現役で国公立大学に合格しているということになる。また、現役の国公立+早稲田慶應の現役進学率が全体の41.6%だったそう。これは厚木の過去3年間の中で最も高い。

国公立大学の現役合格者数だけでいうと、2018年度の厚木は横浜翠嵐の148人に次ぐ2位。数人の差ではあるが、湘南の119人よりも実績は上だ。

その主な国公立大合格先を抜粋すると以下の通り。

東京大1/京都大1/東工大6/一橋大1/名古屋大1/東北大8/筑波大3/北海道大2/東京医歯大2/東京学芸大3/東京農工大1/横浜国立大28/千葉大5/首都大学東京21/横浜市立大9など

中身を見てみると、旧帝大や東工大・一橋大等の難関国立大というよりも、どちらかというと横浜国立大や首都大学東京といった地元の国公立大学が多い。その辺が横浜翠嵐・湘南と大きく違う。

樋口副校長も、「うちは、難関国立大というよりも、地元や地方の国公立大を堅実に目指す生徒が多いです」とおっしゃっていたように、地元国公立志向の生徒が多いのが厚木の特徴の一つだろう。

厚木の実績を支えているのは「授業力」

では、どうして厚木はこのような実績が出せるのだろうか。

樋口先生にその疑問をぶつけてみたところ、「それは授業に相当力を入れているからでしょう」と即答されるほど、厚木は授業をとにかく大切にする。定期試験の他に模擬試験も年に4〜5回あり、毎月何らかの試験があるのは、昔から続く厚木の伝統だそう。テストだけでなく週末課題も多い。厚木は進学校の中でも、生徒にしっかりと勉強させる。それが、厚木の高い実績を支えているのだろう。

樋口副校長「派手なことは何もしていません。ただ、授業でも進路指導でもヴェリタス(厚木独自の探求授業)でも、ひとつひとつをきちんと丁寧に積み重ねていくことで力をつけていきます。」とのこと。

授業のカリキュラムも、高2のうちにセンター科目を全て終了するなど、国公立進学を強く意識したものになっている。進学校の中でも、このようなカリキュラムをとっている高校は意外と少ない。私立の進学校ではそれが当たり前だが、中高一貫の私立校は6年間の長いスパンがあるからこういうカリキュラムができるわけで、入学から卒業までたった3年しかない公立高校で私立校並みのカリキュラムを実践するのはかなり大変だったりする。生徒がハードに勉強しなければならないことはもちろん、教師側にもそれをこなす力量が必要だ。

だから厚木の生徒の多くはとにかくよく勉強する。最近リニューアルされたブース型の自習室でも、朝早くから夜遅くまで、多くの生徒が勉強しているとのこと。

他にも盛りだくさんの厚木高校の特徴

厚木高校の特徴は他にも列挙しきれないくらいある。

H29年度までSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校だったこともあり、サイエンス教育は他の高校よりも盛んだし、多種多様な国際交流も行われていて、グローバル教育の面でもかなり進んでいる。

施設の面についていえば、とにかく校庭が広い。どれくらい広いかというと、野球場とサッカーコートと陸上グラウンドが別々にあり、野球部とサッカー部と陸上部が同時に活動しても何の問題もない。その他にも、なぜか体育館まで2つもあるし、なぜかテニス場も2つある。そんな恵まれた施設の中で、部活動も当然盛んに行われている。

でも、厚木の部活動の特徴は、文化部にあったりする。厚木はとにかく文化部の種類が豊富で、しかも部員もたくさんいる。あの「いきものがかり」を輩出した軽音楽部をはじめ、吹奏楽部、音楽部、アコースティックギター部と、音楽関係の部活だけでも4つもあるほどだ。

他にも体育祭と文化祭が一体化した「戸陵祭」は、厚木高校の代名詞と言っていいほどそれはそれは盛り上がるのだそう。

まとめ

このように、厚木高校は実に様々な顔を持つ。

国公立大への進学志向が強く、生徒も先生も一生懸命勉強しているけれども、部活校さながらの施設を持ち、運動部が思う存分練習している一方で、今の公立高校では珍しいほど文化部が盛ん。サイエンス教育に力を入れていると思えば、様々な国際交流も行われていてグローバル教育も盛んに行われている。基本的には真面目な生徒が多いけれど、戸陵祭はどこのパリピかと思うほど大盛り上がりする。

そんな様々な顔を持つ高校だからこそ、多種多様な生徒が存在し、独特の雰囲気を作り上げているのだろう。

この辺のトップ校の小田原や平塚江南よりも、厚木のレベルは頭一つ抜けていて、誰もが簡単に目指せる高校ではないが、だからこそ小田原や平塚江南にはない、「ワンランク上」の雰囲気が厚木にはある。

目指す価値のある学校であることは間違いない。