毎年のことながら既にTwitterなどで各高校の倍率が出回っていましたが、本日県教委から2017年度入試の正式な倍率が発表されましたね。
リンク:http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p1105131.html
倍率のまとめの記事を書く前にひと言だけ。県教委から公式の倍率が発表される前に、Twitterなどで速報が流れ、リツイートされまくる現象はいったい何なんでしょうね。公式発表が願書提出締切日からかなり時間がかかるのならまだしも、2月1日の願書提出締切のその日中に発表されるわけです。今年は志願変更が2月6日からなので、倍率を見て志願変更を考える場合でも中4日はあります。1日早く知ることで得られるメリットよりも、その時間を無駄にしたり不正確な情報に惑わされたりするデメリットの方がはるかに大きいのは誰の目にも明らかです。実際、リツイートされている情報には、数値が間違っているなど不正確な情報も一定数ありました。
この倍率に関する「祭り」現象、収束していくことを個人的には願っています。
さて気を取り直して、倍率を色々な面から分析していきましょう。
うちの塾生が受験する高校の倍率
まずはうちの塾生が受験する高校の倍率から。今年の中3生12名の受験校は、湘南/厚木/小田原/平塚江南/秦野です。今年の塾生の受験校はかなり偏っています。
高校名 | H29年度(2月1日時点) | H28実質倍率との差 | ||
定員 | 志願者数 | 倍率 | ||
湘南 | 358 | 525 | 1.47 | +0.09 |
厚木 | 358 | 456 | 1.27 | +0.04 |
小田原 | 318 | 367 | 1.15 | +0.01 |
平塚江南 | 318 | 363 | 1.14 | -0.08 |
秦野 | 358 | 412 | 1.15 | -0.08 |
昨年度の最終の実質倍率と比較してみると、塾生が受験予定の上記高校はほぼ例年通りです。ただ、毎年多くの受験当日欠席者と合格発表前の取消者が出る湘南高校は、これよりももっと低くなるかもしれません。横浜翠嵐が相変わらずの2倍越えなので、翠嵐から湘南に志願変更をする人も一定数いると予想されますが、それにしても湘南のこの倍率は志願変更前倍率としてはここ5年間で最も低い倍率となっているので、湘南としてはあり得ないくらいの低倍率に落ち着く可能性もあります。
※湘南過去4年間の志願変更前倍率・・・1.95倍(H25)→1.75倍(H26)→1.96倍(H27)→1.72倍(H28)→1.47倍(H29←今ここ)
湘南以外の厚木・小田原・平塚江南・秦野に関しては、難易度が変わらなければ、今年もボーダーラインは昨年度と同程度と考えておいてよさそうです。ちなみに2016年度入試の各高校ボーダー予想は過去記事を参照してください。
(参照)【2016年度入試】各高校の合格者平均とボーダーライン+特色検査平均点のまとめ
1.5倍を超える激戦校
神奈川の公立高校では、倍率が1.5倍以上になると「激戦校」と言ってもよいでしょう。1.5倍を超えると、合格率が66.6%以下になります。神奈川県公立高校全体の合格率が85%程度なので、それと比較するとかなりの激戦校ということになります。
2月1日時点での激戦校をまとめてみます。(定員が少ない専門コースは除きます)
横浜翠嵐(2.12倍)、新城(2.02倍)、上溝(1.76倍)、元石川(1.69倍)、横浜緑ヶ丘(1.74倍)、多摩(1.69倍)、大和(1.67倍)、柏陽(1.66倍)、川和(1.63倍)、市立金沢(1.65倍)、市立東(1.59倍)、鶴見総合(1.60倍)、藤沢西(1.56倍)、横浜サイエンスフロンティア(1.56倍)、市立桜丘(1.55倍)、住吉(1.53倍)、座間(1.51倍)
この激戦校リストに毎年常連の湘南が入っていないということが不思議でたまりませんが、もう一つ不思議なことが、海老名高校がいないことです。暫定倍率発表時に、1000人越えの希望者数を叩き出していた海老名高校ですが、結局は1.42倍と、普通の倍率に落ち着いています。
(参照)2017年度暫定倍率から今年の入試を読む。進路希望調査アレコレをまとめてみた。
ちなみに暫定倍率の答え合わせをすると、湘南高校だって10月時点では1.90倍の例年通りの人気を誇っていました。毎年同じことを言っていますがこの進路希望調査、いかにあてにならないかがよく分かるでしょうか。同じ答え合わせでも、全県模試の予想倍率の方が、若干の違いはあれど、進路希望調査よりは実際の値に近かったと言えるでしょうか。
(参照)2017年度入試各高校の予想倍率(※あまり鵜呑みにしないように)
志願変更者数は全体の5%ほど
倍率が出揃ったところで気になるのが志願変更の動きです。今年は今週末の土日をはさんで、2月6日から志願変更の受付開始と、例年より志願変更までに時間の余裕があります。ここ数年は全体の5%程度の受験生が志願変更をするようになってきましたが、今年は例年より志願変更までに時間のゆとりがある分、例年より動きが活発になるかもしれません。
入試まであと2週間「も」ある!
さて、今日で入試までちょうどあと2週間です。あと2週間「も」あります。
定期テストの勉強を思い出しましょう。定期テストはだいたい2週間前から勉強を始めますよね?その2週間で、5科目、場合によっては9科目きっちりと仕上げてきましたよね?しかも1科目も1単元ではなく、2単元〜3単元くらいはありましたよね?つまり、少なく見積もっても5科目×2単元=10単元を仕上げるくらいの時間はまだまだ残されているのです。
自分の高校の倍率を確認したら、すぐに勉強に戻りましょう。1科目につき最低2単元は、定期テストの勉強のように、教科書をじっくりと読み、問題集を解きながら理解する時間は十分残されています。
まだまだ勝負はこれからです。